船タコ釣りでは、「どのロッドを使うか」で釣果が大きく変わります。
とくに、アタリがなかなか取れない、フッキングが決まらないといった悩みを感じているなら、ロッド選びの見直しが必要です。
タコは仕掛けに触れるアタリが非常に繊細なうえ、ヒット後は強烈に根に張り付くことも多いため、感度と剛性を兼ね備えた“専用設計のロッド”が不可欠になります。
筆者自身もロッドを変えたことでアタリの出方や誘いの感触が大きく変わり、釣果に明確な差が出るようになりました。
この記事では、これから船タコ釣りを始めたい方や、思うように釣果が出せていない方に向けて、実釣で使えるおすすめの船タコロッドを厳選して紹介します。
ロッド選びで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
船タコロッドの選び4つのポイント
船タコ釣りで思うように釣果が出ない原因のひとつが、ロッドのスペックが釣り方に合っていないことです。
アタリが取れない、掛けられない、すぐにバレてしまう
そんなトラブルは、ロッドの“長さ・調子・対応オモリ・自重”といった基本設計で大きく差が出てきます。
ここでは、実際の釣行でもっとも差が出やすい4つのポイントにしぼって、ロッド選びで失敗しないための基準を解説していきます。
1. 長さは1.8m前後が扱いやすい
船タコ釣りでは、ロッドは“できるだけ短いもの”を選ぶのが基本です。
タコ釣りは足元をじっくり探る釣りであり、キャストの必要はありません。
むしろ長いロッドほど操作がしづらくなり、アタリも取りにくくなるため、1.7m〜1.8m程度のショートロッドが最適とされています。
実際、よくある「代用品」として挙げられるのがタチウオテンヤロッドです。
竿調子や対応オモリ号数が似ており、スペック上はタコ釣りにも流用できそうに見えます。
しかし、タチウオテンヤロッドは1.9m前後の設計が多く、わずかに長いため、
その分だけアタリの伝達が鈍くなりやすく、操作時のキレも落ちてしまうのが実際のところです。
本気でタコを掛けにいくなら、長さを妥協しない“専用設計のロッド”を選ぶことが結果的に釣果につながります。
2. 調子は「先調子(8:2または9:1)」を選ぶ
タコのアタリは非常に繊細なため、竿先がしっかり曲がる「先調子」のロッドが最適です。
なかでも8:2や9:1の調子は、手感度と目感度のバランスに優れ、底の変化やアタリをとらえやすくなります。
9:1はより張りが強く、積極的に掛けていきたい上級者向け。
一方、8:2は多少のバラシも吸収してくれるため、初めての方にも扱いやすい調子です。
3. オモリ負荷は「50号前後」に対応したモデルを
関西や東京湾などの乗合船では、50号〜60号のオモリ指定が一般的です。
この重さにしっかり対応できるロッドでなければ、誘いの操作がブレたり、竿が持ち上がらずバラしの原因にもなります。
対応オモリ負荷が40〜80号などの設計になっているモデルを選んでおけば、地域ごとの号数変化にも柔軟に対応可能です。
4. 自重は200g以下が理想。疲労軽減で釣果も伸びる
船タコ釣りはロッドを持ちっぱなしの釣りです。ロッドが重いと疲れやすく、操作が雑になり釣果にも影響します。
自重は200g以下を目安に選ぶと、1日通して快適に操作でき、アタリへの反応も落ちにくくなります。
とくに軽量モデルは価格が上がりがちですが、疲労軽減や釣果アップの観点で見れば、コストに見合う価値があります。
船タコロッド選びで押さえておきたい4つの要点
ロッド選びに迷ったら、次の4点を確認すれば間違いありません。
どれも実釣での使いやすさや釣果に直結する部分なので、購入前に一度チェックしておくことをおすすめします。
- 長さは1.7〜1.8m前後:操作しやすく、アタリが取りやすい長さ。
- 調子は8:2または9:1の先調子:タコの微細なアタリを見逃さない感度設計。
- 対応オモリは50号前後:関西・東京湾の船で使用頻度が高い。
- 自重200g以下が理想:長時間持っても疲れにくく、集中力が持続しやすい。
ここまでの基準をもとに、次の章では実際におすすめできる船タコロッドを厳選して紹介します。
船タコロッドおすすめモデル|価格帯別に本当に使えるロッドを厳選紹介
現在、多くのメーカーから船タコ専用ロッドが発売されていますが、価格や設計の違いによって使い勝手は大きく異なります。
「どれを選べば失敗しないか」「自分の予算や釣り方に合ったロッドはどれか」と迷ってしまうのも無理はありません。
そこで今回は、実釣性能に優れたロッドを【ハイエンド】【ミドルクラス】【エントリー】の3カテゴリに分けて紹介します。
いずれも現場でしっかり使えるモデルだけを厳選していますので、購入前の比較検討にぜひ役立ててください。
ハイエンドモデル|性能と作りにこだわりたい方へ
感度・剛性・軽さなど、すべてにおいて高いレベルを求めたい方に向けた上位クラスです。
繊細なアタリも逃さず拾いたい、掛けにいく操作感にこだわりたいという方にとって、確実に満足度の高いロッドを集めました。
シマノ タコマスター エクスチューン S175/M175
微細な“触り”を正確に察知し、掛けの一瞬を逃さずフッキングへつなげる。
「感度」「剛性」「操作性」のすべてを高水準で満たしたタコ専用ロッドが、シマノのタコマスター エクスチューン S175です。
荒れた根周りや深場、高活性時のラッシュ対応など、どんな状況でも確実に対応できる設計。
“どれを使っても変わらない”ではなく、“これを使うと確実に変わる”その違いを求める方にこそふさわしい1本です。
単なるハイスペックではなく、「必要な機能に集中投資された設計」だからこそ、実釣での差が明確に出るロッドです。
アタリが分からない、掛け損ねが増えてきた、そんな課題に悩むアングラーにとって、
ロッドの性能で釣果が変わることを体感できる1本です。
価格は高いですが、それを理由に“釣れる可能性”を逃すのはもったいない。
タコ釣りを本気で楽しみたいなら、投資先としてまったく悔いのないモデルです。
ダイワ 極鋭エギタコ S-176
荒根や深場で小さな“触り”を感知し、掛ける動作までを一気に決める。
その一連の流れを、ロッド側から手元に情報として伝えてくれる、極鋭エギタコ S-176は、まさにそのレベルを狙える1本です。
感度・操作性・剛性のどれも妥協がなく、
「アタリが取れない」「掛け損ねる」「根に潜られる」など、
中級者以降がぶつかる壁に対して、道具の性能で明確に差を出す設計となっています。
実釣現場で“釣る確率を高める”ために、細部まで研ぎ澄まされたダイワの最高峰モデルです。
感度の高さと軽さ、掛けやすさのすべてにおいて、明らかに一段上の仕上がり。
特に、これまでのロッドでは拾いきれなかったアタリが明確に伝わるようになり、
フッキングから巻き上げまでの一連の動作が驚くほどスムーズになるのが極鋭の強みです。
価格はハイレンジですが、それ以上の性能を確実に返してくれる仕様であり、
タコ釣りを本気で楽しみたい方や、釣果で周囲と差をつけたい方にとって、選ぶ意味のある1本です。
ミドルクラス|実用性重視で選びたい中堅モデル
「初めて専用ロッドを購入する」「ある程度しっかりしたスペックは欲しいけど、価格も抑えたい」
そんな方に向けて、実釣で必要な性能を備えつつ、コストパフォーマンスにも優れたモデルを厳選しています。
ダイワ アナリスター エギタコ MH-175
潮流のあるエリアでもしっかり底を取り、わずかな触りも感じ取りながら、
確実に掛けて一気に浮かせる。
そんな操作を正確かつ快適にこなしたい方に向けた、実戦仕様のタコ専用ロッドです。
エントリーモデルではカバーしきれない感度・剛性・安心感を備えながら、
ハイエンドよりも手が届きやすい価格帯に収まっており、釣果に直結する“質の高い1本”を求める方に適しています。
細かいアタリが取れない、アワセが決まらない、根に張り付かれてしまう──
そんな経験が増えてきた方にとって、操作精度の高いこのロッドは明確な“答え”になります。
エントリー機種からのステップアップとしてはもちろん、最初から本格的な仕様で始めたい方にもおすすめできる、
“ミドルクラスの基準”として信頼できる1本です。
シマノ タコエギ XR
根が荒いポイントでもしっかり底を取り、タコの微細な“触り”を逃さず感知し、
掛けてからは一気に浮かせる。
その一連の操作を軽い入力で正確にこなしたいとき、
タコエギXRは頼れる実戦モデルとして力を発揮します。
浅場の繊細な小突きも、深場の速潮対応もこなせる設計で、
「エントリーモデルでは対応しきれない」
「上位モデルまではいらないが、釣りに差が出る1本がほしい」
そんな方にとって、実用性能と価格のバランスが噛み合った“ちょうどいい”選択肢です。
船タコ釣りに必要な「感度」「掛けやすさ」「浮かせるパワー」のバランスが非常に良く、
釣果を左右する“操作精度”を底上げしたいときにこそ選びたくなるモデルです。
最初の1本で妥協したくない方、
または、エントリーロッドからの買い替えを考えている方にも、
実釣に直結する“実力”で応えてくれる1本としておすすめできます。
エントリーモデル|これから始める方に扱いやすい1本を
初めて船タコ釣りにチャレンジする方にとって、最初のロッドは「扱いやすさ」と「導入しやすい価格」がポイントになります。
ここでは、初心者でもしっかり扱える軽さ・長さ・調子を備えたモデルを紹介します。
メジャークラフト 3代目クロステージ 船タコモデル CRXJ-B562H
メジャークラフト 3代目クロステージ 船タコモデル CRXJ-B562H
PE4号対応・60号オモリまで使えるタフな設計に、グラスソリッドの高感度ティップを搭載。
深場や潮の速いエリアでもしっかり底を取りつつ、タコの微細なアタリを確実に伝える操作性を備えています。
耐久性と感度のバランスがよく、ロッド1本で幅広い状況に対応できるため、
タコ釣りをこれから本格的に始めたい方や、初期費用を抑えつつ実用性を求める方にとって、非常に実戦的な選択肢となります。
操作性・感度・パワーのバランスが取れており、船タコロッドとして無理のないスペック構成。
高価な上位機種と比べても、タコ釣りに必要な基本性能はしっかり備わっており、
コストを抑えつつ実戦で通用するロッドを探している方には、初めての1本として自信を持っておすすめできる1本です。
プロックス オクトパスゲームエアーK 180M
最大80号まで対応できる強靭な設計に、軽量なセンサーソリッドティップを組み合わせた実戦仕様。
タコの繊細なアタリを見逃さず、大型でもしっかり掛けて浮かせるバットパワーを備えています。
基本性能をしっかり押さえながらも、実売1万円前後と導入しやすい価格帯で、これから船タコ釣りにチャレンジしたい方にとって非常に選びやすい1本です。
実釣で必要なスペックをしっかり押さえながらも、手に取りやすい価格に抑えられており、
はじめて船タコ専用ロッドを導入する場面において、コストと性能の両面から見ても十分に信頼できるモデルです。
軽さ・感度・パワーを備えた、実用志向のエントリーロッドとしておすすめです。
アブガルシア タコスフィールド TKFC-762H
180gまでのルアーやタコエギに対応し、PE8号でも安心して使えるハイパワー設計。
キャストからフッキングまでの操作性に優れた設計で、陸っぱり・船問わず幅広く対応できるタコ専用ロッドです。
タコ釣りをこれから始める方にとって、十分なパワーと感度を両立した1本を、
実売1万円前後で手にできるのは大きな魅力。コストを抑えつつ、本格的に使えるモデルを探している方に最適です。
価格帯はエントリーモデルながら、構造や対応範囲は中級機に近く、
タコ釣りを継続的に楽しむ前提でも十分に戦える仕様です。
ブラック基調のブランクスに映えるゴールドのロゴデザインは、所有感を満たす仕上がり。
機能性だけでなく、見た目にもこだわりたい方にも適した1本です。
特に「最初から長めのロッドで幅広い場面に対応したい」という方には、はっきりとおすすめできます。
メガバス 8Pod ROD/8P-FUNE178-2
潮流の速いポイントでも底をキープし、根の荒いエリアでも大型タコをしっかり引き剥がす。
そんなパワーと操作性を備えつつ、アタリの違和感を繊細に伝えるグラスティップを搭載。
8Pod RODは、船タコ釣りに必要な“攻め”と“感じ取る”の両方をバランスよく備えたモデルです。
初めての本格タコロッド選びで、安すぎる妥協はしたくない。
けれど、いきなりハイエンドを買うのも踏み切れない。
そんな悩みに、現実的な価格としっかりした実釣性能で応えてくれる1本です。
扱いやすさと剛性、感度のバランスがよく、
“最初の1本で失敗したくない”という方にとって、安心して選べる構成になっています。
パワー偏重ではなく、操作感や誘いの繊細さも意識されたつくりは、
これから船タコ釣りをしっかりやっていきたいと考えている人にとってちょうどいい選択肢です。
ロッドが決まったらリールの見直しも忘れずに
船タコ釣りでは、ロッドとリールのバランスが操作性に大きく影響します。
せっかく感度や掛けやすさに優れたロッドを選んでも、リールの巻きトルクや重さ、糸巻き量が合っていないと、釣果を取りこぼすリスクが生まれます。
特に以下のようなポイントに注意して、ロッドに合わせたリール選びも検討してみてください。
- 重めのテンヤ・タコエギをしっかり巻けるパワーギア設計か
- PE2〜3号を200m以上巻ける糸巻き量があるか
- 一日中手持ちでも疲れにくい自重か
- アタリが出たときに巻きブレしない剛性があるか
おすすめのリールについては、以下の記事で価格帯・用途別に詳しく紹介しています。
釣果を伸ばすなら専用ロッド選びが第一歩
船タコ釣りで安定して釣果を出すためには、“タコ専用ロッド”の選定が非常に重要なポイントです。
タコの繊細なアタリを捉えて、しっかり掛けて引き剥がす──その一連の動作は、ロッドの感度・操作性・剛性に大きく左右されます。
この記事では、以下の4つの選定基準をもとに、用途や予算に応じて選べるロッドを紹介しました。
- 長さは取り回しやすい1.7〜1.8m前後
- 調子はアタリを取りやすい8:2〜9:1の先調子
- 対応オモリは50号前後
- 自重200g以下が理想
これらのポイントを押さえてロッドを選べば、操作に無理がなくなり、アタリも分かりやすくなって釣果に直結します。
はじめて船タコ釣りに挑戦する方も、これまで釣果に伸び悩んでいた方も、ぜひ自分に合った1本を見つけて、次の釣行で“掛ける楽しさ”を体感してみてください。