ティップランエギングは、船から真下にエギを落とし、繊細なアタリをとって釣る“縦の釣り”。
特に春のディープエリアで大型の親イカを狙う場面では、他の釣り方では届かないレンジやタイミングで活躍してくれます。
そんなティップランに使う専用エギは、同じ3.5号でも「30g以上」というヘビーウェイトが一般的。
沈下速度も1.5~2秒/1mと非常に速く、ノーマルやシャローとはまったく違う設計になっています。
- 「ティップランって普通のエギと何が違うの?」
- 「陸っぱりの釣りとはどう使い分ければいい?」
この記事では、ティップラン専用エギの特徴と使う場面、そして選び方のポイントまでを解説していきます。
春の深場をしっかり攻めたい方は、ぜひこの記事をエギ選びの参考にしてみてください。
ティップラン用エギ(沈下約1.5〜2秒/1m)が“効く”とされる理由
ティップラン用のエギは、「沈下速度が速い」だけではありません。
その特性は、同じく速く沈むディープタイプ(約2.5秒/1m)と比べても、明確に違いがあります。
ポイントは、「釣り方」と「用途」の違いです。
ディープタイプは岸釣り(陸っぱり)での使用が前提。
斜めにキャストしてフォールさせながら、潮流やラインの張りを利用して“横の釣り”で探るスタイルになります。
一方ティップラン用のエギは、船釣りに特化。
真下に落とし、“縦方向”の動きでイカを狙うバーチカルな釣り方が前提です。
この違いが、エギに求められる性能にも現れます。
- ティップラン用は自重30g以上とヘビー:風や潮に流されにくく、真っ直ぐ落とせる
- 沈下速度が1.5〜2秒/1mと超速:ディープエリアでも着底が素早く、効率的に攻められる
- バーチカルな誘いに対応:ロッドの上下動だけで明確なアクションを出せる設計
さらに、ティップランでは微細なアタリをティップで感じ取る繊細な釣りになるため、
エギ自体も「重さ」だけでなく「バランス」や「水中姿勢」の調整がしっかり設計されています。
つまり、ただの“重いエギ”ではなく、船からの縦の釣りに特化した専用設計。
陸っぱりで使うと、沈みすぎて違和感を与えてしまうこともあるので、用途を見極めて使いましょう。
こんな時に使いたい|ティップラン用エギがハマる釣り場と状況
ティップラン用のエギは、使う場所と釣り方が明確に決まっています。
そのため「どこでも使える万能エギ」とは違い、ハマる条件下で使ったときにこそ真価を発揮します。
ここでは、ティップランエギを活用しやすいシチュエーションを3つ紹介します。
船からのバーチカルな釣り(ティップラン釣法)
これはもはや前提条件。
ティップラン専用エギは、船の上から垂直に落とすスタイルで使うことを想定して作られています。
ロッドの上下動だけで誘いを入れ、フォールやステイの間にアタリを拾う。
この“縦の釣り”でこそ、超速沈下・高バランスの設計が活きてきます。
水深15m以上のディープエリア
船釣りでは、10〜20mを超えるようなディープポイントを狙うことも多くなります。
そんな場面では、沈下速度が遅いエギだと時間がかかりすぎ、アタリのレンジに届く前に船が流されてしまうことも。
ティップラン用エギならスピーディーにボトムを取れて、効率よく探れるため、深場攻略にも非常に有利です。
潮が速く、風も強い状況
通常のエギではすぐに流されてしまうような条件でも、ティップラン用の“重さ”がしっかり効いてくれます。
ポイントは、沈下の安定性とラインの角度の制御。
潮が速くても、エギがふらつかず、狙ったレンジをキープしやすいので、アタリが明確に出やすくなります。
このように、ティップランエギは「縦に釣る」+「流されにくい」+「速く沈む」という条件が重なったときに最も強くなります。
「重いからディープ向きだろう」といって陸から使うのはNG。
使うなら、船釣り×深場×潮流×縦の釣りという条件がそろったときにこそ投入していきましょう。
「ティップラン用おすすめエギ|船から狙う縦の釣りに最適な1本を厳選」
ティップラン釣法において、エギの選び方は釣果に直結します。
特に「沈下速度」と「安定性」は、通常のエギとはまったく別の基準で選ぶ必要があります。
ここでは、実際のティップラン実釣で使用されてきた中から、
速い沈下・安定したフォール・高感度を兼ね備えた、信頼できるモデルをピックアップしました。
「どれを選べばいいか分からない」
「重いだけで本当に釣れるのか心配」
そんな方にも、安心して選べるラインナップです。
それぞれの特徴や向いている条件も解説していくので、
初めてのティップラン用エギ選びの参考にしてみてください。
エギ王TR
春のティップランエギングでは、ディープエリアや潮流の速い状況を相手に、
いかに素早く沈め、なおかつ安定した誘いをかけられるかが重要になります。
そんな場面で頼りになるのが、「エギ王 TR」。
このモデルは、ティップラン専用に設計された本格仕様のエギで、
**3号(21g)と3.5号(27g)**の2サイズ展開。
状況に応じてウエイトを使い分けながら、
深場でも素早くレンジに到達できるスピード沈下を実現しています。
また、独自の「ハイドロフィンTR」により、フォール中のブレを抑制。
縦方向への安定した誘いをかけながら、
リアに搭載された大型フックでイカをしっかり掛けていける設計になっています。
ティップランに求められる「沈下・安定・掛け」の三拍子を、高いレベルで備えた1本です。
ティップランに求められる沈下スピード、安定した誘い、確実なフッキングが特徴。
エギ王 TRは、これらを高水準で実現する“信頼できるティップラン専用エギ”です。
エメラルダス ボート II
春のティップランエギングでは、ただ重いだけでなく、
沈下スピード・アクションバランス・フォール姿勢まで細かく設計されたエギが求められます。
そんな条件を高いレベルで満たしているのが「エメラルダス ボート II」。
このモデルは、ティップラン専用に開発された一体型シンカー設計。
フォール時の無駄なスパイラルを抑えながら、
速く、まっすぐ、確実にレンジに到達させる性能を持っています。
また、シャクリ後のダートアクションも素直で、
アタリを明確に伝えられる適度な引き抵抗設定。
微細なイカの触りもティップにしっかり伝わる、高感度設計が施されています。
さらに、仮面シンカーボートIIを装着することでウエイトアップも可能。
狙う水深や潮流に応じたカスタマイズができる柔軟性も持ち合わせています。
ティップランで深場を攻め、確実に掛けるために。
エメラルダス ボート IIは、速さ・安定感・感度のすべてをバランスよく備えた、
本格ティップランエギングにぴったりの一本です。
エメラルダス ボートジョイント
ティップランエギングでは、エギの動き一つで釣果が大きく変わります。
その中で、より艶めかしく、ナチュラルなアクションを求めるなら「エメラルダス ボートジョイント」が有力な選択肢になります。
このモデルは、ダイワ独自の縦ジョイント構造を採用。
シャクリの入力に対して、ボディがしなやかにしなることで、
直線的な動きでは出せない、自然なドルフィンアクションを生み出します。
また、仮面シンカーボートIIを組み合わせることで、7gから40gまでウェイト調整が可能。
急な潮変わりや深場への対応力も高く、状況に応じた細かなセッティングが可能です。
さらに、カンナには日本製スーパーシャープ段差カンナを採用。
繊細なアタリを確実に掛けていくための高精度設計が施されています。
高い操作性と自然な誘いを両立させた1本。
「エメラルダス ボートジョイント」は、スレたイカに口を使わせたいとき、
他と差をつけるために手に取りたい一本です。
セフィア アントラージュ シーグル
ティップランエギングで求められるのは、沈める速さだけではありません。
水中でどれだけ自然にアピールし続けられるか──そこが釣果を左右します。
「セフィア アントラージュ シーグル」は、そんな場面で力を発揮する、フラッシュブースト搭載の専用エギ。
停止している間も、内蔵された反射板が微細に震え、常にイカへアピールを送り続けます。
さらに、水切れの良いシャープなヘッド形状により、軽快なシャクリ感を実現。
ディープレンジでも無駄な抵抗を抑え、繊細なティップ操作をサポートします。
着底後もカンナが上向きになる設計で、ボトム周辺を攻めやすく、根掛かりリスクも低減。
速く沈め、安定して誘い、違和感なくバイトを引き出すための工夫が細部まで詰め込まれた一本です。
豊富なカラー展開: 日中の澄み潮、ディープ、ローライト…あらゆる状況に対応できるカラーバリエーション
覚刺激と高い操作性を両立したセフィア アントラージュ シーグルは、 ティップランエギングで確実に差をつけたい場面に最適な一本です。
EZ-Q フィンプラス TR
ティップランエギングで安定したフォールと自然な誘いを両立させたい──
そんな場面に応えるのが、デュエルの「EZ-Q フィンプラス TR」。
このモデルは、背中とテールに搭載された2ヶ所の「安定フィン」により、
沈下中も姿勢がブレず、イカに違和感を与えにくい設計になっています。
さらに、わずかな潮流でも振動する「パタパタフィン」が、
水中でナチュラルな波動を生み出し、捕食スイッチを刺激します。
加えて、紫外線下で強く発光する「ネオンフラッシュボディ」を採用。
曇天や濁り潮といった低視界コンディションでも、確実なアピール力を発揮してくれます。
また、状況に応じた使い分けがしやすいシステムカラー展開に加え、
ラトル入りモデルもラインナップされており、音による誘いをプラスすることも可能です。
サイズバリエーション: 3.0号(30g)と3.5号(40g)を展開し、水深や潮流に合わせたチョイスが可能
安定したフォール、自然な波動、高いアピール性能。
EZ-Q フィンプラス TRは、ティップランエギングを一歩先に進めたいアングラーにこそ選んでほしい一本です。
クレイジーオーシャン ティップランナー
ティップランエギングでは、エギの沈下、安定性、操作性が大切です。
すべてが高いバランスでまとまっていることが求められます。
そんな理想を追求して作られたのが「ティップランナー」。
このモデルは、薄型ヘッドとキールシンカーの組み合わせにより、
シャクリの軽さと水中での直進安定性を両立。
軽快なダートアクションと、流れの中でも安定したフォール姿勢を実現しています。
さらに、段差カンナによる掛かりの良さや、
ブルーグロー仕様(※一部カラー)による視覚アピール強化など、
細部にわたる工夫が盛り込まれています。
また、3.0号(25g)と3.5号(30g)という実戦的なサイズ展開で、
水深や潮流に合わせたセッティングができる柔軟性もポイント。
高いバランスでまとめられた性能──
ティップランナーは、ティップランエギングを本気で攻略したいすべてのアングラーに向けた一本です。
船からディープエリアを狙うなら「ティップラン専用エギ」は必須
岸釣りで使うエギとは違い、ティップランでは船の上から“縦に落として釣る”スタイルになります。
そのため、水深や潮流の影響を大きく受けやすく、通常のエギでは沈まない・動かない・釣りにならないという状況がよくあります。
そんな環境下でしっかり成立させるために必要なのが、ティップラン専用に設計された重めのエギ。
30g〜40gの重量で、しっかりと底を取りつつ、フォール中も安定した姿勢でアピールできます。
「とりあえず手持ちのエギでやってみようかな」と思っても、
実際にはレンジに届かず、アタリもわからずで終わることも少なくありません。
だからこそ、
- ティップランをやる予定がある
- 船からディープエリアを攻める
という方は、専用エギの導入が前提になります。
ティップランをしっかり成立させるためにも、
“専用設計”であることは、釣果を得るうえでの大前提といえるでしょう。
また、岸釣りでのエギングスタイルについても興味がある方は、
以下の記事も参考にしてみてください。
- ノーマルタイプ(沈下3秒/1m)
陸っぱりエギングの基本となる万能モデル。ノーマルタイプエギの特徴や使い方は[こちらの記事]で解説しています。
- シャロータイプ(沈下6秒/1m)
浅場やスレたイカにじっくり見せたいときは、ゆっくり沈むシャロータイプが効果的です。詳しくは[こちらの記事]をご覧ください。
- ディープタイプ(沈下2.5秒/1m)
岸からディープエリアを攻めるなら、速い沈下速度のディープタイプが有利。深場攻略用エギの選び方は[こちらの記事]で紹介しています。