PEラインには、号数や強度といった種類があり様々な種類のものが発売されています。
強度は通常「lb(ポンド)」や「kg(キログラム)」で表され号数はラインの太さを表していますが、同じ号数でも製品やメーカー、綴り数によって強度が異なることがあります。
こうした違いが、特に初心者の方にとってどの号数や強度を選べば良いのかを迷わせる原因となっているかもしれません。
この記事では、PEラインの号数や強度の考え方をわかりやすく解説し、釣りのターゲットや状況に応じた適切なラインの選び方を紹介します。自分の釣りに合ったPEラインを選び、釣果を最大限に引き出しましょう。
PEラインとは?
PEライン(Polyethylene Line)は、ポリエチレン繊維を編み込んで作られた釣り糸のことです。
「PE」はポリエチレン(Polyethylene)の略称で、この素材は非常に軽量かつ強力な特徴を持っています。
ナイロンやフロロカーボンなど、他のライン素材と比べて引っ張り強度が高く、同じ号数でもより細いラインでありながら、強度を保つことが可能です。
PEラインはその優れた特性により、幅広い釣りスタイルで使用されており、特に次のような点で注目されています。
1. 高い引っ張り強度
PEラインは極めて細い径でありながら、非常に強力な引っ張り強度を持っています。これにより、遠投や感度を重視した釣りで特に有効です。特に、大物狙いの釣りや、細かいアタリを逃したくないシチュエーションにおいてその強みを発揮します。
2. 感度の高さ
PEラインは伸びがほとんどないため、魚のアタリを繊細に感じ取ることができます。これにより、ルアーフィッシングやソルトウォーターゲーム、エギングなど、感度が求められる釣りで使用されることが多いです。
3. 遠投性能
ラインが細く、風や水の抵抗が少ないため、PEラインは遠投性能に優れています。特にサーフフィッシングやショアジギングのような、広範囲を探る必要がある釣りでそのメリットが生かされます。
4. 摩耗や擦れに対する弱点
一方で、PEラインは摩耗や擦れに弱いというデメリットがあります。岩場や障害物の多いフィールドでは、リーダー(通常はフロロカーボンやナイロン)と組み合わせて使うのが一般的です。また、ナイロンやフロロカーボンと比べると比重が軽いため水に沈みにくいという特徴もあります。
5. 多様な編み数
PEラインには4本編み、8本編み、12本編みなどがあり、編み数が多いほどラインが滑らかで、感度やキャスト性能が向上します。
一方で、4本編みは耐摩耗性が高く、障害物の多いフィールドで有利です。
編み数に応じたラインの選定が釣果に直結するため、釣りのスタイルに合わせて選ぶことが重要です。
綴り数の詳しい選び方については、こちらの記事をぜひご参照ください。
PEラインは、軽量で高強度、感度の高い素材で作られており、特に遠投や繊細な釣りに最適なラインです。
選ぶ際には号数や綴り数、強度に加え、釣りのスタイルやフィールドの状況に応じて適切なラインを選ぶようにしましょう。
釣りスタイル別のPEライン号数の選び方
釣りのスタイルやターゲットによって、PEラインの適切な号数を選ぶことが重要です。
ここでは、代表的な釣りのシーンに応じたPEラインの号数選びを解説しますので是非参考にしてください。
1. シーバス釣り(ショアフィッシング) 適した号数:0.8号〜1.5号
シーバス釣りでは、繊細なアタリを感じ取りつつ、遠投が求められるため、感度と飛距離が重要です。
PEラインの0.8号〜1.5号は、感度が高く、ラインの太さがキャスティング時に風や潮の影響を受けにくいため、効率よくシーバスを狙えます。
また、シーバスは突然の強い引きがあるため、十分な強度も確保できるラインが望ましいです。
2. ライトゲーム(アジング・メバリング) 適した号数:0.2号〜0.6号
アジングやメバリングなどのライトゲームでは、極めて繊細なアタリを捉える感度が重要です。
細い号数のPEライン(0.2号〜0.6号)は、ルアーやジグヘッドの操作性を高め、アタリを逃さないために最適です。
また、細いラインは水の抵抗が少なく、自然なルアーアクションができるため、ターゲットに違和感を与えずに誘えます。
3. ショアジギング(青物狙い) 適した号数:2号〜3号
ショアジギングは、大型の青物(ブリ、カンパチ、ヒラマサなど)をターゲットとし、重いメタルジグを遠投して広範囲を探る釣りです。
この釣りでは、引きの強い大物をしっかりと制御できる強度が求められるため、2号〜3号のPEラインが適しています。
大物とのやり取りでも切れない強度と、十分な飛距離を確保できる太さがバランス良く必要です。
4. オフショアゲーム(大型魚・ビッグゲーム) 適した号数:4号〜8号
オフショアフィッシングでは、マグロやカジキ、ブリなどの超大型魚を狙うことが多く、非常に強力なPEラインが必要です。
4号〜8号のラインは、大物との長時間のファイトや、強い潮流、船上での操作に耐えるために最適です。
太いラインは摩耗にも強く、障害物や激しい引きにも対応できます。
5. エギング(イカ釣り) 適した号数:0.6号〜1号
エギングでは、繊細な操作性と遠投性能が求められます。
PEラインの0.6号〜1号は、軽いエギ(ルアー)を投げる際にも飛距離を稼ぎやすく、ラインの感度が高いため、イカの微妙なアタリも感じ取りやすいです。
また、風や潮の影響を最小限に抑えるため、細めの号数が好まれます。
6. タイラバ(鯛ラバ) 適した号数:0.8号〜1.5号
タイラバ(鯛ラバ)では、真鯛をターゲットにするため、適切な感度と強度を両立させたライン選びが重要です。
PEラインの0.8号〜1.5号は、真鯛が海底に近い場所を回遊している際にタイラバを安定して落とし込み、微細なアタリを感じ取るのに十分な感度と耐久性を持っています。
潮流の速いエリアでも操作しやすく、細めの号数が推奨されます。
釣りスタイル別のPEライン号数のまとめ
釣りスタイルや狙う魚の種類に応じて、PEラインの号数を適切に選ぶことで、より効果的に釣りが楽しめます。
繊細な操作が必要なライトゲームやエギングでは細めのライン、強い引きを受け止めるショアジギングやオフショアゲームでは太めのラインが理想です。
自分の釣りスタイルに最適な号数を選ぶことが、釣果を左右する大きな要因となります。
釣りスタイル | 適したPEラインの号数 | ポイント |
---|---|---|
シーバス釣り | 0.8号〜1.5号 | 遠投性能と感度が重要。風や潮の影響を受けにくく、シーバスの強い引きにも耐えられるバランスが求められます。 |
ライトゲーム(アジング・メバリング) | 0.2号〜0.6号 | 軽いルアーを操作しやすく、繊細なアタリをしっかりと感じ取るために細いラインが適しています。 |
ショアジギング(青物狙い) | 2号〜3号 | 重いメタルジグの遠投に適しており、ブリやヒラマサなどの大型魚の強力な引きにも対応できる強度が必要です。 |
オフショアゲーム | 4号〜8号 | マグロやカジキなどの超大型魚をターゲットにするため、高い引っ張り強度が求められます。 |
エギング(イカ釣り) | 0.6号〜1号 | 繊細な操作性が必要なため、軽いエギを遠投できる細めのラインが推奨されます。 |
タイラバ(鯛ラバ) | 0.8号〜1.5号 | 真鯛をターゲットにし、潮流に対応しつつ、感度と強度のバランスが取れたラインが適しています。 |
PEラインの号数と強度
PEラインの強度や号数を理解するためには、計算方法が簡単な目安として使われることが多いです。
ここでは、その計算方法について説明します。
1. 号数からポンド数(lb)を計算する方法
PEラインの強度は、ナイロンやフロロカーボンと比べて、同じ号数でもはるかに高い強度を持ちます。簡易計算として、以下の式を使います。
計算式:号数×20=ポンド数(lb)
例えば、2号のPEラインの場合、2号 × 20 = 40lb となり、約40lbの強度があることがわかります。
この式は特に、3号以下のラインに対して有効です。
2. ポンド数から号数を計算する方法
逆に、釣りで必要な強度がわかっている場合、その強度に対応する号数を求めることができます。
計算式:ポンド数(lb)÷20=号数
例えば、40lbの強度が必要な場合、40lb ÷ 20 = 2号 となり、2号のPEラインが適していることがわかります。
3. 号数と強度の関係に注意
号数が大きくなると、単純な「20倍」の計算が適用されない場合があります。
例えば、4号以上では「15倍」が一般的な目安です。これは、ラインの太さや編み込み数などの要因が強度に影響を与えるためです。
計算式:号数×15=ポンド数(lb)
例えば、4号のPEラインの場合 4号 × 15 = 60lb となり、約60lbの強度があることがわかります。
この計算方法はあくまで目安であり、製品によって異なる場合もあるので、購入前にはメーカーのスペックシートなどを確認することが大切です。
PEラインの号数・ポンド・太さ表
号数 | ポンド(lb) | 強度(㎏) | 太さ(mm) |
---|---|---|---|
0.6号 | 12lb | 5.4kg | 0.00520 |
0.8号 | 16lb | 7.2kg | 0.00602 |
1号 | 20lb | 9.0kg | 0.00674 |
1.2号 | 24lb | 10.8kg | 0.00752 |
1.5号 | 30lb | 13.6kg | 0.00823 |
2号 | 40lb | 18.1kg | 0.00953 |
2.5号 | 50lb | 22.6kg | 0.01063 |
3号 | 55lb | 24.9kg | 0.01165 |
4号 | 60lb | 27.2kg | 0.01346 |
5号 | 80lb | 36.2kg | 0.01504 |
6号 | 90lb | 40.8kg | 0.01646 |
8号 | 100lb | 45.3kg | - |
ナイロンラインやフロロラインの号数・ポンドについてはこちらを参考にしてください。
おすすめのPEライン5選
エックスブレイド(X-Braid) スーパー ジグマン X8
エックスブレイド (X-Braid) スーパー ジグマン X8は、青物や大物狙いのショアジギングやオフショアフィッシングに特化したPEラインです。
このラインは8本編みで構成されており、滑らかなキャスト性能や高感度を持つことが特徴です。
シーガー(Seaguar) シーガー PE X8
シーガー (Seaguar) シーガー PE X8は、ルアーフィッシングやジギングをはじめ、幅広い釣りに対応できる8本編みのPEラインです。
このラインは、感度、強度、キャスト性能のバランスが非常に良く、初心者から上級者まで幅広いアングラーにおすすめです。
シマノ(SHIMANO) PEライン タナトル8
シマノ (SHIMANO) PEライン タナトル8は、シマノの「VT工法(VT Construction Method)」という独自技術を採用したPEラインです
。この技術により、編み込みの精度が向上し、滑らかさと耐久性を兼ね備えたラインが実現されています。
これにより、キャスト性能や感度が向上し、釣り全体のパフォーマンスを高めています。
ダイワ(DAIWA) PEデュラセンサーX8+Si2
ダイワ(DAIWA)PEデュラセンサー X8+Si2は、ダイワの独自技術を活かした8本編みPEラインで、特に耐久性と滑らかさを追求した製品です。
このPEラインは、耐摩耗性と感度を両立しており、さまざまなフィールドでの使用に最適です。
ライン表面には、シリコーンコーティング「Si2」が施されており、ラインがよりスムーズに滑り、キャスト性能を向上させるとともに、摩擦による劣化を防ぎます。
ゴーセン(Gosen) ルーツ PE×8
ゴーセン (Gosen) ルーツ PE×8は、感度や操作性を重視するアングラーに向けた8本編みのPEラインです。
ゴーセンはその高い品質と信頼性で知られており、このPEラインもその特長を最大限に活かしています。
軽量でありながら高い強度を持ち、さまざまな釣りシーンで活躍できるよう設計されています。
特に、操作性と感度の高さが際立っており、繊細なルアー操作やターゲットのアタリをしっかりと感じ取ることができるラインです。
PEラインの魚種別号数の選び方のまとめ
peラインの号数選びは、釣りの成功を左右する大切な要素です。ラインが太すぎると魚に警戒されやすくなり、釣れにくくなる一方、細すぎると大物が掛かった際にラインブレイクのリスクが高まります。狙う魚のサイズや釣りのスタイルに応じて適切な号数を選ぶことが釣果を左右します。
例えば、エギングでは、0.6号〜1号程度のpeラインがよく使われます。これは、軽いエギを投げやすく、感度が高いため、イカの微妙なアタリを感じ取りやすいからです。シーバス釣りでは、0.8号〜1.5号が推奨され、感度を重視しつつも、強い引きに耐えられるラインが必要です。また、ショアジギングやオフショアの大物狙いでは、強い引きに耐えるために2号〜3号以上のラインが使われることが多く、魚のサイズに合わせた選択が求められます。
釣りの種類によってラインの役割が異なり、感度、強度、操作性が求められるため、自分の釣りスタイルに合わせたpeラインの号数を選びましょう。適切な号数を選ぶことで、より楽しく効率的に釣果を得ることができます。