タコ釣りで定番の仕掛けとして使われてきた「タコテンヤ」。
エギとは異なるアプローチでタコを狙えるため、今もなお多くの釣り人に選ばれています。
シンプルな構造に見えるものの、実際にはサイズや素材、オモリの重さなど選択肢が多く、どれを選べば良いか迷う方も少なくありません。 この記事では、タコテンヤの基本的な選び方と、釣り場や使い方に合わせたおすすめモデルを紹介しています。
タコテンヤをしっかり活用したい方は、ぜひ参考にしてください。
タコテンヤの選び方|サイズ・構造・オモリで見極める
タコテンヤはどれも似た形に見えますが、実際には細かな違いが使い勝手や釣果に影響します。
特に、釣り場の環境やタコの反応に応じて適した仕様を選べば、掛かる確率をぐっと高められます。
ここでは、テンヤ選びで注目したい3つのポイントを紹介します。
オモリの重さは「底取りしやすさ」で選ぶ
テンヤの重さは、潮の速さや水深に応じて調整するのが基本です。
たとえば、浅場や流れが穏やかな場所では40〜50号で十分ですが、潮が速い沖合や深場では60〜80号のように重さを上げて、しっかりと底が取れるようにしましょう。
底が取れないとアタリも取りづらくなり、結果として釣果が大きく変わってきます。
サイズと針の形状は「タコの活性」で変える
テンヤのサイズは、タコの活性やプレッシャーによって効果が変わります。
活性が高い時は大型テンヤのアピール力が効果的ですが、反応が渋いときは小型テンヤの方が抱きつきやすくなります。
また、針の数や角度もフッキング率に関わるため、選ぶ際には掛かりやすさにも注目すると良いでしょう。
本体の素材は「耐久性と着底時の姿勢」に関係する
テンヤ本体の芯材や表面素材には、プラスチック、木材、金属などが使われています。
たとえば木製や中空構造のものは、着底時にやや浮き気味になることで、針先が立ちやすく、根掛かりしにくいという特性があります。
一方で、プラスチック製や金属芯のテンヤは重量感と耐久性に優れ、岩礁帯などで壊れにくく、ハードな状況にも対応しやすいのが特徴です。
どのテンヤが合うか迷ったときは、まず釣り場の水深と潮の速さからオモリの重さを決め、それに応じてサイズと針の構造を見ていくのが基本です。
加えて、根掛かりが気になる場所では木製や浮力のある素材を、ハードな底質が多いポイントでは耐久性重視のモデルを選ぶと安心です。
このように、それぞれの仕様を釣り場の条件や狙い方に合わせて選べば、無駄なロスが減り、掛けたタコをしっかりと取り込める確率が高まります。
タコテンヤおすすめモデル|用途別に選べる実力派を厳選
テンヤの違いが釣果に直結するタコ釣りでは、信頼できるモデルを選ぶことが重要です。
ここでは、船釣りをメインに、扱いやすさと実績に優れたタコテンヤを紹介します。
いずれも実釣での使用実績があり、信頼性の高いモデルばかりです。
迷った場合は、まずこの中から選んでみることで、使い心地や釣果の違いを実感できるはずです。
ワンナック デビルテンヤ ミニ極掛
掛かりの鋭さと回収性を両立したタコテンヤ
アタリは出るのに掛からない、根掛かりばかりでテンポが崩れる。
そんな場面で確実に結果を出したいなら、フッキングの精度と仕掛けの扱いやすさを兼ね備えたテンヤが必要です。
「デビルテンヤ ミニ極掛」は、鋭く深く刺さる極掛針を採用し、乗りの浅いタコもしっかりと掛けることができます。
また、障害物に強いアーム形状により、根の荒いポイントでもテンヤを回収しやすく、無駄なロストを防げる構造です。
テンヤの性能が釣果を左右する場面で、確実に掛けて回収まで持ち込める一貫性が大きな武器になります。
とくにゴロタ底や根が入り組んだエリアでは、アタリを逃さず、テンヤだけを失うようなロスを最小限にとどめられる点が実釣での信頼につながります。
タコの活性が低く、掛けの精度が釣果に直結するような状況でも、安定して成果を積み上げられる実力を備えた1本です。
ハリミツ 蛸墨族 職人タコテンヤ
手返しと安定感を両立したエサ装着向けモデル
テンヤにエサを使うなら、手早く刺せて、しっかり固定できる構造かどうかが釣果に直結します。
「職人タコテンヤ VT-1」は、エサの装着性と安定した操作性に特化した設計で、テンポよく釣りを進めたい場面に強みを発揮するモデルです。
竹テンヤをベースにした形状により、海底での安定感にも優れており、波や潮の影響を受けにくく、仕掛けが暴れにくいのも特徴です。
仕掛けを投入→回収→再投入の流れを崩さず、テンポを保ったまま効率的に攻められる構造が強みです。
特に、エサ装着に手間がかかるとアタリのタイミングを逃しやすくなりますが、このモデルなら準備から投入までがスムーズに行えます。
足場が不安定な船上や、潮の速いエリアでの操作性も安定しており、ロスなく釣果を重ねたいときに使いたくなる1本です。
ダイワ グレートマダク
フッキング精度と抱かせ性能を高めた真蛸専用モデル
掛けたと思ったのにフックが決まらない。そんな悩みに応えるために設計されたのが「グレートマダク M」です。
タコがしっかりと抱きつく位置にフックが来るよう設計されたバランスと、リアルな爪のアクションにより、自然な動きと高い誘引力を実現。
着底時の姿勢も安定しており、オモリを先に抱かれてしまうような無駄打ちを減らす構造が特徴です。
タコの動きを見ながら丁寧に誘い、確実に掛けたい状況で威力を発揮します。
特にオモリを先に抱かれてスカるケースを防げる構造のため、掛け損ねが多発しやすい浅場や潮流の速いポイントでも安定した釣果が期待できます。
エサなしでもしっかりタコを抱かせ、取り込みまで持ち込める設計で、繰り返し使える耐久性にも優れた1本です。
ささめ針 TKS04 タコジェット
軽快に探れて、視認性も高い。堤防タコ釣りの即戦力
テンポよく探りながら、確実に抱かせたい。
「TKS04 タコジェット(カニレッド)」は、そうした場面に特化して設計された堤防向けのタコ専用仕掛けです。
カニを模した独自形状と視認性の高いレッドカラーがタコの捕食スイッチを刺激し、特に活性が下がった状況でも存在感をしっかりアピール。
軽量設計で足元や近距離を細かく刻めるため、取り回しの良さと実釣性能を両立した1本です。
エサを巻かずにそのまま使用できる構造で、準備や運用に手間がかからないのも利点です。
とくに足場の限られた堤防やボート上では、投入・回収を繰り返すテンポが釣果に直結しますが、
このモデルなら軽快な操作がしやすく、根がかりリスクを抑えつつ探り続けることが可能です。
エントリーモデルでありながら、実釣への直結性と操作性に優れており、手軽な1本として常備しておきたい仕掛けです。
マルシン漁具 タコ掛一番
ロストを恐れず攻められる、コスパ特化の実用テンヤ
根が荒い場所を攻めたいが、高価なテンヤは使いづらい。
そんな状況に応える実戦向けモデルが「マルシン漁具 タコ掛一番」です。
プラスチック製の本体に鉛を固定したシンプルな構造で、無駄を省きつつもフックや重量バランスは実釣を前提に設計されています。
視認性の高いピンクカラーが水中でしっかりアピールし、タコの目を引きながら抱かせる流れをつくりやすくなっています。
ロストが怖くて仕掛けを入れきれない──そんな釣りのテンポを崩す不安を取り除けるのがこのテンヤの強みです。
コストが抑えられている分、複数個の使い回しや予備の持ち歩きにも適しており、
岩場や根の荒いポイントでも攻めきれる安定感があります。
「釣るための道具」として割り切って使える実用性があり、堤防・小型船問わず活躍する1本です。
集魚力をさらに高める「タコ釣りボール」という選択肢
エサが使えない状況下では、ワームや集魚剤だけでなく、アピール力を高める専用アイテムの併用も有効です。
なかでも注目されているのが、「タコ釣りボール 」。
魚介エキスやアミノ酸を凝縮した誘引成分「パックアミンW」が配合されており、底でじんわりと溶けながら広がることで、タコの嗅覚に訴えかけます。
また、付属の貝殻型容器はフラッシング効果も狙える設計で、視覚面の誘引にも一役買ってくれます。
とくにアタリが少ない日や、反応が渋いタイミングでは、こうした“ひと工夫”が釣果を左右する場面も。
ワームと併用しておけば、アピール力を底上げしつつ、ルールにも適応した釣り方が可能になります。
タコテンヤ選びや使い方に迷ったら
タコテンヤを使った釣りは、一見シンプルに思われがちですが、実際には細かな判断が釣果を左右します。
ここでは、初めてテンヤを使う方が悩みがちなポイントについて、実釣に基づいた視点から解説します。
テンヤにエサは必要?
基本的にテンヤにはニオイや動きでタコを誘うエサをつけます。
よく使われるのは鶏ササミや豚の脂身(ラード)、魚の切り身、カニなど。
タコは視覚よりも嗅覚・触覚に反応しやすいため、エサのニオイや水中でのなびきがあるかどうかでアタリに差が出ます。
釣れないときはエサのサイズや種類を変えてみると、状況が一気に好転することもあります。
エギよりテンヤの方が釣れるの?
どちらが釣れるかは釣り場やタコの活性によって変わります。
テンヤはエサの効果があるぶん、低活性時でも口を使わせやすいのが強みです。
一方、エギはテンポよく探れるので、広範囲を効率的に攻めたいときに有利になります。
状況に応じて使い分けるのが理想ですが、食いが渋い日はテンヤに軍配が上がる場面が多いのも事実です。
テンヤはどこに引っ掛けたらいい?アワセは必要?
タコは底べったりにいるため、テンヤも海底をしっかり這わせるのが基本です。
コツンと何かに触れる感触があっても、すぐに合わせるのではなく、ズシッと重みを感じるまで待つのがコツ。
重みが乗ったら、そのまま一定の力でゆっくり持ち上げるイメージで竿を立てれば掛かりやすくなります。
根掛かりを減らす方法はある?
完全に避けるのは難しいですが、重さを調整して浮き上がりやすくしたり、着底姿勢の良いテンヤを使うことで軽減できます。
特に中空ボディや針が立ちやすい構造のテンヤは、根掛かりリスクを抑える工夫がされています。
加えて、ラインテンションを常に保ち、海底の変化を把握しながら動かすことも大切です。
エギよりテンヤの方が釣れるの?
どちらが釣れるかは、釣り場やタコの活性によって変わります。
それぞれに向いている場面があるため、使い分けが大切です。
詳しくは、以下の記事で状況別の違いや選び方を解説していますので、合わせてご覧ください。
→ タコテンヤとエギどっちが釣れる?釣果で差が出る選び方と場面別の使い分けとは?
タコテンヤ使用時の注意点|トラブルを防ぐために
タコテンヤはシンプルな仕掛けですが、実際の釣行ではちょっとした油断がトラブルにつながることもあります。ここでは、使用前に押さえておきたいポイントを紹介します。
1.着底を確認してから動かす
テンヤを投げ入れたら、まずしっかり着底を確認しましょう。底を取らないまま誘い始めると、タコのいる層を探れず空振りが増えてしまいます。
2.誘いはゆっくり丁寧に
テンヤは“掛けにいく釣り”。速すぎる動きはタコに違和感を与えるため、ゆっくりとしたズル引きやステイを意識しましょう。
3.根掛かりには事前対策を
根の荒いポイントでは、テンヤがスタックしやすくなります。針先を立たせやすい構造や、底に引っ掛かりにくいテンヤを選ぶことで、ロストのリスクを下げられます。
4.竿とリーダーのバランスにも注意
テンヤが重たい分、タックルバランスも重要になります。硬めの竿や太めのリーダーを使うことで、バラシやラインブレイクの予防につながります。
タコテンヤを選んで、釣果アップを目指そう
一見シンプルなタコテンヤも、実際にはサイズや構造、オモリの重さによって使い心地が大きく変わります。
釣り場の水深や潮の速さ、タコの活性といった状況に合わせて選ぶことで、掛かる確率や操作性が大きく向上します。
また、エサの付け方や誘いの動作など、基本的な使い方をしっかり押さえておくだけでも、無駄な空振りや根掛かりを減らすことができます。
今回紹介したおすすめモデルや選び方のポイントを参考に、自分に合ったテンヤを手に取り、ぜひ現場で実際に使ってみてください。
細かな工夫や準備が、1杯の釣果につながるはずです。