ティップランエギングは、アオリイカを狙うボート釣りの一つで、特に秋から冬にかけてその人気がピークを迎えます。
通常のエギングとは異なり、ボートを流しながら深場を攻めるため、専用のエギを使うことで釣果が大きく向上します。
これらのエギは、深い海での底取りがしやすく、さらにフォールスピードが速いため、アオリイカに対して効果的なアプローチが可能です。
ティップラン用エギは、通常のエギに比べてヘビーウェイトで、強風や潮の流れが速い状況でも安定して動き、イカを効率よく誘うことができます。
特に、水深が深くなるほどその違いが顕著に現れ、専用のエギを使うことで着底が分かりやすく、アクションも明確に伝わるため、より多くのアオリイカをヒットさせることができます。
この記事では、ティップラン用エギの特徴や選び方、さらには私が実際に使用しているおすすめのエギも紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
ティップランとは?
「ティップラン」とは、ボートからアオリイカを狙う釣りスタイルで、主に水深20メートルから50メートル前後の深場で行われます。
名前の由来は「ティップ(竿先)」の「ラン(動き)」から来ており、竿先の微細な動きでイカのアタリを捉えるのが特徴です。
ティップランエギングでは、ボートを潮や風に流しながら、海底付近をエギで探ります。
通常のエギングと比べ、深い海域を攻めるため、より重いエギを使用するのが特徴です。
これにより、強い潮の流れや深い場所でもエギが速やかに底に到達し、しっかりと底取りができるようになります。
ティップランエギングでは30gから50gのヘビーウェイトのエギが使われ、深場でのアプローチが容易になります。
この釣りの醍醐味は、繊細な竿先の動きにあります。ティップラン専用のロッドは非常に感度が高く、イカがエギに触れたわずかなアタリを竿先で感じ取ることができます。
このため、常に竿先の変化に注意を払いながら、イカがエギに反応した瞬間を逃さないことが重要です。
さらに、ティップランでは「しゃくり」と呼ばれるエギを小刻みに動かすアクションが効果的で、これによりイカにアピールします。
イカがエギに反応し、わずかにティップが動いた時、すかさず合わせを入れることで確実に釣り上げることができます。
このように、繊細な操作と深場での釣りを組み合わせたティップランは、通常のエギングとは一線を画す釣り方です。
ティップラン用エギと通常のエギとの違い
ティップラン用エギと通常のエギには、いくつかの重要な違いがあります。
それらは主に、ティップランエギングが深場での釣りであり、エギが速やかに沈んで安定したアクションを行う必要があることに基づいています。
1. 重さ
ティップラン用エギは、号数が同じでも重さが大きく異なります。
通常のエギは、例えば3.5号で約13gほどの重さですが、ティップラン用のエギは同じ3.5号でも30g~50gといったヘビーウェイトに設計されています。
これは、深い海域でエギを速やかに沈め、確実に底取りをするためです。
潮の流れが速い状況でもエギが流されにくく、狙った水深に正確に到達することができます。
2. 沈下スピード
ティップランエギは、深場での釣りに特化しているため、沈下スピードが速いことが重要です。
通常のエギでは浅場をゆっくりフォールさせることが多いですが、ティップラン用エギではすばやく海底まで到達させる必要があるため、重さだけでなく、シンカーの形状や配置も工夫されています。
これにより、潮の流れに左右されずに確実にアプローチできます。
3. フォール姿勢と安定性
ティップラン用エギは、フォール時の姿勢が非常に安定しています。
通常のエギはフォール中に少し揺れ動くことでアオリイカにアピールすることが多いですが、ティップランエギは深場でまっすぐに素早く沈むことが求められます。
これにより、エギが効率よく底に到達し、安定したアクションが可能になります。
4. シンカーの配置
ティップラン用エギには、内蔵されたシンカーや追加のシンカーを装着できるモデルが多く、これによりエギが深い場所でも安定して沈むことができます。
シンカーの重さや配置は、深場や強い潮流でも操作しやすいように設計されており、エギの動きをコントロールしやすくなっています。
5. 操作性とアクション
ティップランエギは、深場での操作性を重視して設計されています。
特に、しゃくりを入れた時にシャープなダートアクションが可能で、イカに対して強くアピールすることができます。
これに対して、通常のエギは浅場でゆったりとしたアクションが求められるため、異なる操作性が要求されます。
これらの点から、ティップランエギは深場や潮流の強い場所で釣果を上げるための特化した設計が施されており、通常のエギとは大きく異なる性能を持っています。
この違いを理解することで、釣り場の状況に合わせて最適なエギを選ぶことが可能です。
ティップランエギの選び方
ティップランエギングでの釣果を最大限に引き出すためには、エギの選び方が非常に重要です。
特に、重さ、号数、そしてカラーの3つは、釣りの状況に応じて最適なエギを選ぶ際の大きなポイントとなります。
水深や潮の流れ、天候や水の透明度など、さまざまな条件に対応できるエギを選ぶことで、効率的にアオリイカを狙うことができるのです。次に、それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
ティップランエギの号数の選び方
ティップランエギングで使用されるエギの号数は、主に3号と3.5号が中心です。
これらの号数は、シーズンの進行やアオリイカの成長に応じて使い分けることが重要です。
3号エギ
3号のエギは、主にシーズン初期(9月~10月)に活躍します。
この時期、アオリイカはまだ小型であるため、サイズの小さいエギが抱きつきやすく、数釣りに効果的です。また、フォールスピードが比較的遅いため、繊細なアプローチが可能で、活性が低いイカにも効果的です。
3.5号エギ
一方で、3.5号のエギはシーズン後半、11月以降に使われます。
イカが成長し大きくなるため、大きめのエギの方がアピール力が強く、効果的です。
水中での存在感が増すため、イカの捕食対象となるベイトフィッシュに合わせたアプローチが可能です。
2.5号エギの利用
2.5号のエギもシーズン初期の特定条件下で使用されることがあります。
主に、9月から10月のまだ小型のイカや浅場での釣りに適しており、小さなエギの方が効果的な状況もあります。
ただし、使用頻度は限定的で、3号や3.5号が主流です。深場や潮流が強い場所では、2.5号だと底取りが難しくなるため、通常は選択肢としてあまり使用されません。 しかし、シンカーを追加することで、2.5号エギも深場で使用可能になります。
シンカーを装着することでエギが重くなり、潮流が強いエリアでも底取りがしやすくなります。
この方法で、2.5号のエギでも深場や流れのある状況に対応できる柔軟性が生まれます。
まとめ
3号エギはシーズン初期の小型イカや数釣りに最適。 3.5号エギはシーズン後半の成長したイカに効果的。 2.5号エギはシーズン初期に限定的に使われるが、シンカーを追加することで深場でも対応可能。
このように、エギの号数や重さを状況に応じて使い分けることで、ティップランエギングの釣果を効率よく伸ばすことができます
ティップランエギの重さの選び方
ティップランエギングにおいて、エギの重さの選び方は、釣果に直結する非常に重要なポイントです。
特に、水深や潮の流れに応じてエギの重さを適切に選ぶことで、効率よく底取りができ、アオリイカにアプローチすることが可能になります。
水深 | エギの重さ | 解説 |
---|---|---|
浅場(10m前後) | 25g~30g | ・浅い場所では軽めのエギを使う ・然なフォールアクションが可能 |
中深場(20~30m) | 30g~40g | ・速やかに沈むことが重要 ・自然なアクションも求められるためバランスが良い |
深場(30m以上) | 40g~50g以上 | ・深場や強い潮流のある場所で重いエギを使用 ・底取りが確実にでき、しっかりとアクションさせることが可能 |
潮流や風の強さに応じたエギの重さ選びも、ティップランエギングで重要なポイントです。
潮が強い場合、軽いエギでは流されてしまい、底取りが難しくなります。
そのため、40g~50gの重めのエギを選び、潮流に負けずにしっかりと操作できるようにすることが大切です。
逆に、潮が緩やかな場所では、25g~30gの軽めのエギで十分に操作可能です。
また、風が強い日や波が高い日には、エギが安定しづらいため、やや重めのエギを使って安定感を高めることが効果的です。
ティップランエギのおすすめ
1.ヤマシタ エギ王 TR
ヤマシタのエギ王 TRは、ティップランエギングのために開発された、プロフェッショナル仕様のエギです。
その特徴的なタングステンシンカーによる安定したフォールは、深場や強い潮流でもしっかりと底取りが可能で、狙った水深に確実に到達します。
また、シャクリを入れるたびにシャープで力強いダートアクションを繰り出し、イカを引きつける力は抜群。
さらに、豊富なカラーバリエーションで、どんな天候や水中の透明度にも対応。
フッキング率の高さも他のエギを圧倒するほどです。
初心者からベテランまで、次の釣行でより多くのアオリイカを手にするなら、エギ王 TRが最適な選択です。
2.デュエル イージーQ フィンプラス TR
デュエルのイージーQ フィンプラス TRは、ティップランエギング専用に開発されたエギで、抜群の安定感と高いアピール力を誇ります。
特徴的なパタパタフィンが自然な波動を生み出し、イカの捕食本能を強力に刺激。さらに、安定フィンでまっすぐにフォールし、イカが抱きつきやすい状態を作ります。
夜間や濁った水中でも視認性を確保するダブルグローボディや、豊富なカラーバリエーションも魅力。
初心者でも簡単に使いこなせる設計で、釣果を最大化するための信頼できるエギです。
3.大阪漁具 烏賊墨TR
大阪漁具の烏賊墨TRは、ティップランエギングに特化したコストパフォーマンス抜群のエギです。
シャープなヘッドデザインと流線型ボディにより、キレのあるダートアクションを実現し、イカをしっかりと誘い出します。強風や深場でも安定した動きを保ち、初心者からベテランまで扱いやすい設計。
さらに、シンカーを追加できるアイが付いているため、状況に応じて重さを調整できる柔軟性も魅力。
豊富なカラーバリエーションも揃えており、どんな状況でも信頼できるアイテムです。
4.ダイワ エメラルダス ボート II
ダイワのエメラルダス ボート IIは、ボートエギング専用に設計された高性能エギで、特に深場や潮流が強いエリアでその真価を発揮します。
特徴的な浮力バランスとシャープなダートアクションにより、イカに対して自然なアピールをしながらもしっかりと狙いを定めることができます。
さらに、刺さりやすさに定評のある日本製カンナを採用し、確実なフッキングを実現。
豊富なカラーバリエーションであらゆる天候や水中の状況に対応可能。初心者から上級者まで使いやすく、次の釣行で釣果を最大限に引き出すための一品です。
これを使えば、より多くのイカを手にする瞬間がぐっと近づくでしょう!
5.シマノ セフィア アントラージュ
シマノのセフィア アントラージュは、ティップランエギングで確実な釣果を求めるアングラーに最適なエギです。
特許技術のフラッシュブーストを搭載し、水中で光を反射し続けることで、イカへの強力なアピールを実現。
フォール中も安定した姿勢を保つため、イカが抱きつきやすく、確実なフッキングが可能です。
また、軽い操作感で初心者でも扱いやすく、豊富なカラーバリエーションが天候や水中の状況に応じた最適な選択をサポート。
セフィア アントラージュを使えば、今まで以上に釣りの楽しさと結果を両立できること間違いないでしょう!
6.クレイジーオーシャン ティップランナー
クレイジーオーシャン ティップランナーは、ティップランエギングに特化した高性能エギです。
独自のシャープなヘッド形状とキールシンカー構造により、軽いシャクリでも素早くシャープなダートアクションを生み出し、潮流が強いエリアでも安定した動きを実現。
さらに、ブルーグローベリーボディで高い視認性を確保し、夜間や濁った水中でもイカを引き寄せます。
鋭いカルティバ製ストレートカンナで、わずかな力でも確実にフッキング。
初心者からベテランまで、あらゆるシーンで安定した釣果を期待できるエギです。
7.バレーヒル スクイッドシーカー
バレーヒル スクイッドシーカーは、ティップランエギング専用に設計された高性能エギです。
特に、40gのヘビーモデルは、強い潮流や深場でもしっかりと底を取り、安定したフォール姿勢を保ちます。
ABS樹脂ボディにより、光の透過性が高く、濁りのある水中でも高い視認性を発揮。
さらに、ブリットシンカーで重さを調整でき、どんな状況でも最適なパフォーマンスを発揮します。
多彩なカラーバリエーションにより、あらゆる釣り場で結果を出せる信頼の一品です。
ティップランエギングロッド選びも重要!
ティップランエギングをより快適に、そして効果的に楽しむためには、ロッド選びが非常に重要です。
特に、繊細なアタリを感じ取れる感度の高いロッドや、強い潮流にも対応できるパワーのあるロッドなど、自分の釣りスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
もし、ティップランロッドの選び方に悩んでいる方は、以下の記事が参考になります。
基本的なポイントから各種モデルの特長まで幅広く解説されていますので、初めての方から上級者まで役立つ情報が満載です。
ティップランのアクション
ティップランエギングでは、エギを「しゃくる」アクションが基本です。
重すぎるエギは操作が難しくなるため、しゃくりやすい重さを選ぶことも重要です。
特に、深場での釣りでは、重すぎるエギが操作性を損なう場合があるので、自分のタックルや技量に合った重さを選ぶことが求められます。
ティップランエギ下地カラーの選び方
ティップランエギングにおいて、下地カラーの選び方は非常に重要です。
イカは色を識別する能力が低いとされているため、明暗や光の反射によってエギの見え方が大きく変わります。
したがって、エギの下地カラーは、状況に応じた使い分けが釣果に大きく影響します。
カラー | シチュエーション | 特徴 |
---|---|---|
シルバー下地 | 晴天や澄んだ水 | ・光を強く反射し、リアルな動きを演出。 ・クリアウォーターやスレたイカに有効。 |
ゴールド下地 | 朝まずめ、夕まずめ、常夜灯下 | ・光を反射し強力にアピール ・オレンジやピンクのボディカラーと組み合わせると効果的。 |
ケイムラ下地 | 曇りの日、朝夕の薄明かり | ・紫外線を反射し、視認性が高まる |
赤・オレンジ下地 | 濁った水、深場、闇夜 | ・視認性が高く強力にアピール ・濁りが強い場所で推奨。 |
ホロ下地 | 濁った水、深場 | ・さまざまな角度から光を反射し ・広範囲で効果的な誘いが可能。 |
下地カラーの選び方によって、ティップランエギングでのアピール力を大幅に高めることができます。
例えば、晴天やクリアウォーターでは、シルバー下地が光を反射し、リアルなベイトフィッシュのようなアピールを演出します。
朝まずめや夕まずめでは、ゴールド下地が視認性を高め、イカに対して強力なアピールを行います。
また、曇天や薄暗い状況では、ケイムラ下地が紫外線を反射することで、イカに対して視覚的に強いインパクトを与えます。
さらに、濁りの強い水中や深場では、赤やオレンジ、ホロ下地を使用することで、強いアピール力を発揮し、遠くからでもイカにエギを発見させやすくなります。
このように、シチュエーションに応じて下地カラーを適切に選ぶことが、ティップランエギングでの効率的な釣果を引き出すポイントとなります。
ティップランエギメインカラーの選び方
ティップランエギングにおいて、メインカラー(上布の色)の選び方もアオリイカにアピールを行うために重要なポイントです。メインカラーは、水中の環境や時間帯、天候などに応じて変えることで、イカに対して効果的にアピールできます。
カラー | シチュエーション | 特徴 |
---|---|---|
青、茶、緑、シルバー | 晴天時 | ナチュラルカラーがベイトフィッシュに似て警戒されにくい。 |
ピンク、オレンジ、赤 | 曇天・雨天時 | 視認性の高いアピール系カラーで、イカに発見されやすい。 |
ゴールド、ケイムラ、オレンジ | 朝まずめ・夕まずめ | ゴールド系で反射力を高め、ケイムラは紫外線を反射して強いアピール力を発揮。 |
グロー(夜光)、赤 | 夜間や深場 | グローカラーは自発光し、暗い水中でも視認性が高い。 |
オレンジ、赤、グロー(夜光) | 濁りがある水中 | 濁りの中でも視認性が高く、強いアピールが可能。 |
晴天時には、ナチュラルカラーがイカに対して自然なアピールを行い、警戒されにくい効果があります。
曇天や雨天時には、視認性の高いピンクやオレンジなどのアピール系カラーがイカに見つけられやすく、効果的です。
朝まずめや夕まずめでは、ゴールドやケイムラカラーが光の反射や紫外線を活かし、イカに強いアピールをします。
夜間や深場では、自発光するグローカラーがイカにしっかりアピールし、濁りのある水中では、オレンジや赤の強いアピールカラーが視認性を高めます。
このように、釣り場のシチュエーションに合わせて、さまざまなカラーを用意しておくことで、状況に応じた最適なエギを選ぶことができ、ティップランエギングでの釣果をさらに向上させることができます。
ティップランエギのおすすめと号数やカラーの選び方のまとめ
ティップランエギングでは、エギの選び方が釣果を大きく左右します。特に、重さ、号数、カラーの3つの要素が重要なポイントです。
エギの重さは、水深や潮流に合わせて適切なものを選ぶ必要があり、深場では30g以上のヘビーウェイトエギが効果的です。
号数については、3号と3.5号が主流で、シーズン初期には小型の3号、シーズン後半には3.5号のエギを使い分けます。また、2.5号のエギも状況によってはシンカーを追加することで使用できます。
カラー選びでは、下地カラーとメインカラーの組み合わせが鍵となります。晴天やクリアウォーターでは、シルバー下地×ナチュラルカラーが効果的で、曇天や雨天時には視認性の高いピンクやオレンジ、ゴールド下地が活躍します。
さらに、夜間や深場、濁りのある水中では、赤やグロー(夜光)カラーが強いアピール力を発揮します。
これらの要素を状況に応じて適切に選び分けることで、ティップランエギングでより多くのアオリイカを狙えるようになるでしょう。是非次回の釣行で試してみてください!