タイラバ用のリール選びで、意外と多くの人が悩むのが「カウンター付きにするかどうか」。
たしかに、着底から巻き始めるのが基本の釣りだけに、「水深が見えなくても問題ないのでは?」と感じる人も少なくありません。
しかし、結論から言えば、迷っているなら「カウンター付き」から使ってみる価値は十分にあります。
なぜなら、カウンターの情報を“どう活かすか”で釣果が変わる場面が実際にあるからです。
もちろん、「無くても釣れる」釣りであるのは間違いありませんが、
状況によっては“あって良かった”と感じるシーンも多く、
とくに釣果が安定しない人や、再現性を重視したい場面では強力な味方になってくれます。
この記事では、カウンター付きリールのメリット・デメリットを整理したうえで、
どんな人・どんな状況に向いているのかを実体験ベースで解説していきます。
さらに、今選ばれているおすすめのカウンター付きタイラバリールも紹介しているので、
これから1台を選びたい方はぜひ参考にしてください。
カウンター付きリールのメリットとは?
タイラバでカウンター付きリールを使う最大の理由は、
“見えない情報を数値化して可視化できる”こと。
このひと手間で、釣りの再現性と判断スピードが大きく変わります。
以下、実際にわたしが使って感じたメリットを中心に整理します。
1.水深が一目でわかる=棚の共有・再現ができる
カウンターがあると、着底からの巻き上げ距離が「数値」で表示されます。
これにより、同船者と「ヒットは底から7〜8m」といった具体的なレンジの共有がしやすくなり、
再現性のあるアプローチが可能になります。
たとえば、ヒットレンジが底から7〜10mの間だとわかったとき、
カウンターがなければ「だいたいの巻き数」で覚えるしかありません。
でも、カウンター付きなら毎回“正確な距離”を意識して攻めることができるんです。
2.巻きスピードを数値で把握できる
タイラバにおいて「等速巻き」が基本なのはご存じのとおり。
でも実際には、人間の感覚だけでは毎回同じスピードを維持するのは難しいんですよね。
カウンター付きリールには、巻き速度(m/秒)を表示してくれるモデルもあり、
「今ヒットしたスピード=どれくらいのテンポだったか」を確認できるのが大きな強み。
これによって、「あのときの速さを再現して、もう一度釣る」という精度がぐっと上がります。
3.魚とのファイト中に“残り距離”が把握できる
意外と便利なのが、大型がヒットしたときの取り込み準備のタイミングがつかみやすいこと。
魚が水面まであと何メートルか?をカウンターが示してくれるため、
タモを構える・ロッドをいなすなど、一連の動作を落ち着いて進めることができます。
焦りやミスが減るという意味でも、数字で管理できる安心感は大きなメリットといえます。
カウンター無しリールにも“選ばれる理由”がある
カウンター付きリールが便利なのは間違いありません。
ただ、あえてカウンター無しを選ぶ人も多くいます。
その理由は、「軽さ」「感覚重視」「価格差」など、操作性やシンプルさを求めるスタイルにあります。
1.とにかく軽く、長時間でも疲れにくい
カウンター付きリールは構造上、内部パーツやディスプレイ分だけ重くなります。
一方で、カウンター無しモデルは軽量に作られているものが多く、
長時間巻き続ける釣りであるタイラバとの相性は非常に良いです。
たとえば、1日中ドテラ流しで巻き続けるような釣行では、
軽量リールの快適さが効いてくる場面もあります。
2.感覚で釣る派にとっては“余計な機能”になることも
中〜上級者や、タイラバに慣れている人の中には、
「棚はラインマーカーで判断する」「スピードは手の感覚で調整する」
という経験を頼りにした釣り方を好む人**もいます。
このような釣り方では、カウンターによる情報が逆に気になるという意見もあり、
あえて機能を削ぎ落としたシンプルなリールを選ぶことも少なくありません。
3.故障リスクが低く、価格も抑えやすい
電子カウンターが搭載されたリールは、浸水や衝撃で故障する可能性がわずかにあります。
もちろん最近の機種は防水性能も高く信頼性は上がっていますが、
「余計な心配をしたくない」という人にとっては、カウンター無しの“壊れにくさ”は魅力です。
さらに、同クラスのリールでもカウンター無しの方が価格を抑えられる傾向があるため、
予算とのバランスで選ばれるケースも多いです。
カウンター付きが“合う人”と、カウンター無しがフィットする釣り方
どんな釣り手にもマッチする万能なリールはありません。
カウンター付きか無しかを選ぶ際も、リール自体の性能より、その人の釣りのやり方や考え方に合っているかどうかが判断の軸になります。
1.カウンター付きが向いている人・釣り方
カウンター付きリールが合うのは、釣りの再現性や効率性を重視したい人です。
たとえば、ヒットレンジを「底から7m」と明確に記録し、同じ速度・同じ深さで巻き直すことで再現性を高めたい場合、数値が手元に見えるという安心感は大きな武器になります。
また、魚が掛かったあとのやり取りでも、あと何メートルで取り込みかがわかるだけで心構えが変わります。
特に最近のモデルではデプスアラーム機能が搭載されており、「残り10mでアラーム音が鳴る」といった機能を活かせば、タモ入れのタイミングも非常にスムーズです。
2.カウンター無しが向いている人・釣り方
一方、カウンター無しが向いているのは、自分の感覚や経験を頼りに釣りたい人や、できるだけリールの軽さや操作感を重視したい人です。
軽量リールは長時間の釣りでも疲れにくく、感覚で棚を把握できる中級者以上の釣り手にとっては、カウンターは“あっても使わない機能”になることもあります。
また、PEラインのマーカーを見ながら釣ることで、水深を把握する方法も今では一般的。
道具をシンプルにして故障リスクを減らしたい、コストを抑えてリールを揃えたいと考えるなら、あえてカウンター無しを選ぶという選択も、実は“釣り慣れた人ほど選んでいる”こともあります。
結局どちらを選ぶべきか?
ここまで、カウンター付きとカウンター無しそれぞれの特徴や、向いている釣り方について紹介してきました。
それでも、「どちらを選ぶべきか」迷っている方は多いと思います。
その答えとしては──
「まずはカウンター付きリールを選んでみる」という選択が現実的です。
というのも、カウンター付きリールは水深や巻きスピードを数値で確認できるため、
ヒットレンジの再現や釣りの安定性を高めたいときに非常に役立ちます。
とくに、まだタイラバに慣れていない段階では、
「どこで当たったのか」「どの巻きスピードが良かったのか」が可視化されることで、
釣果につながるヒントが得やすくなります。
もちろん、釣りの経験を積むにつれて、感覚で棚やスピードを掴めるようになれば、
カウンターの機能を使わなくても釣果を出せるようになります。
その段階で、次の1台としてカウンター無しを選ぶという流れも自然です。
一方、最初からカウンター無しを選び、
「今の釣り方で合っているのかどうか分からないまま」釣行を重ねてしまうと、
釣果が伸びにくく、改善点が見えにくいという壁に直面する可能性もあります。
そのため、タイラバをこれから深めていきたいと考えている方には、
まずはカウンター付きリールを試してみることをおすすめします。
実際にタイラバで使ってよかったカウンター付きリールを紹介!
カウンター付きリールの魅力や向き不向きについて話してきましたが、
ここからは、実際にわたしが使ってみて「これは使いやすい」と感じたモデルを紹介します。
船の釣り座や水深、潮の速さによって印象が変わる場面もありましたが、
その中でも「これは使っていてストレスが少なかった」「巻き感がしっくりきた」など、
体感として納得感があったものを厳選しています。
これから選ぶ人の参考になるよう、
スペックだけでなく、使ったときの感覚も交えて紹介していきます。
エンゲツプレミアム 150PG|再現性を高めたい人が選ぶ一台
タイラバに求められるのは、再現性。
ヒットレンジ、巻きスピード、ラインの出方、それらすべてを「なんとなく」ではなく、数値で管理して再現するためのリールが、このエンゲツプレミアム 150PGです。
最大の特長は、カウンター機能と巻きスピード表示を搭載した、フォールレバー付きのICモデルであること。
ボトムまでの水深だけでなく、今どれくらいのスピードで巻けているか?が数字で見えるため、
ヒット時の状況をそのまま再現することが可能になります。
さらに、パワーギア仕様(PG)により、巻き取りが安定しやすく、
一定のスピードで巻き続ける“タイラバの基本”が自然と実現しやすいのもポイント。
スローな展開でもトルクのある巻き心地を維持しやすく、長時間の釣行でもテンポを崩さずに誘い続けることができます。
フォールレバーがあることで、落とし込みのスピードも調整可能。
その日の状況に合わせて微調整できる点も、安定した釣りを支えてくれます。
カウンター付きとしては扱いやすく、はじめての1台にも選ばれているモデルですが、
実際のところは、巻きや落としに精度を求める中級者が「乗せ感」を突き詰めるために選ぶことも多く、
使い込むほどに釣りの組み立てを明確にしてくれる1台です。
オシアコンクエスト CT 200MG|“数値”と“巻き感”を両立したフラッグシップ
カウンター付きでも、ここまで巻きにこだわる。
それがシマノ「オシアコンクエスト CT 200MG」の魅力です。
ICカウンターの便利さと、マイクロモジュールギアが生むなめらかな回転。どちらも妥協せず備えており、数値で攻めながらも、感覚で楽しめる釣りが成立します。
ひと巻き66cm・ギア比6.2の設計は、レンジをキープしやすく、等速巻きのリズムも掴みやすい。
液晶の視認性も高く、ローライト時や船上が揺れる状況でも瞬時に水深が確認でき、集中力を切らさず釣りに向き合えます。
剛性にも抜かりはなく、フルメタルボディが大ダイとのやり取りをしっかり支えてくれる。
ドラグが引き出された瞬間でも巻きブレがなく、落ち着いて対応できるのは、細部まで作り込まれた構造の恩恵といえるでしょう。
巻き感の上質さは、使い始めてすぐに実感できます。
水中の変化がリールを通して伝わってくるような、心地よい手応えがあるからこそ、攻めの釣りが成立します。
価格は高めながら、それだけの価値を感じられる一台。
長く使える相棒を探している人にこそ、選んでほしいモデルです。
ソルティガIC 100|狙ったレンジを外さない。深場・中層対応のICカウンターリール
水深管理がシビアなタイラバでは、アタリの出たレンジを正確に把握し、同じラインを何度も通せるかが釣果を左右します。
その精度を支えてくれるのが、ダイワ「ソルティガIC 100」です。
このモデルには、10cm単位で表示されるICカウンターを搭載。
さらに、10mごとのデプスアラームにより、フォールや巻き上げ中も水深のズレに即座に気づけます。
中層狙い・ドテラ流し・深場攻略といったシビアな釣りでこそ、このリールの実力が発揮されます。
巻き取り長は70cm(ギア比6.3)で、巻きトルクに優れた設計。
大型ヘッドや潮流の強いエリアでも、リズムを崩さず巻き続けることができます。
また、310gという重量がある分、アルミ製ボディとマグシールド構造による剛性・防水性が際立ち、安心して長時間使い込めます。
そしてもう一つ、このリールの魅力を語るうえで欠かせないのが、艶のあるガンメタネイビーのカラーリング。
他モデルとは一線を画す存在感があり、道具としての信頼感と所有する満足感、どちらも満たしてくれる仕上がりです。
タイラバで「もう一段階上を目指したい」と考えたとき、
水深を読む、巻きを安定させる、レンジを外さない──そのすべてを支えてくれる1台です。
ソルティガIC 100は、見た目と性能の両面から“選ばれている理由”がはっきりわかるリールです。
紅牙 RX IC 150P|巻きやすくて壊れにくい、初めてのICリールにも
タイラバで“巻きの安定感”を求めるなら、この紅牙 RX IC 150Pは外せません。
ひと巻きあたり62cmという巻き取り長は、速すぎず遅すぎず、鯛ラバにおける等速巻きにぴったり。微妙な潮流やレンジの変化にも追従しやすく、カウンターと組み合わせることで一段と再現性の高い釣りができます。
剛性感のあるアルミボディは、巻いていてブレない安心感をもたらしてくれるうえ、見た目の質感も高め。長時間の使用でもリールが軋まないので、テンポよく釣りを続けられます。
しかも、価格帯は他のカウンター付きモデルに比べて手頃。
初めてICカウンターリールを選ぶ方にとって、導入しやすいのがこのモデルの魅力です。予算を抑えつつ、操作性や耐久性にもこだわりたいという方に、まさにバランスの取れた選択肢といえるでしょう。
アブガルシア TRV DLC視認性・軽さ・価格、3拍子そろったICリール
アブガルシア TRV DLCは、その大型液晶ディスプレイと緑色バックライトが特長のカウンター付きリールです。
夜明け前のポイント移動や、船の陰で水深が読み取りづらい状況でも、一目で今のタナがわかる安心感があります。
巻き心地は軽快で、ひと巻き63cmの取り込みスピードもちょうどよく、鯛ラバに必要な等速巻きのリズムを作りやすい仕様。
しかも自重は225gと、カウンター付きモデルの中では軽量クラス。ロッドとのバランスを取りやすく、終日使っても疲れにくい設計です。
それでいて価格は、他メーカーの上位モデルと比べて手が届きやすいライン。
初めてカウンター付きリールを使ってみたい方にもおすすめしやすく、見た目のクセもなく、どんな鯛ラバロッドにも合わせやすいのも好印象です。
タイラバに初めての1台にはカウンター付きリールがおすすめ
はじめての1台に選ぶなら、カウンター付きが最適タイラバにおけるカウンター付きリールは、
単なる便利機能ではなく、状況やスタイルによって釣果を左右する“判断材料”のひとつです。
水深や巻きスピードを把握できることで、再現性のあるアプローチがしやすくなり、
とくにヒットレンジが絞りにくい日や、釣果が安定しない状況では頼れる存在となります。
一方で、カウンターがなくてもタイラバは成立します。
感覚や経験を活かす釣り方を好む方にとっては、軽さや操作性の高いカウンター無しリールのほうが合っているというケースも少なくありません。
重要なのは、自分の釣りに何を求めるか。
再現性や情報の可視化を武器にしたいならカウンター付き、
シンプルに釣りを楽しみたい、またはすでに手応えを掴めているならカウンター無し。
どちらを選んでも間違いではありません。
ただし、これから釣り方を磨いていきたいという方には、
まず「あり」から入ってみることで、次の一歩が見えやすくなるはずです。