春にイカを狙うなら、ぜひ意識しておきたいのが「エギの選び方」。
秋の数釣りとは違い、春は産卵前の大型アオリイカがターゲットになるため、ひとつの選択ミスが釣果を大きく左右します。
特に、初心者のうちは「3.5号って書いてあるから大丈夫だろう」と思って適当に選んでしまいがち。 しかし、同じ3.5号でもモデルによって重さも沈み方もまったく違い、「沈まない」「速すぎて見せられない」といった失敗に繋がるケースも少なくありません。
この記事では、そんな春イカエギングにおいて「本当に釣れるエギの選び方」と「タイプ別の使い分け方」、さらに今おすすめしたいエギまで、実戦的にまとめました。
「釣具屋でどれを選べばいいのか分からない…」と感じている方も、この記事を読めばエギ選びの軸がきっと見えてきます。
ぜひ、次の釣行前に参考にしてみてください。
春イカを狙うエギの選び方
春のアオリイカは、産卵前の大型個体がメインターゲットになります。そのため、秋とは違って“サイズ感”や“見せ方”をしっかり意識したエギ選びが釣果に直結します。
では、どんなポイントを見て選べばいいのでしょうか?実際に選ぶときに意識したいのは、次の5つです。
1.サイズは「3.5号」が基準
春の親イカは、小さなエギにはあまり反応してくれません。
エサを効率よく捕食しようとするため、ある程度ボリュームのあるサイズを好む傾向があります。
そのため、春イカ狙いでは「3.5号」が基準。
さらに、より大きな個体を狙いたいなら、4.0号クラスのエギも選択肢に入れてみましょう。
ただし、浅場や根がかりしやすいポイントでは、3.0号までサイズを落として使うことでロストを防ぎやすくなります。
状況に応じてサイズを柔軟に変えることが、春イカ攻略の第一歩です。
2.重さと沈下スピードで“見せ時間”を調整
同じ号数でも、重さや沈下スピードはモデルによって大きく異なります。
たとえば、風がある日や水深のあるポイントでは、ノーマルタイプのエギだと沈みにくく、思ったレンジまで届かないことも。
だからこそ、「沈み方」を基準にエギを選ぶ意識がとても大切です。
目安となるのが、約3秒で1m沈むタイプ(ノーマル)。
そこを基準に、状況に応じて調整していきましょう。
- 潮が速い・風が強い日 → 速め(2.5秒以下)でしっかり沈める
- 浅場や“見せる釣り”をしたいとき → 遅め(5〜6秒)で長く見せる
沈下スピードを意識するだけで、エギが届くレンジやイカへの見せ方が変わります。
その違いが、釣果につながってくることも少なくありません。
3.ノンラトルタイプを選ぶ
春に狙うアオリイカは、警戒心がとても強く、ちょっとした“音”にも敏感に反応します。
そのため、ラトル入り(音が鳴る)タイプのエギは、かえって警戒されてしまうことも少なくありません。
春の釣行では、できるだけ静かに、自然にアプローチできる「ノンラトル」タイプを選ぶのがおすすめです。
- ラトル入り:秋や高活性時など、広範囲にアピールしたい場面に向いています。
- ノンラトル:警戒心が高く、スレやすい春イカに効果的。近距離で“見せて食わせる”釣りと相性がいいです。
春のエギングでは、「静かさ」も選定のポイントのひとつにしてみましょう。
4.カラーは“光と水質”で選ぶ
春は日照時間が長く、晴天の日も増えてくる時期です。
そんな春エギングでは、「光の入り方」や「水の濁り具合」に合わせたカラー選びを意識すると、エギの見せ方に差が出てきます。
たとえば、
- 晴れていて水が澄んでいる日は、ケイムラやクリア系
→ 自然に光を透かして、警戒心の強いイカにも見切られにくくなります。 - 曇り空や濁り潮のときは、ピンクやオレンジ、金テープ
→ 水中でもシルエットがしっかりと際立ち、存在感を出せます。 - ナイトゲームやローライトの時間帯では、グロー系や赤テープ入り
→ 発光で視認性を高めつつ、広範囲にアピールできるのが魅力です。
「今の釣り場にはどんな色が合うか?」
そんな視点でカラーを選び直してみると、反応が変わってくることも多いので、ぜひ試してみましょう。
5.状況で使い分けられるように“複数タイプ”を持つ
釣り場の状況は、毎回まったく同じとは限りません。
風向き、潮の速さ、水深、時間帯──その日の条件次第で、エギに求められる役割も大きく変わってきます。
だからこそ、ノーマルタイプを軸に、シャローやディープタイプなど2〜3種類のエギを持っておくことで、現場での対応力がぐっと広がります。
実際、「もう少し沈下が速ければ…」「ここはじっくり見せた方がいいかも」と感じる場面は意外と多いもの。
釣れる・釣れないを分けるのは、こうした“事前の備え”だったりします。
タイプ別おすすめエギの紹介|春の状況に合わせて選ぶ
春イカ狙いでは、狙う水深や風・潮の強さによって、選ぶべきエギの“重さ”や“沈下速度”が変わってきます。
ここでは代表的な4タイプに分けて、それぞれの特徴とおすすめモデルを紹介します。
ノーマルタイプ(沈下速度:約3秒/1m)
春エギングの基準になる万能モデル。
水深5〜10mの堤防や港湾部で使いやすく、特に初めてのポイントではまずこれを選ぶのが基本です。
おすすめモデル
・ヤマシタ エギ王K
エギ王Kは、安定したフォールと自然なアクションで、低活性時でもアピールしやすいノーマルタイプの3.5号モデル。
シャローやゴロタ場でも使いやすく、扱いやすさと誘いやすさを両立。
春イカ狙いに、まず最初に手に取ってほしいエギです。
・デュエル EZ-Q キャスト 喰わせ
EZ-Q キャスト 喰わせは、止めたままでも微波動でイカに存在をアピールできる春イカ向けのエギ。
浅場でのサイトやテンションフォールなど、見せる釣りに強く、違和感を与えにくい設計。
軽い操作でも自然に誘えるので、スレたイカにも効果的です。
ノーマルタイプについてさらに詳しく知りたい方はこちら。
【春イカ攻略はノーマルタイプから!沈下3秒の特徴・使い方・おすすめをまとめて解説】
シャロータイプ(沈下速度:約6秒/1m)
浅場で“じっくり見せたい”ときに最適なタイプ。
春は大型が藻場やゴロタエリアに入ってくるため、根掛かり回避と見せアピールの両立ができるのが強み。
おすすめモデル
・エギ王K シャロー
エギ王K シャローは、6秒/mの超スローフォール設計で春の浅場攻略に特化した3.5号モデル。
警戒心の強いイカにも違和感を与えず、見せて抱かせる釣りをサポート。
シャローエリアでじっくり攻めたいなら、ぜひ備えておきたい一本です。
・アオリーQ LC スロー
アオリーQ LC スローは、スローフォール+ロングキャスト性能を備えた春のシャロー攻略用エギ。
安定したフォール姿勢としっかり飛ばせる仕様で、沖の警戒心の薄いイカにもアプローチ可能。
遠くの浅場までじっくり探りたいときに頼れる1本です。
浅場をじっくり攻めたいときに活躍するシャロータイプの特徴や使い方は、こちらで詳しくまとめています。
【春の浅場はシャロータイプで攻める!沈下6秒エギの使い方とおすすめモデルを紹介】
ディープタイプ(沈下速度:約2.5秒/1m)
水深があるポイントや、風・潮の流れが強い日に沈ませやすいタイプ。
春の大型はボトムに着いていることが多く、きっちり底を取ってアピールできるのが強み。
おすすめモデル
・ダイワ エメラルダスライト 2 RV
エメラルダスライト2 RV DEEPは、約2.0秒/mの高速フォールとラトルアピールを備えたディープ対応エギ。
深場や速潮エリアでもレンジを外さず、視覚・聴覚の両方でイカに強烈にアプローチ。
沈めて掛けたい攻めの春イカ釣りに、ぜひ持っておきたい一本です。
・ハリミツ 墨族ディープ
墨族ディープ3.5Dは、24gヘビーウェイト設計で深場や速潮エリアも確実に攻略できる本格ディープエギ。
安定したフォール姿勢と高耐久ボディで、ボトムを正確に攻め続けられる。
大型春イカ狙いに、一投一投を確実にモノにしたいときに頼れる一本です。
深場や潮流の速いエリアで頼れるディープタイプについては、こちらの記事で解説しています。
【春の深場はディープタイプで攻める!沈下2.5秒エギの特徴と使い方・おすすめモデルを紹介】
ティップラン用(沈下速度:約1.5〜2秒/1m)
船からの釣りで“縦方向に”攻めたいとき専用。
通常の岸釣りとは全く用途が違うので、陸っぱりでは使いにくい。春のティップランでは特に活躍。
おすすめモデル
・エギ王TR
エギ王TRは、ティップラン専用設計で速沈・安定フォール・確実なフッキングを実現するエギ。
3号・3.5号のウエイト展開で水深や潮流に柔軟に対応でき、縦方向の釣りに強い。
ティップランエギングを本気で攻めたいなら、ぜひ持っておきたい一本です!
・クレイジーオーシャン ティップランナー
ティップランナーは、軽快なシャクリと安定した直進性を両立したティップラン専用エギ。
薄型ヘッド×キールシンカー設計で、流れの中でも自然なフォールとダートアクションを展開。
水深や潮流に合わせた実戦的な対応力で、幅広いシーンを攻略できる一本です。
船からディープエリアを縦に攻略するティップラン釣法と専用エギについては、こちらで詳しく紹介しています。
【春イカを船から狙うならティップラン!速攻沈下エギの特徴と使い方・おすすめモデルを紹介】
どれを選べばいい?迷ったときの選び方のポイント
春イカを狙う際に「結局どれを選べばいいの?」と悩んでしまう人は少なくありません。
とくに3.5号という表記だけを頼りに選んでしまうと、沈みすぎたり、逆に沈まなさすぎたりして釣果に直結する失敗をすることも。
ここでは、「どう選べばいいか?」に迷ったときに、わたしが実際に意識しているポイントを整理しておきます。
初心者でも実践しやすい3つの軸をもとに、自分に合ったタイプを選びましょう。
1.水深で選ぶ
まず注目したいのが「釣り場の水深」。これによって、選ぶべきエギの沈下速度が変わってきます。
- 水深5m以下:シャロータイプ(沈下速度が遅く、じっくり見せられる)
- 水深5〜10m:ノーマルタイプ(最もバランスが良く、基準となるタイプ)
- 水深10m以上:ディープタイプ(沈下が速く、底をしっかり取れる)
水深が深くなるほど、沈下スピードの速いエギを選ぶのが鉄則です。
2.風や潮の強さで選ぶ
釣り場の風や潮流の強さも、沈下速度の選択に影響します。
- 風が穏やか/潮が緩やか → ノーマルタイプで問題なし
- 風が強い/潮が速い → ディープタイプやティップラン用で沈めやすさを重視
風や潮の影響を受けやすいシャロータイプは、穏やかな日限定で使うのがベターです。
3.見せる時間で選ぶ
どれだけイカにアピールしたいか?見せたい時間で選ぶ方法も有効です。
- ゆっくり見せたい → シャロータイプ(警戒心が強いイカに)
- スピーディーに探りたい → ディープタイプ/ティップラン用(手返しよく攻められる)
春は大型狙いで“見せる釣り”が効果的なシーンも多いため、見せる時間を意識することも釣果を分けるポイントです。
このように、「水深」「風・潮の強さ」「見せたい時間」の3つを軸にすると、
釣り場ごとに“ベストな1本”を見つけやすくなります。
迷ったときは、まずノーマルタイプの3.5号/約20g前後(沈下3秒/1m)から始めてみてください。
そこを基準に状況を見ながら、シャロー・ディープ・ティップランと使い分けていくことで、
春イカエギングの成功率はグッと上がります。
春イカを狙うなら“選び方”で差がつく
春のアオリイカは、大型が狙える反面、警戒心が強くて簡単には釣れてくれません。
だからこそ、エギの「サイズ」「重さ」「沈下スピード」「カラー」「音」といった細かい部分の選択が、釣果を大きく左右します。
迷ったときは、まずノーマルタイプの3.5号(沈下速度:約3秒/1m)を基準に。
そこから水深や潮の速さ、見せたい時間に応じて、シャローやディープ、ティップランといったタイプに切り替えていくのが、現場でも対応しやすい考え方です。
エギのパッケージ表記を見るだけでなく、「どんな場面で効くのか?」まで想像できるようになると、
釣り方や戦略の幅が広がり、春イカエギングの面白さも増していきます。
次の釣行では、ぜひ“選び方”を意識してエギを選んでみてください。
その小さな意識の差が、結果を変えてくれるでしょう!