タチウオテンヤの引き釣りは、手軽な仕掛けと簡単なアクションで、特に関西地方では、長く親しまれているタチウオ釣りの定番です。
この釣法は初心者にも優しく、シンプルな仕掛けで始められるため、タックルも代用できるものが多いため手持ちの道具で気軽に楽しめる点が魅力です。
テンヤの引き釣りでは、オモリとハリが一体化したテンヤを使い、広範囲を探ることができるため、ゲーム性が高いです。エサを使うことでタチウオの反応が良くなり、夜間や朝夕のマヅメ時にも釣果が期待できます。
エサ釣りとルアーフィッシングの良さを兼ね備えたこの釣り方は、多くのタチウオを狙えるため、釣り人に人気です。
この記事では、テンヤの引き釣りに必要な仕掛けやエサ、釣り方を元釣具屋の筆者の目線より詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
テンヤの引き釣りとは
テンヤの引き釣りは、オモリとハリが一体化した「テンヤ」を使用するシンプルで効果的な釣法です。テンヤはエサを固定してキャストするだけで釣りが楽しめるため、初心者でも手軽に始められるのが魅力です。
テンヤにはさまざまな号数(重さ)があり、基本的には2号から8号までの範囲で選ばれます。軽いテンヤは浅場や潮の流れが緩やかな場所で、重いテンヤは深場や潮流が速い場所で使用します。
テンヤの魅力とメリット
テンヤの引き釣りの最大の魅力は、その手軽さとゲーム性の高さです。
- シンプルな仕掛け: テンヤ一つで釣りが成立するため、道具が少なくて済みます。初心者でも簡単にセットアップでき、すぐに釣りを楽しめます。
- 簡単な釣り方: 基本的な釣り方は、テンヤをキャストしてリールを巻くだけです。タチウオのアタリは明確で、初心者でも感覚を掴みやすく、リトリーブ中にアタリを感じたらそのまま引き続けてフッキングします。
- 広範囲を探れる: ルアーフィッシングのように広範囲を探ることができるため、効率的にタチウオを見つけ出せます。エサを使うことでタチウオの反応も良く、ルアーよりも効果的に釣れることが多いです。
テンヤのアクション
テンヤの引き釣りでは、リールを巻きながらロッドを軽くシャクることでアクションをつけます。
タチウオのアタリがあった場合、ストップ&ゴーやリフト&フォールなどのバリエーションを試し、その日のパターンを見つけることが重要です。
特に夜間釣行では、ケミホタルをリーダーに付けることで、仕掛けの位置を把握しやすくなり、釣果を上げやすくなります。
タチウオテンヤ引き釣りのテンヤ号数選び
タチウオテンヤの引き釣りでは、使用するテンヤの号数は2号~8号を選びます。
釣り場の状況や潮流、風の強さに応じて適切な号数を選ぶことが重要です。
テンヤの号数 | 使用条件 | 特徴と利点 |
---|---|---|
2号〜4号 | 潮の流れが緩やかで風が弱い条件 | 浅場での釣りやタチウオの活性が高い時に効果的。エサの動きをナチュラルに見せる。キャストがしやすく初心者向け。 |
5号〜6号 | 潮の流れがやや速く、風がある場合 | 安定したアクションが得られ、多少の潮流や風にも対応可能。中層での釣りや、変わりやすい潮流にも適しています。 |
7号〜8号 | 潮の流れが速く、風が強い条件 | 深場や強い潮流に対応でき、安定したアクションを維持。深い場所にいるタチウオや速い潮流の中でもエサを自然に見せる。 |
実際の使用例
堤防からのタチウオ釣りでは、潮の流れが比較的緩やかであれば2号〜4号のテンヤを選び、キャストしやすくエサの動きを自然に見せることができます。
風が出てきたり、潮流が速くなったりした場合は、5号〜6号のテンヤに切り替え、安定したアクションを維持します。
さらに、潮流が非常に速い場合や深場を狙う際には、7号〜8号のテンヤを使用して、確実にタチウオのいる層を攻めることができます。
テンヤのカラー選びのポイント
タチウオは視覚に敏感な魚であり、適切なカラーを選ぶことで、タチウオの反応を引き出しやすくなります。
ここではタチウオテンヤのカラー選びのポイントを解説します。
グロータイプ
グロータイプのテンヤは、暗い場所や深場での視認性が非常に高く、発光することでタチウオに強いアピール力を発揮します。夜間や曇りの日、深場での釣りに最適で、朝夕のマヅメ時にも発光によるアピールでタチウオを引き寄せます。
メタリックカラー
メタリックカラーのテンヤは、光を反射して視認性を高め、タチウオに強くアピールします。日中の光量が多い時間帯に有効で、太陽光や月光を反射してタチウオの目に留まりやすくします。透明度の高い水域や晴天の日中に特に効果的です。
ナチュラルカラー
ナチュラルカラーのテンヤは、魚の自然な色合いに近く、タチウオに違和感を与えにくいです。水の透明度が高い状況や、タチウオの活性が低い時に効果的で、他のカラーで反応が悪い時に試すと良い結果が得られます。
カラーのローテーション
釣りの状況やタチウオの反応に応じてテンヤのカラーをローテーションすることが重要です。
同じカラーを長時間使用するとタチウオが見慣れてしまい、反応が鈍くなることがあります。グロータイプで反応がなければメタリックカラーやナチュラルカラーに切り替えるなど、状況に応じてカラーを変更することでタチウオの反応を引き出しやすくなります。
夜間はグロータイプ、日中はメタリックカラー、透明度が高い時はナチュラルカラーなど、時間帯や水の状態に応じてカラーを使い分けることが釣果向上の鍵です。
適切なカラー選びとそのローテーションを実践することで、タチウオテンヤ釣りの成功率を高めることができます。釣り場の状況やタチウオの反応に合わせて最適なカラーを選び、釣果を最大化しましょう。
時間帯・状況 | おすすめカラー | 説明 |
---|---|---|
夜間 | グロータイプ | 夜間や深場での視認性が高く、タチウオに強くアピール。 |
日中 | メタリックカラー | 光を反射して視認性を高め、タチウオに強くアピール。 |
水の透明度が高い時 | ナチュラルカラー | 自然な色合いでタチウオに違和感を与えず、食欲を刺激します。 |
タチウオの反応が鈍い時 | カラーのローテーション | 同じカラーを長時間使用せず、グローからメタリック、ナチュラルなどに切り替えることで反応を引き出します。 |
堤防タチウオ引き釣りにおすすめのテンヤ5選!
シマノ 太刀魚ゲッター ツイン噛む
シマノの「太刀魚ゲッター ツイン噛む」は、太刀魚釣りに最適なテンヤ仕掛けです。
このテンヤ、ダブルフック構造を採用しており、頭部のステンレスプレートを挟んで半固定状態にすることで、魚が掛かるとフックがフリーになり衝撃を吸収します。
これによりフッキング率が向上し、小型の太刀魚でも確実に捕らえることができます。また、キビナゴなどのエサを簡単にセットできるため、手早く準備が整い、短時間で多くのキャストが可能です。
さらに、スローリトリーブやストップ&ゴーなど、多様なアクションでタチウオを誘うことができます。特に魚が浮き気味の時や活性が高い時に効果的です。
カラーバリエーションも豊富で、グローピンクやグローゴールドなど視覚的にアピールできるカラーが揃っています。
ダイワ 快適波止タチウオテンヤSS
「快適波止タチウオテンヤSS」は、ルミノーバ塗装により暗い場所でも視認性が高く、夜間のタチウオ釣りに最適です。
カラーは紫ゼブラ、緑夜光、青夜光などがあり、状況に応じて選べます。チャター付きモデルもあり、一定の振動で引きスピードとタナを安定させ、初心者にも使いやすいです。
サイズは2SからLまでのバリエーションがあり、釣り場や釣り方に合わせて選択可能です。エサの装着は簡単で、キビナゴやイワシの切り身を使用します。
リトリーブ時にロッドを軽くシャクることでアクションをつけ、タチウオのアタリがあった場合は、ストップ&ゴーやリフト&フォールなどのバリエーションを試して効果的に釣りを進めます。
ドラゴンライズ 堤防タチウオテンヤ
ドラゴンライズ 堤防タチウオテンヤは、餌を水平にゆっくりと沈める水平バランス設計を採用しており、タチウオに違和感を与えず自然な動きで誘います。
エサ巻きワイヤーが付属しており、ドジョウやキビナゴなどのエサをしっかり固定できます。ワイヤーアシストフックも付属しており、長さの調整が可能で、強度が高くタチウオの強力な引きにも耐えます。
また、サイズと重さにバリエーションがあり、釣り場の状況や潮流に応じて最適な選択が可能です。テンヤのサイズは4/0と6/0、重さは6.5gから20gまで多様に揃っています。
ヤマリア 猛光太刀魚テンヤ 波止 シングル
ヤマリア「猛光太刀魚テンヤ 波止 シングル」は、業界トップクラスの輝度を持つ夜光塗料を使用しており、長時間にわたって強力に発光します。
これにより、夜間や深場での視認性が向上し、タチウオに対して強いアピール力を発揮します。エサを固定しやすいWエサ止めを採用し、エサがずれにくく、しっかりとした固定が可能です。
また、大型タチウオでも確実にフッキングできるようにシングルフック仕様になっており、バラシのリスクを減少させます。
サイズはS(4号:約92mm、約15g)、M(5号:約103mm、約19g)、L(6号:約104mm、約22.5g)とバリエーションが豊富で、カラーは発光カラーのグローが用意されています。エサ巻きステンが付属しており、エサの保持力が向上します。
ジャッカル 陸式アンチョビハイブリッド
ジャッカルの「陸式アンチョビハイブリッド」は、陸からのタチウオ釣りに特化したハイブリッドテンヤです。
エサとワームの両方をセットできる設計で、イカナゴやドジョウなどを簡単に取り付けられ、エサの持ちが良く効率的な釣りが可能です。特許取得のスライドロックシステムにより、エサやルアーを簡単かつ正確にセットでき、釣行時にエサが外れにくい設計です。
また、テール部分には発光チューブをセットできるスリットがあり、暗い時間帯でも高いアピール力を発揮します。さらに、タチウオが好むグローカラーモデルがあり、低光量時でも高いアピール力を持つ塗装が施されています。
サイズは15g、20g、25gの3種類、カラーはパープルグローストライプやスーパーグローなどが用意されています。
エサの選び方
タチウオテンヤ引き釣りで使用されるエサの種類とその特徴について詳しく解説します主にキビナゴ・ドジョウ・イワシが使われサンマやイカ等はベテランの方が使用されているエサです。
エサの種類 | 特徴と使い方 | 使用に適した状況 |
---|---|---|
キビナゴ | 光沢があり視覚的なアピール力が高い。テンヤの針に数回巻きつけるか、複数の針で固定。 | 晴天の日中や、タチウオが表層近くにいる時に効果的。 |
ドジョウ | 耐久性が高くエサ持ちが良い。テンヤの針に刺して固定し、活き餌または冷凍餌として使用可能。 | タチウオが深場にいる場合に有効。引き釣り、ウキ釣り、テンヤ釣りに適しています。 |
イワシ | 集魚効果が高く、タチウオに非常に魅力的。テンヤの針に刺して安定させる。 | 夜間やタチウオが中層から深場にいる場合に効果的。 |
サンマの切り身 | 油分と匂いが強く、タチウオを引き寄せる力が強い。適当な大きさに切り、テンヤの針に固定。 | タチウオの活性が低い時や、深場での釣りに適しています。 |
イカの短冊 | 耐久性が高くエサ持ちが良い。短冊状に切ってテンヤの針に刺し、数回通して固定。 | タチウオの反応が悪い時に試してみる価値があります。 |
エサのローテーション タチウオテンヤ引き釣りでは、状況に応じてエサをローテーションすることが重要です。同じエサを使い続けるとタチウオが見慣れてしまうため、エサを変えることで新しい反応を引き出せることがあります。
例えば、キビナゴで反応が無ければドジョウに変える、イワシからサンマやイカ。の切り身に変えるなど、状況に応じてエサを変えて釣果を上げましょう。
これらのエサを状況に応じて使い分けることで、タチウオテンヤ引き釣りの成功率を高めることができます。エサの選び方と使い方を工夫して、釣果を最大化してください。
堤防タチウオ引き釣りにおすすめのテンヤと選び方やエサの種類のまとめ
タチウオテンヤ引き釣りは、シンプルな仕掛けと簡単なアクションで多くの釣り人に愛される釣法です。
特に関西地方では、長い歴史を持つ定番のタチウオ釣りとして親しまれています。この釣り方は初心者にも優しく、手軽に始められるのが魅力です。
テンヤの引き釣りでは、オモリとハリが一体化したテンヤを使用し、広範囲を効率的に探ることができます。
適切なテンヤの号数を選ぶことで、釣り場の状況やタチウオの活性に対応しやすくなります。軽量テンヤから重量テンヤまで、状況に応じて使い分けることが釣果を上げるポイントです。
エサ選びも重要で、キビナゴ、ドジョウ、イワシ、サバの切り身、イカの短冊など、さまざまなエサを使い分けることでタチウオの反応を引き出すことができます。
エサをローテーションすることで、タチウオが飽きてしまうのを防ぎ、効果的にアプローチできます。
カラー選びにおいても、グロータイプ、メタリックカラー、ナチュラルカラーを状況に応じて使い分けることが大切です。夜間や曇りの日にはグロータイプ、日中にはメタリックカラー、透明度の高い水域やタチウオの活性が低い時にはナチュラルカラーが効果的です。
これらのポイントを押さえ、テンヤの号数やエサ、カラーを適切に選びながら、タチウオテンヤ引き釣りを楽しんでください。初心者からベテランまで、釣りの楽しさと奥深さを感じられることでしょう。次回の釣行でぜひ試してみてください。