タイラバで安定して釣果を出す人たちは、使っているリールにもこだわっています。
ただ巻きの釣りだからといって、どんなリールでもいいわけではありません。
実際、同じ船に乗っていても釣る人と釣れない人には道具の差があることも少なくありません。
その中でも、リールの性能や特性は釣果に直結しやすく、上手い人ほど「どんなシチュエーションで、どのタイプのリールが適しているか」を理解して選んでいます。
たとえば、一定速度で巻き続けやすいギア比や、長時間の巻き上げでも疲れにくい重量バランス。
さらに、水深や潮流に応じて着底を正確に感じられる感度の良さなど、細かな点に差が出ます。
この記事では、実際に釣れている人が選んでいるタイラバ用リールを5つ紹介し、それぞれの特徴と選ばれる理由を解説します。
これから購入を検討している方はもちろん、釣果に伸び悩んでいる方もぜひ参考にしてみてください。
釣れる人はどんなリールを使っているのか?
タイラバで釣果を上げている人たちは、リール選びに明確な基準を持っています。
「巻ければ何でもいい」ではなく、「どう巻けるか」に重きを置いているのが特徴です。
なかでも共通しているポイントは以下の3つです。
1.一定速度で巻きやすいリールを選んでいる
タイラバの基本は一定速度でのただ巻き。
その中で差が出るのは「巻き始めの軽さ」や「巻き心地の安定感」。
釣れる人ほど巻きに違和感を感じさせないスムーズな操作を重視しており、ギア比もそれに応じて選んでいます。
2. 軽さとバランスを重視している
長時間の釣行では、リールの重さが集中力に影響を与えます。
手首に負担をかけずに巻き続けられる軽量リールを使うことで、最後まで安定した操作が可能になります。
特に深場や潮流の速いエリアでは、この差が釣果に直結するケースもあります。
3.感度の高いモデルを使っている
フォール時や着底の瞬間に微妙な違和感を感じ取れるリールは、アタリの前兆をいち早く察知できます。
釣れる人は「釣れるタイミングを逃さない」ために、感度やドラグの滑らかさまで意識して選んでいるのです。
こうした細部に目を向けるかどうかで、1日の釣果が大きく変わってきます。
逆に言えば、これまで「何となく」で選んできたリールを見直すことで、今までより明確な手応えを得られるかもしれません。
リール選びが釣果にどう関係してくるのか?
タイラバはシンプルな釣りに見えて、実は非常に繊細な要素が積み重なっています。
なかでも、リールは仕掛けの動きを直接コントロールする道具。
その性能や扱いやすさが、アタリの数やフッキングの成功率にまで関わってきます。
たとえば、潮の流れが速くなってきたタイミング。
適切なリールを使っていれば、レンジキープを崩さずに攻め続けることができます。
しかし、巻き心地が重かったり、巻き速度が安定しないリールでは、タングステンを使ってもレンジを外しやすく、結果としてアタリが出ません。
また、魚が乗り気でない状況では、巻きの速度変化がアタリに大きく影響します。
このとき、無意識のうちに速度ムラが出てしまうと、魚に違和感を与えてしまい、バイトが続かなくなります。
さらに、フォール時や巻き始めの「コツン」という微細なアタリを察知できるかどうかも、リールの感度次第。
上手い人はこの小さな変化を見逃さず、即座に合わせに持ち込めることで、釣果を伸ばしているのです。
つまり、単なる「巻くだけの道具」ではなく、「釣れる動き・釣れる感度」を実現するためのリール選びが、タイラバでは重要な役割を担っているというわけです。
タイラバに向いているリールの条件とは?
釣れる人が選ぶリールには、共通する特徴があります。
それは「軽さ」「巻きやすさ」「感度」「耐久性」など、どれも“釣れる動作”を正確に再現するための要素です。
以下に、タイラバに最適なリールを選ぶために注目すべきポイントを紹介します。
1.ギア比:ノーマルギア(5.5〜6.2前後)が扱いやすい
タイラバは基本的にただ巻きの釣り。
このとき大事になるのは、一定速度を安定してキープできることです。
ノーマルギアは巻きが軽く、無駄な力が入らないため、長時間の釣行でも一定速度を維持しやすいというメリットがあります。
一方でハイギアは回収スピードが速い利点がありますが、巻きのムラが出やすいため初心者や釣果に悩む方には不向きな場面もあります。
2.自重:200g前後が軽量リールの目安
タイラバはリールを持ち続けながら、常に巻き動作を繰り返す釣りです。
そのため、手首や腕への負担が蓄積しやすく、リールの自重は軽い方が有利になります。
一般的に、200g前後のモデルは軽量クラスに分類され、長時間の釣行でも疲労感を軽減してくれます。
ただし、軽すぎるとロッドとのバランスが崩れることもあるため、タックル全体の相性も考慮したいところです。
3. 感度:金属ボディを選ぶと手元に情報が伝わりやすい
タイラバでは、微細なアタリや着底の瞬間を感知できるかが釣果を左右します。
その点で、ボディ剛性が高く、振動伝達に優れたアルミやマグネシウムなどの金属ボディは圧倒的に有利です。
感度が高いことで、違和感をすぐに察知して合わせるタイミングを逃しにくくなります。
4.ドラグ性能:スムーズな滑り出しがフックアウトを防ぐ
タイラバは魚がバイトしてもすぐにはフッキングせず、重みを感じてから巻き合わせする釣り。
このとき、魚の突っ込みに対してリールのドラグがスムーズに効かないと、フックが外れてしまう原因になります。
特に不意の大型真鯛や青物に備えるためにも、出始めから滑らかに作動するドラグ性能は欠かせません。
5.カウンター付き:水深の把握で再現性が高まる
タイラバは「どの水深で食ったか」が非常に重要な釣り。
そのため、カウンター付きのリールはヒットレンジの再現性を高めるうえで非常に有効です。
とくに潮が複雑な状況や、ベイトが浮いている場合など、レンジ管理が釣果に直結する場面では大きな武器になります。
カウンターの有無は釣り方やフィールドによっても選び分けが必要ですが、初心者ほどヒットレンジを把握しやすい「あり」のモデルを使うことで再現性を高めやすくなります。
このように、各項目には明確な「釣れる理由」があります。
スペック表だけで判断するのではなく、実際の釣りにどう影響するかを想像して選ぶことが、釣果アップの第一歩となります。
リール選びで失敗しないためのポイントとNG例
タイラバ用リールを選ぶときにやってしまいがちなのが、見た目や価格、聞きかじった情報だけで決めてしまうこと。
釣果に直結する道具だからこそ、選び方には明確な軸が必要になります。
以下は、失敗しないためのポイントと、実際によくあるNGパターンです。
ポイント①:ギア比は無理のない巻き心地で選ぶ
→ NG例:速く回収したいからとハイギア一択で選ぶ
ハイギアは巻き取り量が多く、手返しの早さには貢献します。
しかしその分、巻きが重くなりやすく、一定速度を保つのが難しくなります。
タイラバの基本は一定スピードのただ巻き。
まずは巻き心地が安定しやすいノーマルギア(5.5〜6.2前後)を基準に選ぶのが堅実です。
ポイント②:軽さと操作性のバランスを見る
→ NG例:軽ければ軽いほどいいと考えてしまう
軽量リールは操作がしやすく疲れにくいのがメリットですが、軽すぎるとロッドとのバランスが悪くなることもあります。
目安として200g前後のリールは長時間の使用でも疲れにくく、扱いやすい軽量クラス。
重量だけでなく、全体のバランスも意識して選びたいところです。
ポイント③:素材や構造にも注目する
→ NG例:価格だけで選んでしまい、感度が悪いリールを使う
安価なモデルの多くは樹脂ボディで構成されており、振動の伝達力が劣ります。
タイラバでは微細なアタリや着底の違和感を感じ取る感度が重要。
アルミやマグネシウムなど金属ボディを採用したリールを選ぶことで、釣れるチャンスを見逃しにくくなります。
● ポイント④:釣り場の水深に合った番手を選ぶ
→ NG例:他人のおすすめをそのまま使ってサイズが合っていない
使用する水深に合った番手選びも大切です。
たとえば、水深50m以下なら100〜200番手が扱いやすく、軽量でレスポンスも良好。
一方で、深場(80m以上)を狙うなら300番手などラインキャパと巻き取り量に余裕のあるリールを選ぶのが安心です。
ポイント⑤:カウンターの有無を釣り場に合わせて選ぶ
→ NG例:浅場でも「とりあえずカウンター付き」を選ぶ
カウンター付きリールはヒットレンジを把握するのに便利ですが、水深が浅いエリア(20〜30m程度)ではあまり活用しきれないこともあります。
浅場では着底のタイミングも目視や感覚でわかりやすいため、カウンターなしの軽量リールのほうが操作性に優れる場合も。
「必要な場面」で選ぶ意識が大切です。
釣れる人が選んでいるリール5選
では実際に、タイラバで実績のある釣り人たちが愛用しているリールを紹介していきます。
どれも“ただ巻き”を基本としたタイラバの釣りにおいて、巻き心地・感度・扱いやすさといった点で評価の高いモデルばかり。
もちろん、「高価=釣れる」というわけではなく、実釣における再現性や快適さに優れたリールが選ばれています。
それぞれのリールのどんな点が釣れる動きに繋がっているのかという視点で解説していくので、ぜひ今使っているリールと比較しながら読んでみてください。
シマノ 炎月プレミアム 150PG
安定した巻きと操作性を求めるなら、炎月プレミアムのPGモデルは一度チェックしておきたい存在です。
ギア比は5.8、最大巻き取り長は58cmと、パワーギアながらノーマルギアに近い巻き取り感覚で使えるため、ただ巻きの釣りでも扱いやすさが際立ちます。
巻きの軽さがあることで、スピードのムラが出にくく、アタリを弾かずにしっかり乗せていけるのがこのリールの強みです。
長時間の釣行でも手首への負担が少なく、集中力を保ちやすいのも嬉しいポイントと言えます。
さらに、このモデルにはシマノ独自の「フォールレバー」が搭載されており、フォールスピードの微調整が指先ひとつで可能です。
フォール中のアタリを拾いやすくなり、特に食い渋る状況で差がつきやすくなります。
デジタルカウンターも反応が良く、ヒットレンジの再現や着底判断がしやすいため、狙いたい水深をしっかり攻め続けることができます。
剛性感のあるボディと滑らかな巻き心地で、実際に使ってみると「釣れるリールとはこういうことか」と納得できる仕上がり。
軽快さと情報量の多さを両立させた、実践派の一台です。
シマノ オシアコンクエストCT 200MG
「巻いてるだけで気持ちいい」
それを本気で実感できるのが、オシアコンクエストCT 200MGです。
ギア比5.5、最大巻き取り長66cm。
回収が遅すぎず、かといって巻きが重くなることもない。
ドテラでもバーチカルでも安定して使える、ちょうどいいギアバランスに仕上がっています。
巻き心地はとにかく滑らかで、INFINITYDRIVEとマイクロモジュールギアの組み合わせは、魚の追尾や潮の変化、わずかな違和感までを“感度”として伝えてくれる。
しかも、フォール中にテンションを掛けても巻きが重くならない新型フォールレバーを搭載していて、落としながら掛ける展開でもしっかり対応できます。
デジタルカウンターには巻上距離アラーム機能も追加されていて、レンジを“音で”知らせてくれるのもかなり便利。
集中力を切らさず、無駄のない釣りを続けられます。
そしてこのリール、触ってみると分かるけど剛性も段違い。
小ぶりなボディにハガネボディを詰め込んで、パワーと軽さを両立させてる。
手のひらにスッと収まって、パーミングしやすいのも地味だけど大事なポイント。
正直、今この記事を読んでくれてる人には「このリールは本気でおすすめしたい」。
巻きの質、感度、剛性、どれをとっても今のタイラバに必要な要素が揃っていて、“巻きが変わると釣りが変わる”を実感させてくれる一台です。
ダイワ SALTIGA IC 100
深場でもしっかり巻けて、レンジの把握も正確にできる。
そんなタイラバ用リールを探しているなら、SALTIGA IC 100は非常に頼れる存在です。
ギア比6.3、最大巻取り長70cmと、ノーマルギア帯に分類される扱いやすいスペックで、ただ巻きでもスピードのムラが出にくく、一定のリズムを自然に保ちやすくなっています。
巻き心地も滑らかで、長時間巻いていても疲れにくいため、集中力を切らさずに釣りに向き合えます。
アルミ製の高剛性ボディは感度も良く、着底の瞬間や潮の変化をしっかり伝えてくれるため、仕掛けの状態をつかみやすいのも強みです。
そこにデジタルカウンターが加わることで、ヒットしたレンジを正確に記録し、同じ水深を繰り返し狙えるようになります。
特に渋い状況や深場狙いの釣りでは、このリールの性能が釣果に直結する場面が多く、「一匹を確実に取りにいく」ための武器になる一台です。
ダイワ 25 紅牙 IC 150-C
タイラバ専用リールとして、快適さと機能性の両方をしっかり備えた最新モデル。
紅牙 IC 150-Cは、ただ巻きの釣りを徹底的に突き詰めた一台です。
ギア比は6.3で、最大巻き取り長は70cm。
ノーマルギア帯の中でも非常に扱いやすく、巻きの軽さと等速巻きの安定感が際立ちます。
さらに130mmロングハンドルを標準装備しており、力を入れすぎずスムーズに巻き続けることができるため、長時間の釣行でも疲れにくく集中力が途切れません。
ボディ素材にはアルミニウム合金を採用。
フレームからサイドプレート、セットプレートまで剛性の高い構造で、大鯛とのファイトや深場狙いでも安心して使える強さを持っています。
ICカウンターは視認性・精度ともに高く、水深や巻き上げ速度をリアルタイムで確認可能。
加えて、DAIWA CONNECTED対応によりスマートフォンと連携し、巻き速度やヒットレンジのデータ管理も行えます。
釣果の再現性を高めたいアングラーにとって、非常に心強い機能です。
また、電子ドラグサウンドを搭載しており、ドラグ作動時の音がはっきり聞こえることで、ヒットの瞬間や魚の動きも感覚的に把握しやすくなっています。
高機能でありながら操作性はシンプル。
タイラバに求められる“巻きやすさ”と“再現性”を高次元で両立した実践的な一台です。
アブガルシア TRV DLC
一日中巻き続けても疲れにくく、しかも一定速度で巻きやすい。
TRV DLCは、軽快さと視覚的な操作性を重視したタイラバ専用モデルです。
最大の特徴は、カウンター上部に搭載された巻き上げスピードメーター。
どれくらいの速さで巻いているのかが目で見てわかるため、等速巻きが苦手な人でも自然とリズムが整います。
加えて、120mmのロングカーボンハンドルを採用しており、巻きがブレにくく、手元の操作に余裕が生まれます。
自重はわずか198gと超軽量。
さらに、ドラグにはクリック音がついていて、ヒットの瞬間が“音”でも伝わるため、やり取りに臨場感が加わります。
内部には9+1ベアリングを搭載し、巻きの滑らかさは価格帯以上。
耐久性を重視した超々ジュラルミンギアやSaltShieldベアリングなど、細部にも実用的なスペックが詰まっています。
価格も2万円前後と手に取りやすく、機能のバランスが非常に良い一台。
「軽くて使いやすい」「巻き速度を見ながら釣りができる」そんなリールを探しているなら、このTRV DLCは間違いなくおすすめです。
釣れる人は“理由のあるリール選び”をしている
タイラバで釣果を伸ばしている人たちは、リール選びを「何となく」では済ませていません。
巻きやすさ、感度、重量、ギア比──それぞれが釣れる動きに直結する要素だと理解しているからこそ、選び方にブレがありません。
本記事では、釣れる人が選んでいるリールの特徴や、選ぶ際の具体的な判断基準を紹介してきました。
どのリールを使うかで、1日の結果が大きく変わるのがタイラバという釣り。
だからこそ、「自分の釣り場・釣り方に合っているか?」という視点でリールを見直すことが、釣果アップへの第一歩です。
なんとなく買ったリールで釣れない時間を過ごすより、しっかり選んだ一本で“再現できる一匹”を釣るほうが、ずっと楽しいはず。
次の釣行では、リール選びから釣果への変化をぜひ実感してみてください。