仕掛けの張りと感度を重視する釣り人から高い支持を受けているのが「キステン(キス天秤)」。
特にキス釣りとの相性が良く、砂浜や波止場などで繊細なアタリをしっかりとらえたい場面で選ばれています。
シンプルな構造ながら、アームの角度や長さ、固定方式の違いで使い勝手に個性が出るのもキステンの魅力。
投げやすさよりも「アタリの明確さ」や「違和感の少なさ」を重視した釣り方に適しており、手元への情報量を増やしたい方には最適な天秤です。
この記事では、そんな「キステン」にフォーカスして、
- 選び方の基準
- 相性の良い釣り方
- おすすめモデルの紹介
までをわかりやすくまとめました。
より繊細なやり取りで数釣りを狙いたい方は、ぜひ参考にしてください。
キステンが選ばれる理由とは?
キステンは、アームが斜め上に伸びた独特の形状を持つ天秤で、仕掛けが海底から少し浮いた状態をキープしやすいのが特徴です。
この構造により、エサが自然に漂いやすくなり、キスにとって違和感のない食わせ方が可能になります。
特に評価されているのが以下の3点です。
- アタリの感度が高い
アームの傾斜によって仕掛けが張りやすくなり、わずかなアタリも明確に伝わります。 - 食い込みが自然
海底にベタッと置かれず、エサが浮き気味になるため、違和感を持たれにくく食わせに強い構造。 - 引き抵抗が少なく操作しやすい
抵抗が少ないため、軽快な引き釣りができ、テンポよく探るスタイルにも向いています。
特に、潮が緩やかでアタリが繊細になりやすい朝マヅメや、スレた個体を狙うときには頼れる存在になります。
一見地味ながら、釣果にしっかり差が出る、そんな“通好み”のアイテムとして愛用され続けています。
キステンの選び方|失敗しない3つの基準
キステンは構造がシンプルな分、選ぶときのポイントを押さえておかないと「思っていた感度が出ない」「絡みやすい」といった不満につながることもあります。
ここでは、購入前に確認しておきたい3つの視点を紹介します。
1.オモリの号数|底取り重視なら少し重めが基本
キステンのオモリは、他の天秤と同様に「15号」「20号」といった号数で表されます。
細身で空気抵抗が少ないジェット天秤と比べると、キステンは若干抵抗を受けやすいため、同じ号数でも“やや軽く感じる”ことがあります。
そのため、同条件で比べるなら「ワンランク重め」を選んだほうが安定しやすい場面もあります。
特に風がある日や潮流がある場所では、18〜20号あたりの重さが安心です。
2.アームの長さ|張りやすさと感度を決める重要な要素
キステンのアームは、比較的長めに設計されているモデルが多く、仕掛けがしっかり張る構造になっています。
これにより、手元へのアタリが明確になり、掛け遅れやすっぽ抜けを防ぐことが可能になります。
ただし、アームが長いぶん、投げ方によっては絡みやすくなる場合もあるため、初心者の方は「短めアーム」や「ハリス側にスイベル付き」のモデルを選ぶのが無難です。
感度を優先するならロングアーム、トラブルレスを重視するならショートアームというふうに、釣り方に応じて使い分けるのがコツです。
3.固定式 or 半遊動式|アタリの出方と食わせに影響
キステンには、「完全固定タイプ」と「可動部にスイベルを持たせた半遊動タイプ」の2種類が存在します。
固定式は構造がシンプルで仕掛け全体の一体感があり、操作性も安定。
一方で半遊動式は、魚がエサをくわえたときの“違和感のなさ”を重視しており、アタリの数や食い込みに差が出ることがあります。
引き釣りメインでテンポよく探りたいなら固定式、アタリを明確に出して掛けにいきたいときは半遊動式が向いています。
キス釣りにおすすめのキステン3選
キステンは、アタリの感度や食い込みの良さに優れた“通好み”の天秤ですが、各メーカーからさまざまなモデルが登場しており、見た目以上に使い心地に差が出るアイテムです。
ここでは、特に実釣で扱いやすく、キス釣りにおいて信頼できる3つのモデルを厳選して紹介します。
それぞれ、
- 初めてでも扱いやすい定番型
- 操作性に優れた感度重視型
- 手返し効率を重視した引き釣り向け
といった視点で選んでいますので、自分の釣りスタイルに合ったキステンを見つける参考にしてください。
ハヤブサ(Hayabusa) ライトショット 立つ天秤 スマッシュ
手返し良く数を伸ばしたいキス釣りで頼れるのが、ハヤブサの「立つ天秤 スマッシュ」。
海底でしっかり立つ独自構造により、エサが自然に漂い、食い渋る時間帯でも口を使わせやすいのが魅力です。
アームは細く、感度も抜群。わずかなアタリをしっかり手元に届けてくれます。
しかも折りたたみ式でコンパクト収納可能。
サーフや波止など、移動を伴う釣行にもぴったりです。
繊細な攻めとテンポの良い手返しを両立できるこの天秤は、数釣りを狙う釣行にぜひ1本は忍ばせておきたい存在です。
Marufuji(マルフジ) PE-3 キス五目天秤
キス釣りはもちろん、ハゼやベラなどの小物五目にも対応できる万能型のキステンが「マルフジ PE-3」。
アームが斜め上に伸びた立体構造により、仕掛けが自然に張りやすく、わずかなアタリも明確に手元に伝わります。
引き抵抗が少なく、軽快な引き釣りにも最適。PEラインに対応した設計で、感度を損なわず快適に使えるのも魅力です。
コスパに優れ、初めての1本としても扱いやすい実用モデル。感度と汎用性を両立した1本を探しているなら要チェックの天秤です。
オノサン 弓型キス天秤
キス釣りの名品として長年親しまれている「オノサン 弓型キス天秤」は、感度と仕掛けの張りやすさを両立した定番モデル。
アームが弓なりに湾曲した独特の形状により、エサが自然に漂い、繊細なアタリも手元にしっかり伝わります。
引き抵抗が少なく、軽快な引き釣りが楽しめるのも魅力。絡みにくく操作性にも優れており、手返しを重視した釣り方とも好相性です。
安定した釣果を狙いたいなら、まず持っておきたい1本です。
キステンを活かす釣り方のコツ
キステンの性能をしっかり活かすには、ただ投げて待つだけではもったいない部分もあります。
その特徴である“張りの強さ”や“感度の良さ”を活かすことで、より多くのアタリを捉え、釣果につなげることができます。
ここでは、キステンを使ううえで意識しておきたい3つのポイントを紹介します。
張りを意識したズル引きでアタリを明確に
キステンのアームは仕掛けをしっかり張る構造になっているため、引き釣りとの相性が非常に良いです。
特に、一定速度でズル引いていくことで、エサが自然に漂い、キスが違和感なく食いつきやすくなります。
わずかなアタリも手元にしっかり伝わるため、掛け合わせのタイミングが取りやすく、バラシを減らすことができます。
ピンポイント狙いでは食わせ重視のステイも効果的
群れの位置が把握できているときや、波止の足元で狙う場合は、あえて仕掛けを止めておく「ステイ」も有効です。
キステンは仕掛けがやや浮きやすいため、砂に埋もれにくく、エサが目立ちやすい状態をキープできます。
特にアタリが渋いときや、波が立って誘いが自然にかかっているときには、余計な動きを入れない方が効果的です。
潮流や風に応じて重さを使い分ける
軽すぎるキステンでは、仕掛けが流されて張りが失われることがあります。
感度を活かすためにも、風や潮の状況に合わせて適正な号数に調整するのがポイントです。
たとえば、無風・浅場なら12〜15号でも対応できますが、横風が強い日や流れのある釣り場では、18〜20号に切り替えて安定させることで、アタリを取りやすくなります。
このように、キステンは「張って待つ釣り」「感度を活かす釣り」で真価を発揮します。
少しの工夫で釣果に大きな差が出るため、自分の狙いたい距離や釣り方に合わせて使いこなしてみてください。
キステンは“感度と食わせ”を両立した通好みの天秤
キステンは、仕掛けを張りやすくするアーム構造と、食わせに優れたオフセット設計により、キスの繊細なアタリを確実に拾える実戦派のアイテムです。
投げやすさやトラブルレス性に優れたジェット天秤とは異なり、キステンは「感度と食わせ」を追求したタイプで、より手元に集中した釣りを展開したい方に向いています。
選ぶ際は、号数やアームの長さ、固定式・遊動式の構造をしっかり確認し、自分のロッドや釣り場の条件に合わせた1本を選びましょう。
アタリを確実に取って、掛けていく楽しさを味わいたい方は、ぜひ今回紹介した特徴や使い方のコツを参考に、キステンを活用してみてください。