投げ釣りやちょい投げで、なるべくシンプルな構造でトラブルを減らしたい──
そんなときに活躍するのが「中通しオモリ」です。
天秤のように仕掛けを金具に結ぶのではなく、ラインに直接オモリを通して使うこのタイプは、部品点数が少なくコンパクト。
手軽に使えるうえ、アタリの出方が素直で、魚の動きに対する追従性が高いという特長があります。
一方で、ラインの傷みやすさや仕掛けの安定性にややクセがあり、使いどころを見極める必要もあるオモリです。
この記事では、そんな「中通しオモリ」に焦点を当てて、
- 特徴と使われる理由
- 適した釣り方とシーン
- 中通しオモリを使った仕掛け例
までを順に解説していきます。
これからちょい投げを始めたい方や、仕掛けを簡単にまとめたい方は、ぜひ参考にしてください。
中通しオモリが選ばれる理由とは?
中通しオモリは、シンプルな構造と扱いやすさを両立した仕掛けパーツです。
ラインに直接オモリを通すことで、天秤に比べて全体の仕掛けがスリムになり、投げやすさや感度の伝わり方にも独特の魅力があります。
特にちょい投げや置き竿スタイルとの相性が良く、準備が簡単でトラブルも少ないことから、入門者にも選ばれやすいアイテムです。
中通しオモリが支持されている理由は、以下のような点にあります。
- 仕掛けがシンプルで絡みにくい
→パーツ点数が少なく、全体が直線的な構造になるため、キャスト時や回収時のトラブルが少なくなります。 - アタリが素直に伝わる
→オモリがライン上を自由に動く構造のため、魚の動きに対する追従性が高く、違和感を与えにくいのが特長です。 - 組み替えが簡単で汎用性が高い
→ラインをカットせずにオモリの交換や仕掛けの入れ替えができるため、釣り場での対応力が高く、急な状況変化にも対応しやすいです。
特に、ちょい投げで港内の足元や近距離をテンポよく探る釣りでは、軽快に扱える中通しオモリが実力を発揮します。
一方で、遠投性能や仕掛けの安定感を重視する釣りでは、天秤との使い分けがカギになります。
中通しオモリの選び方|失敗しない3つの基準
中通しオモリは構造が単純なぶん、サイズや素材の違いが使用感にそのまま現れます。
ここでは、購入前に確認しておきたい3つのポイントを紹介します。
1.オモリの号数|軽すぎず重すぎずのバランスが大事
中通しオモリも、基本は「1号=約3.75g」で表示されます。
近距離のちょい投げや波止釣りで使う場合、6〜10号前後が扱いやすいラインです。
軽すぎると風や潮に流されやすく、重すぎると根掛かりや違和感の原因になります。
使用するロッドの適合号数と釣り場の状況を見ながら、底がしっかり取れて竿が無理なく振れる号数を選びましょう。
2.素材の違い|鉛・タングステン・樹脂など
中通しオモリには、もっとも一般的な「鉛製」のほか、比重の高い「タングステン」や、軽量な「樹脂系」などさまざまな素材があります。
飛距離や沈下速度を優先したい場合はタングステン、
根掛かりリスクを減らしたい場合は浮き気味に動く樹脂系など、狙い方に応じて素材を使い分けると効率が上がります。
3.通し穴の構造|ライン保護の工夫があるか
安価な中通しオモリの中には、通し穴が荒く、ラインがすれて傷つきやすいものも存在します。
できれば内側に樹脂チューブが入っているタイプや、穴のバリ処理が丁寧な製品を選ぶと、仕掛けの寿命が伸びます。
また、仕掛けを直結するのではなく、ビーズやシモリ玉を間に入れることでラインの保護性も高められます。
キス釣り・ちょい投げにおすすめの中通しオモリ3選
中通しオモリは、構造がシンプルだからこそ“使いやすさ”や“トラブルの少なさ”に差が出やすいパーツです。
特に、通し穴の仕上げや素材の違いが、現場での快適さを大きく左右します。
ここでは、
- コストパフォーマンスに優れた定番モデル
- 柔軟性があり根掛かりを軽減しやすいソフトタイプ
- 視認性に優れたカラータイプ
といった観点から、キス釣りやちょい投げで扱いやすく、実釣で役立つ中通しオモリを厳選して紹介します。
第一精工 パックオモリ長型
コストを抑えつつ安定感ある仕掛けを組みたいなら、第一精工のパックオモリ長型がおすすめ。
複数個入りでお得感があり、仕掛けの消耗が激しいちょい投げ釣りでも気兼ねなく使えます。
中通しタイプながらも長型のため、飛行姿勢が安定しやすく、狙ったポイントにしっかり届くのも魅力。
使い勝手・価格・信頼性をすべてカバーした、まさに“困ったらコレ”の一本です。
第一精工 釣り用オモリ ソフトシンカー
第一精工のソフトシンカーは、根掛かりが気になる場面で頼れる“やわらか素材”の中通しオモリです。
内部に通し穴があり、仕掛けの組み替えもスムーズ。何より本体が柔らかいため、障害物に当たっても跳ね返しやすく、ラインへのダメージも軽減できます。
ちょい投げやキス釣りなど、細糸を使う場面で「仕掛けをなくしたくない」「ポイントをタイトに攻めたい」ときにぴったり。
不意のヒットにも耐える適度な重さと、手返しの良さを両立した実戦型オモリです。
フジワラ(FUJIWARA) カラーシンカー ナツメ
フジワラのカラーシンカー ナツメは、視認性の高いカラーバリエーションが特徴の中通しオモリ。
ちょい投げやキス釣りで「どこに仕掛けがあるか分かりづらい」といった不安を解消してくれます。
鮮やかな塗装は、海中でも光を受けて目立ちやすく、ラインの動きを見ながらの操作性アップにも貢献。
ナツメ型特有の転がりにくさもあり、ピンポイントでのステイにも対応しやすい仕上がりです。
初心者にも扱いやすく、トラブルレスで使える信頼の一本です。
中通しオモリを活かす釣り方のコツ
中通しオモリの魅力は、仕掛け全体の“素直さ”と“軽快さ”にあります。
この特性を最大限に活かすには、投げ方や仕掛け構成に少し工夫を加えるのがポイントです。
ここでは、実際の釣行で意識したい3つの使い方のコツを紹介します。
シンプル仕掛けでトラブルを減らす
中通しオモリの利点は、天秤に比べて構造が単純で、絡みにくく仕掛けがスッと動くことにあります。
基本は「中通しオモリ+スナップ付きサルカン+ハリス付きのキス仕掛け」というスタイルが主流です。
部品を減らすほどトラブルが減り、特に風が強い日や波がある場面では手返しの差に直結します。
小場所や港内でのちょい投げに強い
中通しオモリは飛距離よりも「足元~20m以内の釣り」に向いています。
水深が浅く、群れが近くにいるような場面では、波止やサーフの岸際をテンポよく探るのに最適です。
特に朝マヅメや群れが回遊してきた瞬間を逃さず拾っていくスタイルにはぴったりのアイテムです。
ラインの保護にひと工夫で安心感アップ
中通しオモリを使う際、通し穴のバリや摩擦によってラインが傷むリスクがあります。
ラインの保護には、オモリの両端にシモリ玉(ビーズ)を入れると安心です。
さらに、傷が入りにくいナイロンリーダーをオモリ部分だけに入れておくなど、ひと手間加えることでトラブルを未然に防げます。
このように、中通しオモリは「手軽に組める」「扱いやすい」だけでなく、条件にハマれば効率的に釣果を上げられる仕掛けです。
あえてシンプルにすることで強みを引き出せる、玄人好みの選択肢とも言えるでしょう。
中通しオモリは“手軽さと感度”を備えた万能型アイテム
中通しオモリは、シンプルな構造で扱いやすく、ちょい投げや近距離戦において高い実用性を発揮する仕掛けパーツです。
パーツ点数が少ないことでトラブルが減り、アタリが素直に伝わるため、初心者にも扱いやすく、ベテランも状況次第で使い分ける価値があります。
選ぶときは、
- 重さ(号数)のバランス
- 通し穴の精度とライン保護の工夫
- 素材ごとの使い分け
といったポイントを意識して、自分の釣り方に合ったタイプを見つけることが大切です。
ちょい投げや波止釣りで効率よく釣果を狙いたいときは、ぜひ今回紹介した内容を参考に、中通しオモリを取り入れてみてください。