最近は「タイラバにはタングステンがいい」と言われることが多くなりました。
実際、船に乗るとタングステンを使っている人のほうが釣れている、そんな光景は珍しくありません。
けれど、どうしてそうなるのか。
高価なタングステンヘッドを選ぶ“理由”まで説明されることは少なく、なんとなく流れで使っているという人も意外と多いはずです。
この記事では、タングステン製タイラバのメリット・デメリットを一つずつ分解しながら、どんな場面で力を発揮するのかを掘り下げていきます。
その上で、実際の釣行で使いやすかったおすすめモデルも紹介しますので、「次はちょっといいヘッドを試してみたい」と思っている方はぜひ参考にしてください。
タングステンってどんな素材? 鉛との違いを比較
タイラバのヘッド素材として、近年ますます注目されているのが「タングステン」です。
かつて主流だった鉛に比べて価格は高いものの、釣果や操作性において明確な違いがあることから、船上でも採用する人が増えています。
まず、両者の大きな違いは「比重」にあります。
タングステンの比重は約19.3、鉛は11.4と、タングステンのほうが圧倒的に重く、そのぶんヘッドのサイズを小さくできるという特徴があります。
ヘッドがコンパクトになると、水の抵抗が減り、沈下スピードが上がります。
特に潮が速いエリアや、水深があるポイントでは、このフォールスピードの差が釣果に直結します。
また、タングステンは硬度が高く、巻き上げ時の感度にも優れており、底取りがしやすくなると感じる人も多いようです。
一方、鉛には鉛の良さもあります。
たとえば、広い波動を出したいときや、水押しでアピールしたい状況では、あえて鉛を使うこともあります。
また価格面でも優れているため、根掛かりのリスクが高いエリアや、ロストの可能性が高い場面では鉛の方が選びやすいといえるでしょう。
タングステンは確かに高価ですが、そのメリットが最大限に活きる場面も多く存在します。
だからこそ、釣行するエリアや状況に合わせて、鉛とタングステンを使い分ける意識が重要になってくるのです。
潮が速い?水深がある?そんな時こそタングステン
タイラバをしていると、「鉛だと着底の感覚がわからない」と感じたことはないでしょうか。
とくに潮が速く、風向きともチグハグな状況では、鉛ヘッドでは潮に流されてしまい、底取りが難しくなることがあります。
わたし自身、同じ60gの鉛とタングステンを交互に試したときに、その差をはっきり感じたことがあります。
鉛では着底の感覚がふわっとしてわかりにくいのに対し、タングステンは「コツン」と明確に底を叩く感触が手に伝わってきました。
これは比重の違いによるもので、タングステンは鉛よりも密度が高く、ヘッドのサイズが小さくなるため、水の抵抗を受けにくいのが特徴です。
結果として、潮流の影響を最小限に抑え、まっすぐ落ちてくれる。そのぶん着底も早く、次のアクションにすぐ移れるので、釣りのテンポも格段に良くなります。
とくに有利になるのは以下のような状況です。
- 水深70m以上のディープエリア
- 潮が速くてラインが大きく出ていく時
- ドテラ流しで広範囲を探りたい場面
- 着底感覚が大事な「タッチ&ゴー」が重要なタイミング
釣りをしていて「今、自分はちゃんと釣れてる層を引けてるか?」という不安がよぎったら、それはタングステンに切り替える合図かもしれません。仕掛けの安定こそ、ヒット率を高める第一歩です。
タングステン製タイラバが選ばれる理由とは?
タイラバの世界で、ここ数年ますます存在感を増しているのが「タングステンヘッド」です。
確かに価格は高めですが、それでも実際に使う人が増えているのには、理由があります。
鉛とは見た目こそ似ていても、使い心地や釣果に与える影響はまったくの別物。
このパートでは、実際に釣り場で感じた“タングステンの強さ”を、項目ごとに整理してお伝えしていきます。
着底が速く、分かりやすい──速潮やドテラ流しでも「底が取れる」
タイラバをしていて一番ストレスになるのが「底が取れない」状況です。
特に潮が速くなる時間帯や、ドテラ流しで斜めに引っ張られるような場面では、鉛のヘッドでは沈下が間に合わず、着底の瞬間がぼやけてしまうことがあります。
わたし自身、釣りを始めたばかりのころは60gの鉛ヘッドを使っていました。
それでも浅場では問題ありませんでしたが、潮が効き始めた瞬間、まったく底が分からなくなってしまって、「今どこに仕掛けがあるのか」が不安になるんです。
それがタングステンに替えてからは変わりました。
同じ重さでもコンパクトなぶん、水の抵抗を受けにくく、ストンと速く沈んでくれる。
着底の感触がはっきりしていて、リズムよく釣りを続けられるようになったんです。
「ポイントに早く到達できる」という点も意外と大きな利点です。
船全体が横流しになるような場面では、落とし始めから着底までの時間がほんの数秒でも早いと、潮に流される距離が短くて済む。
結果的に狙いたいピンスポットをしっかり攻められるようになるんですよね。
シルエットが小さいから“食わせやすい”タングステンは喰わせの武器になる
タングステンの一番の特徴は「比重の高さ」にあります。
同じ重さでも鉛に比べて体積が小さく、その結果、タイラバ全体のシルエットも自然とコンパクトにまとまります。
ここで思い出してほしいのは、魚が「何を食べているか」です。
ベイトが小型のシラスや小エビだったり、低活性で見慣れたルアーに反応しにくい時期には、アピールの強い大きなシルエットよりも、小さくて控えめなものの方がバイトを誘えることが多いんですよね。
実際、わたし自身も「活性が低いな」と感じたときや、朝の一発目で口を使わせたい時には、タングステンの小さなシルエットで“喰わせ”に寄せる選択をよくします。
とくに瀬戸内のように、ハイプレッシャーな海域では「違和感の少なさ」が釣果に直結することもあるので、“その日最初の1本”を取るには、タングステンの存在感の薄さが武器になることもあります。
巻き抵抗が軽く、疲れにくい 1日中“巻き続ける”タイラバだからこそタングステン
タイラバは、ひたすら「落として・巻く」を繰り返す釣り。
その動作自体はシンプルながら、朝から夕方まで1日中続けていると、じわじわと腕や手首に疲労がたまってきます。
とくに、潮の速い日や水深のあるポイントでは、鉛製のヘッドを使うと「巻きが重い」と感じる場面が増えてきます。
これが意外と釣果にも影響してくるんです。
タングステンヘッドは、鉛に比べて体積が小さいぶん水の抵抗を受けにくく、リールの巻き感が驚くほど軽くなります。
たとえば、潮が動いていてラインが斜めに入る状況。
鉛のヘッドでは巻き上げに力が必要になってきますが、タングステンだとスッと巻き続けられる。
この「軽い」という感覚が、集中力の持続やローテーションの回数、釣りそのもののテンポに大きく関わってきます。
また、集中力が切れやすくなる午後や、ラスト1流しで「もう1回落とすか」と思える余力があるかどうか──
この違いが、釣果に差として表れる場面も実際に何度も見てきました。
シビアなタイミングで「あと1投」ができるか。
タングステンの“巻きの軽さ”は、そうした微差を生む要因にもなっているんです。
手返しが良くなる──限られた時間で“打ち返せる回数”が違う
タイラバにおいて、いかに多くのチャンスを作るかは釣果を左右する大きなポイントです。
たとえば「1回の投入で3セット巻ける人」と「5セット巻ける人」では、1日トータルの打ち返し回数に差が出ます。
この“差”を生むのが、タングステンヘッドのフォールスピードです。
同じ重さでも、タングステンのほうが水の抵抗を受けにくいため、着底までの時間が明らかに短くなる。
そのぶん、ひと流しの中で巻いて誘える回数が増え、「魚と出会える確率」が高くなります。
特に、潮の効いている時間帯や、魚探に反応が出た瞬間など、短時間で勝負が決まる場面では、この“早さ”が釣果に直結するんですよね。
また、釣れた後の再投入もスピーディーにこなせるため、群れが入ってきたタイミングでも、より多くのバイトを拾える可能性が高くなります。
効率よく回すこと。それは単純な数の勝負だけでなく、釣りのテンポを保ち、集中力を維持する上でも大きなメリットです。
ここまで、タングステン製ヘッドの「強み」を整理してきました。
一見するとメリットだらけに思えますが、もちろん使いどころを間違えれば無駄になる場面もあるのが現実です。
では、なぜ「誰もが常に使っている」という状況になっていないのか?
次の章では、タングステン製ヘッドの弱点や使いづらさについて、実際の経験をもとに紹介していきます。
タングステンにも“弱点”はある!万能じゃないからこそ、使いどころを見極める
ここまで見てきたように、タングステン製のタイラバヘッドはたくさんの強みを持っています。
でも、どんな道具にも“合う場面”と“合わない場面”があるように、タングステンもまた使いどころを選ぶ存在です。
便利だからといって、どこでも使えばいいというものではない。
その理由を、実際に釣り場で感じた“タングステンの弱点”という視点から見ていきましょう。
1.価格が高い──ロストの精神的ダメージが大きい
タングステン製のタイラバヘッドは、一般的に鉛製に比べて3倍以上の価格帯で販売されています。
中には1個3,000円を超えるモデルも珍しくなく、消耗品とは思えない価格に尻込みしてしまう人も少なくありません。
実際、釣行時に岩礁帯や根が荒いポイントに入ることも多いタイラバでは、ヘッドのロストは決して珍しくない出来事です。
そのたびに数千円が水中に消えていくと思うと、集中力どころかモチベーションすら保てなくなる人もいるでしょう。
また、慣れていないうちは根掛かりの回避も難しく、初心者ほど「最初からタングステンで挑戦するのは怖い」と感じるはずです。
そうした心理的ハードルも、タングステンの導入を迷う要因になっています。
とはいえ、価格以外の部分では圧倒的にメリットがあるのも事実。
そのため、最初は鉛で釣りに慣れ、ポイントや潮の様子が掴めてきたタイミングでタングステンを導入するという使い分けが現実的です。
2.アピール力が控えめ──存在感で負ける場面もある
タングステンの利点である「シルエットの小ささ」は、逆に言えば「アピール力の弱さ」につながることもあります。
特に、マダイがイワシなどの大きなベイトを追いかけている状況では、ルアーにもそれなりの存在感が求められます。
こうした場面では、水押しの強い鉛ヘッドの方が波動を出しやすく、魚に気づかせる力が強い場合もあるのです。
また、水深が浅く透明度が高いエリアなどでは、シルエットが小さすぎることで魚に気づかれにくくなることも。
このように「食わせる力」だけでなく「寄せる力」においては、鉛に軍配が上がるケースもあるという点は覚えておきたいところです。
3.状況次第ではオーバースペック──鉛でも十分釣れることがある
タングステンが威力を発揮するのは、あくまで“必要な場面”においてです。
たとえば、水深が30m未満のシャローエリアや、潮が緩く風も穏やかな日。
こうした状況では、鉛ヘッドでも十分に底取りができ、巻き抵抗もさほど気にならないことが多いです。
実際、遊漁船でも「今日は鉛で問題ないよ」という日があるほどで、無理にタングステンを使うとコストばかりかかって釣果が伸びないこともあります。
そのため、「どんな時もタングステン」というわけではなく、
あくまで状況に応じた使い分け──これが最も現実的で賢い選択と言えるでしょう。
鉛とタングステン、どう使い分ける?
「タングステンが良いとは聞くけど、全部を買い揃えるのは難しい」。
そんな人にこそ知っておいてほしいのが、“場面による使い分け”という考え方です。
釣り場の水深や潮の速さ、狙うターゲットの状況によって、鉛とタングステンは使いどころが違います。
ここでは、目安となるポイントを具体的に紹介していきましょう。
1.水深の目安は「60m」
おおよそ水深60mを超える場所では、タングステンの出番です。
60gの鉛ヘッドでも釣りはできますが、沈下スピードや着底の感触、潮に流される距離を考えると、タングステンに切り替えることで明らかにストレスが減ります。
特に80m以上のディープゾーンや、ドテラ流しなどでラインが斜めに入る場面では、底が取れない=釣りにならないこともあるため、タングステンの恩恵が大きくなります。
2.潮が速いエリア・時間帯にはタングステン
水深が浅くても、潮が速い場所や時間帯ではタングステンが有利です。
たとえば瀬戸内や外洋のポイントで、2枚潮や速い流れが出ると、鉛ヘッドでは仕掛けが浮き上がり、そもそも魚のいる層まで到達しないこともあります。
潮が効いている=魚が動くタイミングでもあるため、そのタイミングを逃さず攻め切るには、タングステンの速さと確実さが役立ちます。
3.プレッシャーの高い場所・渋い時期には「小さいシルエット」で
ハイプレッシャーなポイントや食い渋りの状況では、コンパクトなシルエットのタングステンが効果的です。
反応が薄いタイミングほど、「違和感の少なさ」「ナチュラルなアピール」が求められるため、大きく波動を出す鉛よりも、控えめなタングステンの方が喰わせやすい場面も少なくありません。
一方で、こんな場面は鉛でもOK
- 水深40m以下の浅場
- 潮が緩く、釣りやすいタイミング
- 根が荒くてロストの可能性が高い場所
- 大きなベイトを追っている高活性の魚を狙うとき
こういった状況では、あえて鉛を使う理由が生まれます。
波動の強さや存在感が必要なときには、むしろ鉛の方が強いこともあります。
このように、「どっちが正解」ではなく、状況に応じた使い分けこそが釣果を分けるカギになります。
タングステンは万能ではありません。
けれど、「ここぞ」という場面でこそ真価を発揮する選択肢として、持っておく価値は間違いなくあると実感しています。
実際に使ってるからこそ言える──タングステン製タイラバ、おすすめはこれ。
タングステンのメリットについては、これまでじっくり話してきました。
けれど、いざ「どれを選べばいい?」となると、悩む人も多いはずです。
高価な買い物ですし、失敗したくない気持ちは痛いほど分かります。
だからこそ、わたし自身がこれまで実際に釣り場で使ってきたなかで「これは使いやすい」「釣れる」「信頼して使い続けている」と思える製品だけをピックアップしました。
実釣経験をもとに、使い心地や場面ごとの向き・不向きも含めて紹介していきますので、ぜひ購入の参考にしてください。
1.ダイワ 紅牙 ベイラバーフリーTG α
わたしがタングステン製ヘッドの中で一番信頼しているのが、ダイワ「紅牙 ベイラバーフリーTG α」です。
これまでいろんなヘッドを試してきましたが、最終的に戻ってくるのはいつもこのモデル。とくにドテラ流しで潮が速く、なおかつ水深が80mを超えるようなポイントでは、これがないと不安になるくらいです。
まず、フォールがとにかく速くて、ラインの角度がついても底が取りやすい。
着底の瞬間が明確にわかるので、あたりのレンジを把握しやすいし、リズムよく釣りができるんですよね。
そしてもうひとつ気に入っているのが「完全遊動タイプ」という点。
潮のヨレに入った時や船が風に煽られて流される時でも、ネクタイとフックが自然に漂ってくれる。
結果、真鯛の吸い込みにも違和感が出にくいのか、バイトからのフッキング率も高いと感じています。
実際、去年の秋、潮が速くて他の人が鉛で苦戦しているなか、自分だけポンポンと3枚連発できた日があって、その時使っていたのがこの紅牙のTG。
あの日から、このヘッドは“勝負どころの一本”として常にボックスに入れています。
価格はそれなりにしますが、「ここで1枚取りたい」という状況では間違いなく頼れる相棒です。
とくに初めてタングステンを導入しようと考えている方に、まず最初の一本としておすすめできるモデルだと思います。
2.ジャッカル TGビンビン玉スライドヘッド ネオ
深場や潮流のあるポイントを攻める際、安心して使えるタングステンヘッドの一つ。
特に使いやすさと実績のバランスが良く、釣行時には必ず持っていくアイテムのひとつになっています。
特徴としてまず挙げられるのが、フォールの安定感と着底の明確さ。
同じ重さの鉛ヘッドでは流されてしまうような場面でも、TGビンビン玉は狙った場所までしっかり落とし込めます。
着底も「コン」と手元に伝わる感触があるため、巻き上げのタイミングも取りやすく、テンポよく釣りを続けることができます。
また、白いPTFEチューブが最初から組み込まれており、リーダーの擦れによるダメージを抑えられるのも地味にありがたいポイント。
繰り返しラインを通してもヘタりにくく、長く使える仕様です。
カラーや重さの展開が豊富で、サイズ違いで複数揃えておけば様々な状況に対応できます。
特に80g〜120gは汎用性が高く、瀬戸内など潮の変化が激しいエリアでも信頼して使えるヘッドだと感じています。
3.ハヤブサ フリースライド TGヘッドプラス
ヘッドの安定感とラインへの配慮、どちらも両立させたい人にとって、このヘッドは非常にバランスが取れた一品です。
特徴としてまず挙げたいのが、ヘッド形状の安定性です。
水を切る設計になっているため、斜め引きや潮が速い状況でも変なブレが少なく、意図したレンジをしっかり引ける印象があります。タングステン素材なので沈下も速く、着底もつかみやすい。
わたし自身、潮が二枚潮になった日や、ドテラ流しで「他の人は底がわからず苦戦している」場面でも、このヘッドならしっかり釣りが成立した経験があります。
「狙いたい層をきちんと通せること」が、このヘッドの強みです。
もう一つの特長が、ライン保護チューブが標準で付属していること。
遊動タイプでありがちなリーダーへの負担を軽減してくれるので、安心して使い続けられます。長時間の釣行でも、リーダーの劣化が気になりにくいのはありがたいポイント。
カラー展開も豊富で、赤金・オレンジ系・グロー系と状況に応じたローテーションが組みやすく、1日通してメインで使える性能を持っています。
「釣れる・扱いやすい・安心して使える」──その3つを満たしてくれる、わたしにとって信頼できるベーシックな一個です。
4.シマノ 炎月 バクバクTG
どんな状況でも迷わず選べる、そんな安心感があるタイラバヘッドです。
バクバクTGは、ヘッド形状に微妙な角がついていて、フォール姿勢と巻き上げのバランスがとてもいい。真下に素直に落ちて、巻いたときも抵抗感が強すぎず、弱すぎず、しっかり“釣りをしている感覚”があるのが気に入っています。
使いどころとしては、潮がやや効いているくらいのコンディションで「朝の1本がほしい」と思った時。カラーもベーシックな赤金やゼブラオレが揃っていて、あまり迷わず選べるところも現場では助かります。
わたしの場合、タイラバの釣行で「とりあえずこのヘッドから始めてみるか」という気持ちになることが多く、実際に結果も出してきた信頼感があります。
オールラウンドに使えて、セットアップの完成度も高い。派手さはないけれど、実釣で安心して使える“地力のあるヘッド”だと感じています。
5.BOZLES TGドロップK
シンプルで信頼できるラウンド型のタングステンヘッド。
奇をてらわないその形状は、どんな状況でも安定した沈下と巻き感をもたらしてくれます。
初めて使ったのは、いつも通っている瀬戸内の中でも、潮が複雑に動くエリア。
あえて余計な要素を排したこのヘッドを選んだのは、魚の反応をネクタイとスカートの調整で探っていくような釣りに集中したかったからでした。
実際、沈下スピードは申し分なく、潮に素直に馴染む印象。
巻きの感覚も軽く、タングステンらしい“静かで滑らかな操作感”が手元にしっかり伝わります。
どんなスタイルにも合わせやすく、カラーやセッティング次第で幅広い状況に対応可能。
クセがないからこそ、ベースとして持っておきたいタイプのタイラバヘッドだと感じています。
とくに、「迷ったときにまず使う一個」として、ドロップKはずっとケースに入れ続けている存在です。
タングステンは“必要なときに効く”選択肢!
タイラバにおいて、タングステンはたしかに価格が高く、誰もが気軽に揃えられるものではありません。
けれど実際の釣り場では、「釣れている人」がタングステンを使っている光景を何度も見てきました。
その理由はシンプルで、
- 着底が速く、潮に強い
- シルエットを小さく抑えれる
- 巻きも軽くて疲れにくい
釣果を伸ばす要素が、いくつも詰まっているからです。
もちろん、すべての状況でタングステンが絶対に必要なわけではありません。
浅場や潮が緩い日であれば、鉛でも十分に釣れるケースは多くあります。
それでも、鉛で釣れないとき、「どうしても1匹を絞り出したい」と思ったら、タングステンは確かな助けになってくれる。
そんな場面のために、ひとつはタックルボックスに入れておきたいアイテムです。