砂浜や堤防から、青空の下でゆったりと楽しめるキス釣り。
その魅力は、手軽さと釣って食べて楽しめるおいしさにあります。
ただ、いざ本気で数を釣ろうと思うと「遠投」が必要になる場面が少なくありません。
目の前の波打ち際では反応がなく、50〜100m先の深場にキスが群れていることも多くあります。
そんなときに役立つのが“遠投性能のあるキス釣り用ロッド”です。
とはいえ、初めての1本としては「どれを選べばいいのか分からない」という声もよく聞きます。
そこで今回は、
- 遠投が必要な理由
- ロッドの長さや硬さの選び方
- おすすめのモデル
をまとめてご紹介します。
サーフでも堤防でも快適に投げられるロッドを見つけて、今年のキス釣りをもっと楽しんでみませんか?
キス釣り用の遠投竿、どんな場面で必要?
キス釣りはちょい投げでも楽しめますが、より多く釣るためには“遠投”が鍵になります。
特にサーフや広い堤防では、岸近くよりも沖の方にキスが群れていることが多く、遠くに仕掛けを投げられるかどうかで釣果に差が出ることも珍しくありません。
サーフや堤防では遠投が有利になる理由
海水温が安定しているポイントや、波の立ち方、底の地形によっては、キスが岸から50〜100m以上離れた場所にいることもあります。
手前に魚がいないと感じたら、遠投で探れる範囲を広げることでアタリが出る可能性が高まります。
ちょい投げとの違いは「攻められる距離」
ちょい投げロッドは短くて軽く、取り回しはしやすい反面、遠投には向いていません。
一方で遠投竿は長くて重いため、扱いに少し慣れが必要ですが、飛距離と安定感は段違いです。
たとえば、波打ち際では反応がなかったのに、90m投げた瞬間に連発!!
そんなシーンが現場ではよくあります。
だからこそ、専用の1本を用意する価値がある
「少しでも多く釣りたい」「群れを見つけて連掛けしたい」
そんな思いがあるなら、最初から遠投できるロッドを選んでおいた方が無駄がありません。
キス釣り遠投竿の選び方
キス釣り用の遠投ロッドを選ぶとき、注目すべきポイントは決して多くありません。
ただし、それぞれの条件には“理由”があり、知らずに選ぶと後悔することもあります。
ここでは、初めてでも失敗しにくい竿選びの基準をわかりやすくまとめました。
長さは「4m前後」がちょうどいい
ロッドは長いほど遠くに飛ばせますが、そのぶん重くなり、扱いが難しくなります。
特に5mを超えるようなロッドは、構えただけで疲れてしまう人も少なくありません。
一方、3m台のちょい投げ竿は操作性に優れる反面、遠投性能が不足しやすくなります。
そのため、「投げやすさと飛距離のバランスが良い4m前後」が、多くの釣り人から支持されています。
対応オモリ号数は「20〜35号」を目安に
遠くに飛ばすには、それなりに重たいオモリを使う必要があります。
特に100m以上を投げるには20号〜30号が必要になり、場合によっては35号まで使うこともあります。
そのため、竿が耐えられるオモリ負荷(号数)も重要です。
「20〜35号対応」と表記されているロッドなら、遠投釣りにも安心して使えます。
選ぶ際は“ちょい投げ用”や“磯竿”と間違えない
釣具店で並んでいる4mクラスの竿には、サビキ用・磯竿なども含まれていますが、
これらは遠投に必要な強度が備わっていないものが多く、オモリの重さに耐えきれず破損するリスクも。
購入時は「投げ竿」や「サーフロッド」と明記された製品を選びましょう。
タイプ別おすすめのキス釣り遠投竿
遠くのポイントを攻められるかどうかで釣果に差が出るキス釣り。
とはいえ、ロッドにはさまざまな種類があり、どれを選べば良いのか迷ってしまう方も多いはずです。
そこでここでは、価格・性能・使いやすさのバランスをもとに、
目的に合わせて選べる遠投竿を3タイプに分けて紹介していきます。
本格派におすすめ!飛距離と操作性を両立した上級モデル
頻繁に釣行する方や、100m以上の遠投で数を伸ばしたい人に向けた上級モデル。
高感度・軽量・高強度といった要素を備えており、細かなアタリも逃さず捉えたい本気派に適しています。
価格は張りますが、それだけの性能を実感できるロッドです。
シマノ サーフランダー 405CX|精度と遠投力を両立した、安定感抜群のハイエンドモデル
確実に狙ったポイントへ届く飛距離、ブレのないスムーズな振り抜き、そして安定したキャストフィール。
「サーフランダー 405CX」は、遠投性能と実釣対応力を突き詰めた本格派ロッドです。
4.05mの長さとCX(遠投重視)クラスのパワー設定により、30号クラスのオモリでも安定してフルキャストが可能。
さらに、ブランクス全体には“スパイラルX”と“ハイパワーX”の両方を搭載。
ネジレと潰れを同時に抑制し、無駄なくパワーを伝達する構造が、安定した遠投と正確なコントロールを支えます。
軽快で振り抜けが良く、ラインの放出もスムーズ。
サーフや堤防で遠投しながらも、繊細なアタリをしっかり伝えてくれる調子設計で、数釣りだけでなく型狙いのゲーム性にも対応します。
本格的に遠投キス釣りに取り組みたい方、ワンランク上の性能を求める方にとって、間違いなく選ぶ価値のある1本です。
ダイワ プライムキャスター 27号-405・N|一歩先の精度と遠投性能を求める方に
遠投で安定して飛ばせること。
繊細なアタリを逃さず捉えること。
そして、それらをストレスなくこなせる完成度の高さ。
「プライムキャスター 27号-405・N」は、その全てを高次元で両立したハイエンド遠投ロッドです。
全長4.05m、対応オモリ23〜30号というスペックは、100m超えのキャストを繰り返す釣りでも安定性と正確性を発揮。
さらに、剛性・感度・しなやかさを最適化するダイワ独自のテクノロジーが詰め込まれており、妥協のない一本を求める方に最適です。
軽さと張りのバランスが絶妙で、キャスト時の振り抜き感も非常にスムーズ。
ブレが少なく、仕掛けの落とし込みや引き釣り中の感度にも優れており、細かなアタリも確実に拾えます。
ハイエンドロッドに求められる「飛距離・精度・感度」の三拍子を備え、長時間の釣行でも安定してパフォーマンスを維持できる仕様です。
真剣に遠投キス釣りと向き合いたい方、一本で満足できる本格モデルを探している方に、ぜひ手に取ってほしい1本です。
宇崎日新 イングラムサーフ 30-3.90|繊細さと飛距離を両立した本格派・最軽量クラスの遠投竿
遠投でしっかりとアタリを取りたい。
繊細なキスの引きもしっかり感じながら、ストレスなく投げ続けたい。
そんな“投げ釣りの理想”を形にしたのが、「イングラムサーフ 30-3.90」です。
遠投竿の中でも屈指の軽さとなる自重315gに加え、30号までのオモリに対応する十分な張りと粘り。
軽量ながら反発力に優れたブランクス設計で、100m超の遠投にも余裕をもって対応します。
ロッド重量、感度、操作性、そのすべてにおいてバランスが取れており、
キス釣りを本格的に楽しみたいアングラーにとっては間違いなく最上位の選択肢です。
「遠投で数も型も狙いたい」
「繊細なアタリをしっかり掛けていきたい」
そんな方にこそ、自信を持っておすすめできる1本です。
バランス重視のスタンダードモデル!
「そこそこ遠投したい」「初めての1本だけど妥協はしたくない」
そんな人におすすめなのが、性能・使いやすさ・価格のバランスが取れた中間モデル。
扱いやすく、機能も充実しているため、初心者からステップアップを目指す人にも適したラインナップです。
シマノ サーフリーダー405CX-T
キス釣りで遠投を狙ううえで、「軽さ・遠投性能・トラブルの少なさ」を同時に求めるなら、シマノのサーフリーダー 405CX-Tが有力な選択肢になります。
全長4.05mという標準的な長さながら、自重は400gと軽量。
手返しを重視する場面でも疲れにくく、遠投初心者でも無理なく100m超えを狙える設計です。
25〜35号のオモリに対応しており、サーフや堤防などさまざまなポイントに対応しやすいのも特徴です。
ブランクスには「ハイパワーX構造」を採用し、ネジれを抑えてパワーロスを軽減。
フルキャストでもロッド全体にしっかり力が乗り、飛距離と安定性を両立します。
ガイドはPEラインに対応したKガイド+SiCリング仕様。
風の強い日でも糸絡みを抑え、トラブルなく釣りに集中できます。
価格を抑えつつ、飛距離・操作性・耐久性のバランスに優れた1本です。
これから本格的に遠投キス釣りを始めたい方はもちろん、長く使えるロッドを探している方にもおすすめできるミドルクラスモデルです。
扱いやすさと性能を両立しているため、「最初から良いものを選びたい」という方にも安心して手に取ってもらえます。
ダイワ ロングビームT 25-405
遠投キス釣りをしっかり楽しみたい方にとって、「軽さ・強さ・投げやすさ」の3拍子が揃ったロッドは理想的です。
ロングビームT 25-405は、まさにその条件を高次元でバランスさせた1本です。
自重はわずか345g。
高密度HVFカーボンを使用したブランクスは、反発力に優れ、力強いキャストをしっかりサポートします。
さらに、ネジれを抑える「X45構造」や、継ぎ目のパワーロスを防ぐ「V-JOINT」、ガイドのズレを防止する「ファインピッチガイドロック」など、実釣に効く機能が惜しみなく投入されています。
遠投に必要な要素をしっかり備えながら、扱いやすさにも優れたミドルクラスの完成度。
これからキス釣りの釣果をもう一段階引き上げたい方に、自信を持っておすすめできるロッドです。
はじめての1本にぴったり!お手頃エントリーモデル
「まずは気軽にキス釣りを始めてみたい」
そんな人には、価格が手頃で扱いやすいエントリーモデルがおすすめです。
重すぎず、投げやすく、必要最低限の性能はきっちり備えているので、入門用として最適です。
シマノ ホリデースピン 405CX-T
遠投キス釣りをこれから始めたい方にとって、「重すぎず投げやすく、必要な性能はしっかり備わっている」ロッドは理想的です。
ホリデースピン 405CX-Tは、まさにその条件を満たした1本です。
全長4.05m、対応オモリ号数25〜35号という仕様は、サーフや堤防からの100mクラスの遠投にもしっかり対応。
反発力と操作性のバランスも良く、遠投初心者でも飛距離を出しやすい設計です。
価格を抑えながらも基本性能はきっちり押さえており、遠投デビューに必要な要素を過不足なく搭載しています。
見た目や質感にも安っぽさはなく、入門者だけでなく予備の一本として選ばれるケースも多いモデルです。
コストを抑えつつ、しっかり投げて釣果につなげたい方には最適な選択肢です。
エントリーモデルとして安心しておすすめできます。
ダイワ リバティクラブ サーフT 25-390
価格を抑えながら、遠投に必要な基本性能と耐久性をしっかり備えた投げ竿。
リバティクラブ サーフT 25-390は、「実用性重視」で選びたい方におすすめのモデルです。
カーボン含有率はあえて抑えめの28%とし、軽量性よりも“粘り”と“タフさ”を優先。
折れにくく、少々雑に扱っても安心できる設計は、初めての遠投釣りでも扱いやすさを感じやすい構造です。
PEラインにも対応するガイド、濡れた手でもしっかり握れるグリップ、そしてオモリ30号まで対応するパワー。
実売8,000円前後という価格帯でこれだけの実釣性能が揃っているモデルは、選択肢として非常に限られています。
高価なロッドに比べれば感度や軽さは控えめですが、投げ釣りの基本を支える構造と剛性は十分。
レジャー感覚でキス釣りを楽しみたい方や、サブロッドとして1本追加したい場合にも適した選択肢です。
価格を抑えつつ、耐久性・遠投性能・汎用性のバランスが取れている1本として、自信をもっておすすめできます。
キス釣りは道具選びで釣果が変わる
キス釣りは手軽に楽しめる反面、竿選びを間違えると飛距離が出ず、釣果にも影響が出やすい釣りです。
特にサーフや堤防からしっかりと仕掛けを届けるためには、遠投性能のある専用ロッドが欠かせません。
ロッド選びでは以下の3点を意識するのがポイントです。
- 長さは4m前後が扱いやすく飛距離も出しやすい
- 20〜35号のオモリに対応した硬さを選ぶ
- 使うシーンや経験値に合わせてモデルを選ぶ
今回ご紹介した3タイプの中から、ご自身の釣りスタイルに合った1本を見つけていただければ、
初めてのキス釣りでも、しっかり狙って釣果につなげることができるはずです。
ぜひこの夏、遠投竿を手にキス釣りの楽しさを体感してみてください。
▶なお、「もっと気軽にキス釣りを楽しみたい」「遠投までは考えていない」という方には、ちょい投げ向けのロッド選びもおすすめです。
堤防や港でのんびり楽しみたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。