「タイラバって、やっぱりベイトリールじゃないとダメなの?」
そんなふうに思っている人は、実は少なくありません。
確かにタッチ&ゴーや着底感度など、ベイトのほうが有利な点は多くあります。
でも実際は、スピニングでもタイラバは成立しますし、むしろ状況によっては“かなり強い選択肢”になります。
特にドテラ流し・潮止まり・釣り座が限られている時など、
キャストで広く探れるスピニングは、ベイトにはできないアプローチが可能です。
そこで今回は、スピニングでタイラバを楽しむためのおすすめリール5選を実釣ベースで紹介。
あわせて、番手やドラグ性能、PEラインの選び方などもわかりやすく解説していきます。
これからスピニングタイラバに挑戦する人も、リールの買い替えを検討している人も、ぜひ参考にしてみてください。
スピニングリール選びのポイントはこの4つ
スピニングでタイラバをやる場合、リール選びはとても重要です。
ベイトと違って、巻きパワーやラインの放出量、ドラグ性能の違いが釣りの快適さや釣果に直結するからです。
ここでは、わたしが実際に使ってきた中で「これは大事だ」と感じた要素を4つにしぼって解説します。
① 番手は2500〜3000番が基準
PEライン0.6〜0.8号を150〜200m巻けるサイズが目安です。
浅場でのキャスラバがメインなら2500番、
潮が速い日や水深があるポイントにも対応したいなら3000番が安心です。
スピニングはラインが放出されるとスプール径が小さくなり、巻き感が変わるため、
「余裕を持ったラインキャパ」は意外と大切な要素です。
② 巻き出しが軽く、ドラグが滑らか
スピニングは一日中巻き続ける釣りなので、巻き出しの軽さが疲労感に直結します。
また、ベイトと違い細いラインを使うことも多いため、滑らかなドラグは必須です。
大型マダイや不意の青物に備えるなら、剛性だけでなく「ドラグの質」も意識したいところです。
③ 軽さと剛性のバランスが快適さを左右する
軽いリールは取り回しがしやすく快適ですが、剛性が弱いと巻きブレやテンションのムラが出ることもあります。
一方、剛性重視のリールは重くなりやすく、長時間の釣りでは手首に負担がかかることも。
「巻き感がしっかりしていて、それでいて軽すぎない」
このバランスが取れているリールを選ぶのが、スピニングタイラバを快適に続けるコツです。
④ ギア比は“巻きやすさ”で選ぶのが正解
タイラバでは一定速度で巻き続けることが最も重要とされています。
そのため、手返しの早さだけでなく、「疲れず安定して巻けるか」を基準に選ぶことが大切です。
ノーマルギア(5.0〜5.3前後)
→ 巻き抵抗が軽く、等速巻きが安定しやすい。特に初心者や深場狙いにおすすめ。
ハイギア(5.8〜6.2前後)
→ 巻き取りが速く、手返し重視や“キャスト→回収”の多い釣りに向く。
ただし巻き抵抗が重くなりやすいので、長時間の使用には注意。
ローギア(パワーギア)
→ 巻き上げトルクが強く、重めのタイラバや潮流の強いエリアに強い。疲れにくさも魅力。
自分の釣り方が「じっくり等速巻き」なのか、「テンポよく探りたい」のか。
スタイルに合わせて、“無理のない巻き感”を基準にギア比を選ぶのが失敗しないポイントです。
タイラバ用スピニングリールのハンドルとタイプについて
スピニングでタイラバをやる場合、リール選びのポイントはいくつかありますが、
「ハンドルの形状」で迷う人も意外と多いです。
基本的には、メーカー標準のシングルハンドルで問題ありません。
軽量で巻き出しもスムーズ、キャスト時のバランスも良く、タイラバのような“巻き続ける釣り”において扱いやすさは十分です。
ただし、巻きの安定感を重視したい人や、「等速で巻くのが苦手」という人には、
バランスの取れたダブルハンドルへのカスタムも選択肢になります。
とくに【LIVRE】のようなチューニングパーツを使えば、巻き感が安定し、
長時間の釣りでも疲れにくくなると感じる人も少なくありません。
とはいえ、まずは標準ハンドルで使用してから必要に応じて変更するという考え方で十分。
今回紹介するモデルもすべて、まずは“そのまま使える”スペックを基準に選んでいます。
タイラバにおすすめのスピニングリール5選
ここでは、実釣や信頼性の高さをもとに選んだ5機種を紹介します。
いずれもPE0.6〜0.8号を快適に使えるリールで、スピニングタイラバをこれから始めたい人にも扱いやすいものばかりです。
ダイワ セルテート LT3000-CH
剛性と巻き感のバランスで選ぶならこの1台
スピニングでタイラバを始めたいけれど、剛性や巻きの不安定さが気になる。
そんな人にこそおすすめしたいのが、ダイワの「セルテート LT3000-CXH」です。
このリールの最大の魅力は、軽さと剛性感の両立。
アルミ製モノコックボディによる高剛性は、魚を掛けてからのファイトでも一切ブレず、
ラインが斜めに出るようなドテラ流しでもしっかりとした巻き感をキープできます。
実際にPE0.8号を200m巻いても余裕があり、浅場から中層まで安心して使えるラインキャパ。
ドラグの滑りも滑らかで、大型マダイや不意の青物にもしっかり対応してくれます。
また、3000番クラスながら巻き疲れを感じにくく、
1日巻き続けても「気持ちよく釣りに集中できる」そんな使い心地が得られるのも、このリールならではです。
価格帯は決して安くはありませんが、タイラバを長く続けていくなら、
この「安心して任せられる1台」は、確実に満足感の高い選択肢になるはずです。
ダイワ 25カルディア LT3000
軽さ・巻きやすさ・コスパの三拍子が揃ったエントリー機
「軽くて扱いやすくて、でも安っぽくない」
そんなリールを探しているなら、25カルディア LT3000は非常にバランスの良い選択肢です。
まず注目したいのが、自重210gという圧倒的な軽さ。
1日中巻き続けるタイラバでも疲れにくく、取り回しの良さも抜群。
巻取り長77cm・ギア比5.2のノーマル仕様なので、一定速度で巻きやすく、初心者にも扱いやすい特性を持っています。
内部構造には、ZAION Vモノコックボディを採用。
剛性面も決してチープではなく、タイラバ中の巻きブレやパワーロスも少なく、価格帯以上の使用感を感じられます。
PE0.6〜0.8号のラインも余裕を持って使えるキャパシティで、
キャスラバ・ドテラ・バーチカルのどれにも無理なく対応できます。
エントリーモデルながら“軽いだけじゃない”しっかり感。
初めてのスピニングタイラバにも、買い替え時の軽量機としても、使いやすさで選びたい人におすすめの1台です。
シマノ ツインパワーXD 4000PG
等速巻きを支える“パワーギア×軽量剛性”の実戦機
スピニングでタイラバをやるなら、等速巻きがしやすいパワーギアモデルは間違いなく有利。
「ツインパワーXD 4000PG」は、その点で理想に近い性能を備えたリールです。
ギア比4.4、巻き取り長は72cmと、いわゆる“ゆっくりしっかり巻ける設計”。
等速でじっくり誘いたい場面でもブレがなく、巻き疲れを感じさせないスムーズな巻き心地が魅力です。
しかも、自重はわずか245g。
これだけ軽いのに、金属ローター+HAGANEボディの剛性を持ち合わせており、
深場や潮流の速いポイントでも、巻き負けるような感覚はありません。
さらに、Xプロテクトによる高い防水性と耐久性で、船上でも安心して使い続けられます。
PE0.8号をしっかり200m巻けるラインキャパもあり、キャスラバからドテラ流しまで幅広く対応。
「軽いけどタフ」「遅いけど強い」そんな絶妙なバランスで、スピニングタイラバに本気で取り組みたい人の相棒になる1台です。
シマノ ストラディック C3000
軽快さと安定感を兼ね備えた、タイラバ対応の実力機
スピニングタイラバにおいて、「ストラディック=ハイギア」というイメージを持つ人は少なくないかもしれません。
しかし、ノーマルギア(5.1)×巻き取り長75cmのC3000番は、等速巻きとの相性が抜群で、実釣では非常に扱いやすい1台です。
自重はわずか225gと軽量ながら、HAGANEボディによる剛性の高さもしっかり確保。
潮の流れやラインテンションの変化がある場面でも、安定した巻き心地を維持してくれます。
PE0.8号を200m以上巻けるラインキャパもあり、
浅場のキャスラバから斜め引き、バーチカルまで幅広い釣り方に対応可能。
高い信頼性と完成度を持つストラディックだからこそ、安心して使い続けられる。
「等速で巻きやすいスピニングリールが欲しい」「軽くてもしっかりした操作感がほしい」
そんな人には、このノーマルギアモデルがしっかり応えてくれます。
スピニングタイラバは“ハマる状況”でこそ活きる選択肢
スピニングタックルでも、タイラバはしっかり成立します。
ただし、それは“どんな場面でもOK”という意味ではありません。
潮が止まっているとき、船が流れないとき、釣り座が限られているとき──
そんな場面では、キャストできるスピニングが武器になることもあります。
逆に、タッチ&ゴーや着底の分かりやすさ、巻き上げの強さではベイトに軍配が上がる場面もあるでしょう。
だからこそ、スピニングとベイトの違いを理解したうえで、
「今の状況にはどっちが合っているか?」を判断できるようになることが、タイラバ上達の近道です。
まずは手持ちのスピニングで試してみてください。
釣りの引き出しが、きっと一段広がるはずです!
スピニングでのタイラバは、どんな状況で効果を発揮するのか?
実釣目線でまとめた解説記事はこちら。