ヤエン釣りは、アオリイカをターゲットにした独特な釣り方で、他の釣りにはない仕掛けや楽しみ方が魅力の釣りです。
アジなどの生き餌を泳がせ、アオリイカが近づいたところで専用のヤエン(針付きのワイヤー装置)を送り込み、狙い通りにキャッチする瞬間がこの釣りの醍醐味です。
ヤエン釣りを成功させるには、イカの急な引きにも柔軟に対応できる専用リールの選び方が非常に重要です。
ヤエン釣り専用のリールには、リアドラグ式やレバーブレーキ式など、さまざまな種類があり、それぞれに異なる特性があります。
本記事では、リール選びの基本ポイントを解説し、リアドラグ式とレバーブレーキ式のメリット・デメリット、そして釣り場に合わせた番手やラインの選び方についても詳しく紹介します。自分にぴったりのリールを見つけて、ヤエン釣りでの釣果アップを目指しましょう。
ヤエンとは?
ヤエンとは、アオリイカを狙う釣り方のひとつで、生き餌(通常アジ)を泳がせてイカを誘い、イカが餌にアタックした瞬間に専用のヤエン仕掛けを送り込んで釣り上げるスタイルです。
通常の釣りと異なり、釣り人はラインを手で調整しながらリールを操作してヤエンを送り、掛かったイカを確実にキャッチするための駆け引きが重要。
ヤエン釣りの特徴は、魚を引き込むようにイカを誘導してからヤエンを投入し、仕掛けに絡ませることで釣り上げることです。
このため、ヤエン釣りには専用のリールと仕掛けが必要で、細かい調整ができるリールや耐久性の高いラインの使用が推奨されます。
ヤエンリールの選び方
ヤエン釣りではアオリイカが餌を捕まえたタイミングでスムーズにヤエンを送り込むため、リールの操作性やラインのスムーズさが釣果を大きく左右します。
しかし、ヤエンリールにはさまざまな種類があり、どれが適しているのか悩む方も多いはずです。
ここでは、リアドラグ式とレバーブレーキ式といった代表的なタイプの特徴や、リール番手やライン号数の選び方など、ヤエン釣りに最適なリールを選ぶ際のポイントを詳しく解説します。
リアドラグ式リールとは?
リアドラグ式リールは、リールの後方(ハンドルの反対側)にドラグ調整ノブが付いたタイプのスピニングリールです。
このタイプは主にアオリイカ釣りで使われ、特にヤエン釣りには定番となっています。
リアドラグ式リールは、アオリイカが掛かった際に素早くドラグ調整ができるため、繊細なドラグコントロールが求められる場面で重宝します。
リアドラグ式リールのメリット
素早いドラグ調整 リアドラグ式はリールの後部にドラグノブがあるため、ファイト中にドラグを即座に調整できるのが大きなメリットです。
アオリイカが走り出す際や急に引き込まれたときにも、ドラグを微調整しやすく、バラシを防ぎやすいです。
直感的な操作 ドラグ調整が片手でできるため、初心者でも直感的に使いやすく、また片手で操作しながらヤエンを投入する動作もスムーズに行えます。
軽量・コンパクト リアドラグ式リールは比較的軽量でコンパクトなモデルが多く、持ち運びがしやすいです。長時間釣行でも腕が疲れにくい点も魅力のひとつです。
リアドラグ式リールのデメリット
耐久性が劣る場合もある ドラグ調整機構がリール後部にあるため、通常のフロントドラグ式と比較すると耐久性に劣る場合があります。
特に長期間使用すると、ドラグ性能が低下することもあるため、メンテナンスが必要です。
大物に不向きなことがある リアドラグ式は操作性重視の構造のため、パワーや強度が必要な大型の魚には適していない場合があります。ドラグの最大値が低く設定されているモデルもあるため、アオリイカなどの比較的中小型のターゲットに向いています。
ドラグ性能がやや不安定 素早く調整できる一方で、精密なドラグコントロールが求められる場面ではフロントドラグ式に劣ることがあります。
レバーブレーキ式リールについて
レバーブレーキ式リールは、主に磯釣りで使われるリールで、レバーを操作することで瞬時にドラグを緩めたり締めたりできるのが特徴です。
この操作性が釣り中の機動力を高めるため、アオリイカをターゲットとするヤエン釣りにおいても代用可能なアイテムとして人気があります。ヤエン釣り専用のリールではないものの、その瞬時のブレーキ操作が活かせる場面が多く、アオリイカの突発的な引きにも対応できるためです。
レバーブレーキ式リールのメリット
瞬時のドラグ調整 レバー操作でドラグの効き具合を素早く変更できるため、アオリイカが急に走った時でもラインを調整しやすく、ラインブレイクやバラシを防ぐことが可能です。
手返しの良さ レバーの操作だけでブレーキを解除できるので、アオリイカが掛かってからの素早い反応が求められるヤエン釣りにおいても効果的です。また、レバーでブレーキを簡単に解除できるため、片手での操作がしやすいのも利点です。
大物への対応力 レバーブレーキリールは耐久性が高く、より強い引きにも対応できるモデルが多いため、ヤエン釣りで大物がかかっても安心して使用できます。特に大型のアオリイカを狙う場面でも活躍します。
レバーブレーキ式のデメリット
慣れが必要 繊細な操作が求められるレバーブレーキリールは、ある程度の慣れが必要です。ヤエン釣りの中でもスムーズにレバーを操作するには練習が不可欠です。
コストが高め レバーブレーキリールは性能が高い分、価格がやや高くなる傾向にあります。専用のヤエンリールに比べると、投資額が大きくなりがちなため、コスト面で慎重な選択が必要です。
重量感 レバーブレーキリールは頑丈に設計されている分、重くなりやすい傾向があります。長時間の釣行での持ち重りが気になる場合もあるため、実際に手に取っての確認が大切です。
レバーブレーキ式リールをヤエン釣りで使用する時のポイント
ヤエン釣りでレバーブレーキリールを使用する際は、まず操作感に慣れることが重要です。アオリイカの引きに合わせて即座にドラグを調整するため、事前に操作の練習をしておくと釣果につながりやすくなります。また、番手やラインの太さを考慮し、アオリイカのサイズに適したセッティングを心がけましょう。
ヤエンリールに適した番手とは?
ヤエン釣りに使用するリールの番手は、基本的に2500番から3000番がスタンダードです。
この番手は、操作性と軽量さに優れており、中型アオリイカを狙う際に適しています。
また、1.5号から2号程度のPEラインがスムーズに扱えるため、エギングリールとしても兼用でき、汎用性が高いのがポイントです。
一方、大物狙いや潮流の強いエリアでの釣りを想定する場合には、4000番を選ぶのがよいでしょう。
4000番リールは糸巻き量が多く、巻き取り力が強いことから、大型イカのパワフルな引きに対抗できる強みがあります。
ただし、リール自体が重たくなるため、長時間の釣行では少し疲れやすいかもしれません。 基本的には2500~3000番が標準で、条件に応じて4000番を使い分けると、様々な状況に対応しやすいでしょう。
ヤエンにおすすめリール6選
シマノ アオリスタBB
アオリスタBBは、アオリイカのヤエン釣りに特化して開発された、シマノの高性能リールです。
軽量でありながら頑丈なアルミボディに加え、ドラグ性能が高く、アオリイカとの駆け引きが楽しめるリールとして人気を集めています。
微細なドラグ調整ができるため、アオリイカの引きに繊細に対応でき、初心者から上級者まで幅広い釣り人におすすめのモデルです。
スタイリッシュなデザインも特徴で、釣り場でも目を引く存在感があり、軽快な巻き心地で快適にヤエン釣りを楽しむことができます。
シマノ アオリスタ CI4
シマノ アオリスタ CI4は、特にヤエン釣りに適したリールとして設計され、アオリイカ釣りに最適な高性能モデルです。
このリールは、軽量で剛性の高い「CI4」素材を採用し、長時間の釣行でも疲れにくく快適な操作性が魅力。
滑らかなドラグシステムで、アオリイカがエサを咥えた際に違和感なくラインが放出され、自然なアプローチが可能です。
巻き取りもスムーズで、リアドラグ式のため、手元で瞬時に調整できる点もヤエン釣りには理想的な仕様です。
さらに、防錆機能に優れ、耐久性も抜群なので、海釣り環境にも適応し長期間使用できます。
ヤエン釣りで求められる信頼性と操作性を兼ね備えたリールとして、多くのユーザーから高評価を受けています。
シマノ ハイパーフォース LB
シマノ ハイパーフォース LBは、ヤエン釣りでのアオリイカとの繊細なやりとりを実現するために設計された高性能レバーブレーキリールです。
独自の「EXSブレーキシステム」により、瞬時にドラグを調整可能で、イカが違和感なくヤエンに掛かるのをサポート。
HAGANEボディの剛性と耐久性で、重いターゲットにも安心して対応できます。また、軽量設計で長時間使用しても疲れにくく、アオリイカの微妙なアタリを逃さない高感度な巻き心地も魅力。
さらに、ハイレスポンスドラグにより、強い引き込みにもしなやかに対応でき、安定した釣果を期待できます。
ヤエン釣りに理想的なこのリールで、釣りの精度と快適さを追求してください。
ダイワ アオリトライアル BR
ダイワ アオリトライアル BRは、ヤエン釣りに最適な機能を備えたリールで、初心者から上級者まで満足できるコストパフォーマンスが魅力です。
軽量設計で扱いやすく、最大12kgのドラグ力を備え、ヤエン投入からアオリイカの取り込みまで安定した操作が可能です。
巻取り長は1回転77cmとスピーディで、素早いライン調整に対応。また、ラインキャパシティも豊富で、ナイロン2号150mやPE1号200mに対応するため、浅場から深場まで幅広く活用できます。
エアローターによる耐久性と滑らかな巻き心地が特徴で、長時間使用しても手への負担が少ないリールです。
ヤエン釣りを本格的に楽しみたい方に最適の一品です。
ダイワ アオリマチック BR
アオリマチック BRは、ヤエン釣りに最適なダイワのリールで、釣りをスムーズにサポートする優れた機能が満載です。
軽量なLT(ライト&タフ)ボディを採用し、長時間の釣行でも疲れにくい設計。
アオリクラッチにより、アオリイカが違和感なく食いつけるよう素早くラインを放出でき、しっかりとイカをキャッチするチャンスを逃しません。
また、マグシールドによる防水効果で海水や塩分からのダメージも抑え、リールの寿命を延ばします。
高機能でありながらコストパフォーマンスに優れたこのリールは、初心者からベテランまで幅広い釣り人におすすめです。
ポイント
ダイワ アオリマチック BRとアオリトライアル BRの主な違いは、性能と装備の充実度です。アオリマチック BRは、マグシールドを搭載しており、防水性が強化されて長寿命化が図られています。また、軽量なLT(ライト&タフ)ボディ設計により、軽快な操作が可能です。一方、アオリトライアル BRは、シンプルな構造と使いやすさを追求しており、よりコストパフォーマンス重視のモデルとなっています。
ダイワ バトルゲーム LBQD
ダイワ バトルゲーム LBQDは、ターゲットとの瞬時のやりとりを可能にする、ヤエン釣りや海釣りに最適なレバーブレーキ付きリールです。
ダイワ独自の「マグシールド」技術や高剛性の「ザイオン」ボディを採用し、塩水や異物の侵入を防ぐことで耐久性を大幅に向上させています。
スプールには「ABSロングキャスト」が搭載されており、スムーズなキャストと広範囲へのアプローチが可能です。
また、クイックドラグ(QD)機能により、即座にドラグ設定を調整でき、瞬発的な対応が必要な場面でも信頼できるパフォーマンスを発揮します。
使いやすさと耐久性を兼ね備え、初心者から上級者まで幅広い釣り人に支持されるモデルです。
ヤエンロッド選びも大切!
ヤエン釣りにはリールと合わせてロッドの選び方も大切です。
リールだけでなく、ロッド選びのポイントやおすすめモデルもこちらの記事でチェックしてみてください。
ヤエンリールの選び方とリアドラグ・レバードラグのメリット・デメリットのまとめ
ヤエン釣りには、リアドラグ式やレバーブレーキ式といったリールの種類があり、それぞれの特徴を理解して選ぶことが重要です。
リアドラグ式リールは、ドラグを手元で調整でき、アオリイカがヤエンを違和感なく引き込むようサポートします。
扱いやすく初心者にも適していますが、微妙な調整が必要な場面では慣れが求められることもあります。 レバーブレーキ式リールはもともとヤエン専用ではありませんが、強力なドラグとラインフリーの操作性があり、イカが強く引く際の対応がしやすい点で注目されています。
即座にラインを緩められるため、高度な操作が可能ですが、やや価格が高いことがデメリットです。
番手の選択も重要で、通常サイズのアオリイカには2500〜3000番が使いやすく、大物や激しい潮流のエリアでは4000番が安定感を発揮します。
自身の釣りスタイルに合わせたリールを選び、ヤエン釣りでの釣果をアップさせましょう。