関西の夏の風物詩として親しまれている「明石の船タコ釣り」が、2025年もいよいよ開幕を迎えます。
毎年多くの釣り人が集まるこの人気エリアでは、2024年から導入されたルールが本年も継続される形となりました。
明石市漁連遊漁船代表者部会に所属する遊漁船では、タコの資源保護を目的とした制限が定められており、仕掛けの数や針の形状、エサの使用についても明確なルールが存在します。
とくに「エサの使用禁止」は釣り方そのものに影響する変更で、近年はワームや集魚素材を活用した代替手法が注目されています。ルールを正しく理解し、事前にしっかり準備しておくことで、釣行当日も安心して楽しむことができます。ぜひ出発前にチェックしておきましょう。
2025年も続行!明石タコ釣りで必ず守るルールとは?
2025年の明石船タコ釣りでは、昨年に続いて資源保護を目的としたルールが継続されます。
これらは、明石市漁連遊漁船代表者部会に所属する遊漁船に乗船する場合、必ず守るべき決まりです。
釣果を上げるうえでも、安心して釣りを楽しむためにも、事前のチェックは欠かせません。
ルールごとに詳しく見ていきましょう。
1.タコエギ・スッテの数は最大2個まで
仕掛けに取り付けられるのは、エギ・スッテ合わせて2個まで。3つ以上装着するとルール違反になります。
複数つけた方がアピール力は上がると思いがちですが、これは根掛かりや回収時の事故リスクを減らすための制限でもあります。
2.使用できる針は180度以内の「半傘タイプ」
いわゆる「全傘フック(360度全体に針があるタイプ)」は使用不可。
使用する場合は、針をカットして180度以内に収める必要があります。釣れたタコを安全に外すための工夫です。
3.カエシ付きの針は、カエシを潰すことが義務
ルアーに最初からカエシがついている場合でも、そのまま使うのはNGです。
釣れたタコを傷めないように、プライヤーなどで潰しておきましょう。
4.100g以下のタコはリリース対象
サイズの目安は、頭が鶏卵くらいの小さな個体。小型のタコは将来の資源になるため、釣れても必ずリリースします。
5.2段・3段針の使用は禁止
フックが段になっている構造は、掛かりが深くなりやすく、リリースに支障が出ることから禁止されています。
1段フックのみに限定されている点にも注意が必要です。
6.エサの使用は禁止(2024年から継続)
タコ釣りでよく使われていたアジやラードなどのエサ類は全面禁止です。
漁業者から「エサ付きの仕掛けが漁網に絡み、腐敗して処理に困る」との声が寄せられたのが背景です。
そのため、魚の切り身・バター・スプレー集魚剤など、食品由来のアイテムも一律で禁止されています。
このように、ルールはすべて「釣り人・漁業者・タコ資源」の三方に配慮されたものばかりです。
違反があると、明石の船タコ釣りそのものができなくなるおそれもあります。
事前にルールを確認し、トラブルのない釣行を心がけましょう。
2024年からの変更点はある?
2025年のルールに、大きな変更はありません。
昨年導入された「エサの使用禁止」「タコエギは2個まで」「針の180度制限」などの決まりは、今年も継続されます。
そのため、昨年のルールを覚えている方は、基本的にそのままで問題ありません。
ただし、毎年見直しが行われているエリアでもあるため、念のため乗船前に各船の最新ルールを確認しておくと安心です。
エサの使用禁止と代用品としてのワーム活用
明石の船タコ釣りでは、2024年から生エサの使用が禁止されており、2025年もこのルールが継続されています。
背景には、エサ付きのタコエギが漁網に絡み、腐敗による悪臭や処理の手間が問題視されたことが挙げられます。
その対応策として広がっているのが、視覚的な誘引力や柔らかな質感でタコを誘う“ワーム”の活用です。
エサに頼らずとも釣果を上げられる手段として、多くの釣り人が取り入れるようになりました。
しかし、ワームにもさまざまなタイプが存在し、動きや形状によってタコへのアピール方法が異なります。
場面や海の状況に合わせて使い分けることで、より効率的に釣果を狙うことが可能です。
ワームの種類と使い分け
タコ釣りで使われるワームには、大きく分けて「クロー系」「エビ型」「バルキータイプ」などがあります。
それぞれ形状や動きが異なり、状況によって使い分けることでアピール力に差が生まれます。
クロー系ワーム
クロー系ワームは、タコの主な捕食対象であるカニをリアルに模した形状をしています。
特に注目したいのが“爪の部分”の可動性で、着底後に揺れることでカニが威嚇しているような自然な動きを演出します。
そのリアルさがタコの本能を刺激し、「抱きつかせる」きっかけを作る点が評価されています。
泥底や岩場でも姿勢を安定させやすく、根掛かりを軽減する設計のものが多いため、海底の起伏があるポイントでも使いやすいのが特長です。
エビ型ワーム
エビ型ワームは、水中での“逃げるような挙動”と“威嚇ポーズ”が特長です。
タコにとってエビは高い捕食対象のひとつであり、そのリアルな形状と質感は視覚だけでなく、触覚にも強く訴えかけます。
特に、爪を持ち上げるようにして浮く姿勢のモデルは、タコがエサと誤認しやすく、抱きつく確率が高まります。
澄潮や日中の釣りでは、グロー(夜光)仕様や透明感のあるカラーが効果を発揮します。
バルキータイプ
バルキータイプのワームは、大きなボディと厚みがあり、一目で“強いアピール”が伝わる存在感が魅力です。
水中ではボディの断面や突起が水をかき分け、強い波動を生むことでタコに気づかせる効果があります。
波がある日や濁り潮といった視界の悪い条件下では、他のワームよりも明確に反応が出やすくなります。
また、周囲にエサが少ないタイミングや、釣り人の多いハイプレッシャー時に「目立たせて拾わせる」使い方ができます。
おすすめのタコ用ワームを紹介
ここからは、明石の船タコ釣りで使用されている実績のあるワームをいくつか紹介します。
いずれも、エサが使えない状況でもしっかりアピールできるタイプで、多くの釣り人が現場で選んでいる定番モデルばかりです。
形状・動き・素材の違いによって得意な場面が異なるため、使用場所や潮の状況に応じて選び分けると、より効果的にタコを狙うことができます。
オクトライズ ノリノリクロー
オクトライズ ノリノリクローは、がまかつの高性能タコ用ワームで、釣果を最大限に引き出すために設計されています。
このワームの特長は、その強力なアピール力と抜群の耐久性にあります。
小さな動きでもしっかりと動き、タコに強力にアピール。爪と足が水中でふわふわと漂い、甲殻類フレーバーでタコを引き寄せます。
高強度エラストマーボディを採用し、ちぎれにくく長持ちするため、長時間の使用にも耐えます。
さらに、あらゆるタコ仕掛けに装着可能なスリットとボディホールが備わっているため、柔軟に使用できます。
ノリノリクローのおすすめカラー
- ソリッドレッドUV 特長: 強い赤色が水中で非常に目立ちます。UV加工が施されているため、光の少ない環境でもその効果を発揮し、タコの視覚に強力にアピールします。 日中の浅瀬や、光の少ない曇りの日など、タコが視認しやすい状況で特に効果的です。
- バブルガムピンクグロー 特長: 鮮やかなピンク色はタコが好む色とされており、特にグロー(発光)機能が夜間や深海での視認性を高めます。タコに対するアピール力が抜群です。 夜間のタコ釣りや、深海での使用に最適です。暗所でもしっかりとタコにアピールできます。
- アピールチャートグロー 特長: チャートカラー(黄緑色)は非常に視認性が高く、濁りのある水中でもタコに効果的にアピールします。グロー機能も備えており、タコを引き寄せやすくします。濁りのある水中や、曇りの日など視界が悪い状況での使用に適しています。
アシスト工房 タコの恋人 和田虫
アシスト工房の「タコの恋人 和田虫」は、タコ釣り専用に設計された高性能ワームです。
和田虫は、タコが違和感なく抱きつくことができる非常に柔らかい素材で作られています。この特性により、タコが長時間ワームを保持し続けることができます。また、甲殻類エキスを配合することで、タコの嗅覚を刺激し、捕食本能を引き出します。このエキスの効果で、タコの興味を強く引きつけることが可能です。装着のしやすさも大きな魅力の一つです。和田虫は、蛸テンヤやタコエギといった仕掛けに簡単に装着でき、扱いやすさに優れています。生エサを使用しないため、臭いや後片付けの手間もなく、ストレスフリーで釣りを楽しむことができます。
タコの恋人 和田虫のおすすめカラー
- 蛍光グリーン:水中で目立ちやすく、視認性が高いカラー。タコにとって強い視覚的アピールを持つ色です。特に透明度の高い海や日中の浅瀬での使用に最適です。
- パールホワイト: 光を反射する性質があり、タコの目を引きやすい色です。曇りの日や濁りのある水中でも効果的にアピールできます。濁りのある水中や曇りの日、または浅瀬での釣りに適しています。
- 夜光:暗闇でも発光するため、タコに強い視覚的アピールを与えます。夜間や深海での釣りに特に有効です。夜間の釣りや深海での釣りに最適です。
アシスト工房 ピロピロくん
アシスト工房の「ピロピロくん」は、タコ釣りやタチウオテンヤ用に設計された高性能ワームです。その効果的なアピール力と使いやすさが特徴で、多くのアングラーに支持されています。
「ピロピロくん」の最大の特徴は、その名前の通り「ピロピロ」と揺れるテール部分です。
このユラユラと揺れる動きが、水中でのアピール力を高め、タコやタチウオを強力に引き寄せます。また、タチウオテンヤのトレーラーとしてだけでなく、タコエギやタコテンヤにも装着可能で、多用途に活用できます。
さらに、テール部分をカットして2本足を4本足にカスタマイズすることも可能です。
ピロピロくんは蛍光色や夜光仕様のカラーバリエーションが豊富で、昼夜問わず高い視認性を持ちます。これにより、釣果が向上します。
ピロピロくんのおすすめカラー
- 瀬戸内レッド:明るく目立つ赤色で、特にタコに対して強力なアピールを発揮。日中のタコ釣りや浅瀬での釣りに最適。
- 夜光ホワイト: 夜間や深海で効果を発揮する発光カラーで、暗い環境でも視認性が高い。夜間のタコ釣りや深海でのタチウオ釣りに最適。
- 蛍光グリーン: 水中で目立ちやすく、特に透明度の高い海や濁りのある水中で効果的。 透明度の高い海や濁りのある水中でのタチウオ釣りに最適。
マルキュー パワーグラブ
マルキューの「パワーグラブ」は、カニを模した高集魚力・高摂餌力の疑似エサで、特にタコ釣りに効果的です。
柔らかくリアルな動きを再現するパワーイソメ素材を使用し、タコの捕食本能を刺激します。タコエギやタコテンヤに簡単に装着でき、タコの習性に合った動きを演出できます。
さらに、香りや味が持続するため、長時間タコを引き寄せ続けることができるのも特徴です。
パワーグラブのおすすめカラー
- 青ガニ: 視認性が高く、濁りのある水中や曇天時に効果的。 曇りの日や濁った水中。
- 赤ガニ: タコの捕食本能を刺激しやすい色。クリアウォーターで効果的。 透明度の高い水中。
- 白ガニ(夜光): 夜間や深海での釣りに適し、発光してタコを引き寄せる。: 夜釣りや深場。
BMカニワーム
BMカニワームは、タコ釣りに非常に効果的なワームです。
リアルなカニの形状と強力な集魚力が特徴で、特にタコの捕食本能を刺激します。エビ粉やアミノ酸成分が練り込まれており、強い匂いでタコを引き寄せます。柔らかい素材を使用しており、タコがしっかりと抱きつきやすい設計です。
耐久性が高く、長時間の使用でも効果を持続します。
BMカニワームのおすすめのカラー
- グローカラー(夜光): 夜間や深場での釣りに適し、発光することでタコを強力に引き寄せます。
- レッド系: 強い赤色がタコの視覚に強くアピールし、捕食本能を刺激します。透明度の高い水中や晴天時に効果的。
- チャート(黄緑)系: 視認性が高く、濁りのある水中や曇りの日に効果的。派手な色合いがタコに対して強力なアピールをします。
BMカニワームは、そのリアルなカニ形状と高い集魚力により、タコ釣りにおいて非常に効果的です
ノリノリタコライダーは事実上の必須アイテム
エサが使えない明石の船タコ釣りにおいて、集魚力を底上げする手段として多くの釣り人が導入しているのが「ノリノリタコライダー」です。
もはや定番ともいえる存在で、ワーム使用時には“セットで使うのが当たり前”という声も少なくありません。
この製品は、タコ釣り用に特化して開発された誘引剤で、嗅覚に訴える強力なアピールをプラスできるのが最大の特徴。
特にワームの動きや見た目だけでは反応が鈍い状況でも、しっかりと抱かせるきっかけを作ってくれます。
スプレータイプ
魚由来の抽出成分を配合し、広範囲に香りを拡散させることで、タコの嗅覚を強く刺激します。
使い方は非常に簡単で、タコエギやワームに数回スプレーするだけ。液状のためワーム全体にムラなく広がりやすく、香りの持続性も高いのが特徴です。
特に、タコが魚を主な餌として捕食している場面では、ワーム単体では得られないアピール力を補い、誘引力を大幅に高めることができます。
また、釣行中に手軽に“追加噴霧”できるため、香りが薄れてきたと感じたタイミングでサッと対応できるのも大きな利点です。
スタンプタイプ
甲殻類由来の成分をベースにした誘引剤で、カニやエビといった甲殻類を主な餌とするタコに対して特に効果を発揮します。
使い方はワームやタコエギに“直接押し付けて塗る”だけ。ペースト状のため水中でも流れにくく、ポイントごとにしっかり香りを残せるのが特徴です。
スプレーと違って飛び散らないため、風が強い日でも手元を汚さずに扱いやすく、集中的に匂いを乗せたいときに最適です。
また、タコの居場所が絞れている場面や、何度も同じ場所を攻めるような釣り方でも、ピンポイントで効率的な誘引が可能になります。
どちらも使い勝手がよく、コスパも申し分なし。
潮が緩んで反応が落ちた時間帯や、プレッシャーが高いポイントでは、ノリノリタコライダーが“決め手”になるケースも少なくありません。
明石の船タコ釣りを本気で楽しむなら、もはや欠かせないアイテムといえるでしょう。
スプレータイプとスタンプタイプの違い
ノリノリタコライダーには、「スプレータイプ」と「スタンプタイプ」の2種類があります。
スプレータイプは、魚由来のエキスをベースにしており、タコエギに軽く吹きかけるだけで広範囲に効果を発揮します。とくに魚を捕食対象としているタコに対して有効とされ、周囲からタコを引き寄せたいときに向いています。
一方でスタンプタイプは、甲殻類系の成分が中心となっており、エギのボディに直接塗り込むことで効果を発揮します。タコがカニやエビなどの甲殻類を好む傾向にある場合に活躍し、よりピンポイントなアプローチが可能です。
どちらも使い方が簡単で、狙う状況やタコの反応に応じて使い分けることで、釣果アップにつながります。
集魚力をさらに高める「タコ釣りボール」という選択肢
エサが使えない状況下では、ワームや集魚剤だけでなく、アピール力を高める専用アイテムの併用も有効です。
なかでも注目されているのが、「タコ釣りボール 」。
魚介エキスやアミノ酸を凝縮した誘引成分「パックアミンW」が配合されており、底でじんわりと溶けながら広がることで、タコの嗅覚に訴えかけます。
また、付属の貝殻型容器はフラッシング効果も狙える設計で、視覚面の誘引にも一役買ってくれます。
とくにアタリが少ない日や、反応が渋いタイミングでは、こうした“ひと工夫”が釣果を左右する場面も。
ワームと併用しておけば、アピール力を底上げしつつ、ルールにも適応した釣り方が可能になります。
明石の船タコ釣りは2025年もルールを守って楽しもう
2025年の明石エリアでは、昨年に引き続き「エサの使用禁止」などのルールが適用されています。
この制限に対応する手段として、近年はワームや集魚剤を活用する釣り方が定着しつつあります。
使用できる仕掛けや針の形状、そしてエサに関する制限は、船宿によって細かく異なる場合もあるため、必ず事前に確認してから釣行するようにしましょう。
道具選びと同じくらい、ルールへの理解と対応も釣果に直結します。
資源保護の意識を持ちながら、今年も明石の夏を楽しんでください。