シットオンカヤックは手漕ぎと足漕ぎどっち?釣り用艇の選び方を解説
2026年09月28日
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釣り用のシットオンカヤックは、水上の使い勝手だけで買うと、車への積み下ろしや自宅での保管に困ることがあります。
運搬の負担を抑えたいなら手漕ぎ艇、ロッドを持ちながら移動や位置調整をしたいなら足漕ぎ艇が選択肢です。
ただし、足漕ぎ艇はドライブを外しても船体そのものは軽くならないため、購入前に車載方法まで考えておく必要があります。
この記事では、シットオンカヤックの選び方と、釣りに使う手漕ぎ・足漕ぎ6艇を紹介します。
釣り中の使い方と陸での扱い方を押さえれば、自分の釣行に合う1艇を見つけられるでしょう。
この記事で分かること
- シットオンとシットインの違い
- 手漕ぎと足漕ぎを選ぶ条件
- 釣り用6艇の特徴と運搬時の重さ
- 保管・積載量・出艇前の準備
目次
シットオンカヤックは艇の上に座って釣るタイプ

シットオンカヤックは、中空の船体の上に座るカヤックです。
釣り用モデルは足元や後部に荷物を積む場所があり、ロッドホルダーや魚探を取り付けるための平面やレールも設けられています。
艇の上で道具を扱える一方、波しぶきや雨を避ける囲いはないため、濡れる前提で服装と荷物の防水を準備する艇です。
シットインとの違いは座る位置と荷物の置き場

シットインは船体の開口部へ下半身を入れて座り、シットオンはデッキの上に座ります。
釣りで違いが出るのは、クーラーやタックルを積む場所と、座ったまま道具へ手を伸ばす動作。シットオンなら後部の荷室へクーラーを固定し、足元やセンターコンソールに使う道具を収納できます。
ただし、荷物を取り出すために大きく身を乗り出すと艇を傾けてしまいます。頻繁に使う道具は、座った姿勢で届く範囲に収めましょう。
幅が広くても再乗艇の練習は欠かせない
幅のある艇でも、転覆したあとの復原や再乗艇が簡単になるとは限りません。
海上保安庁は、シットオンカヤックの再乗艇には技術が必要で、艇へ戻れず漂流する事故が発生していると説明しています。
購入前に講習や試乗を受け、管理された環境で、自分がその艇を起こして乗り直せるかまで練習することが大切です。
長さや幅の数値を満たすことと、海へ出られることは別です。
手漕ぎと足漕ぎは釣り中の操船と運搬負担で選ぶ

手漕ぎと足漕ぎの違いは、ポイントへ向かう移動だけではありません。
釣りの途中でパドルを持ち替えるか、ロッドを持ちながらペダルを動かすかで、ルアーを投げ直すときや流す位置を調整するときの動作が変わります。
運搬の負担を抑えるなら手漕ぎ、釣りながら艇を動かすなら足漕ぎを基準に、車載と保管まで含めて選びましょう。
車載の負担を抑えるなら手漕ぎ艇
一人で積み下ろしをするなら、ドライブがなく船体重量を抑えた手漕ぎ艇から検討すると、陸で扱う負担を減らせます。
今回の手漕ぎ艇は本体21.3〜28kg。足漕ぎ艇の船体29.48〜33.11kgより軽いものの、長い艇を車の屋根まで持ち上げる動作は、同じ重さの荷物を持つ場合とは異なります。
車高が高い場合や肩・腰へ負担がかかる場合は、積載補助器具や二人での積み下ろしを前提にするほうがよいでしょう。
手漕ぎでは移動や向きの調整に両手を使うため、釣りを中断してパドルへ持ち替える時間もあります。
ロッドを持って位置調整するなら足漕ぎ艇

ルアーを回収しながら次に投げる位置へ動きたい場合は、足漕ぎ艇の利点を使えます。
ペダルで推進できるので、パドルへ持ち替えずに移動でき、手でラダーを操作して向きを調整します。ただし、操船から完全に手が離れるわけではありません。
さらに、足漕ぎだから、その場に止まれる・後進できるとは限りません。後進のないドライブでは、狭い場所から離れるときや向きを変えるときにパドルが必要になります。
重量に加えて、使用後のドライブ洗浄や可動部の整備も続けられるかが購入条件です。
長さと幅だけでは速さも安定感も決まらない
漕いで移動する時間が長いなら、幅広い釣り座だけでなく、前へ進める船体形状と自分の漕ぎ方に合う艇を選びたいところです。
細長い船体やツーリング型の形状は移動を重視した設計ですが、全長だけで速さが決まるわけではありません。積んだ荷物、着座位置、風や潮、漕ぐ人の技量でも進み方は変わります。
「最速のシットオンカヤック」を探していても、異なる条件の試乗結果だけで順位は付けられません。
試乗では、漕いだときの進み方と、座って道具を扱ったときの傾き方の両方を確かめると、自分の釣りに必要な性能がつかめます。
手漕ぎ艇は運びやすさと漕いで移動する距離に合わせる
手漕ぎでポイントを回る釣りでは、パドルを動かす空間と、釣りの途中に道具をしまう場所が必要です。
収納付きの艇ならルアーや小物を足元に散らさず移動でき、漕ぐ時間が長い釣行では船体の形状も使い心地に関わります。
運搬時の重さ、漕いで進む船体、道具の収納に特徴がある3艇を紹介します。
本体重量は各掲載元の公称値です。追加する魚探・ホルダー・釣具の重さは含みません。
- 足元のセンターコンソールへ道具を収納
- 調整式フットレストで漕ぐ姿勢を合わせる
- 全長3.5mの釣り用艇
忍は、足元の収納を備えた3.5mの手漕ぎフィッシングカヤック。
センターコンソールへ小物やルアーをしまえるので、ポイント移動のたびに道具を片付ける場所に困りません。
2025年版はスライド式ペダルレールのフットレストを採用し、脚の長さに合わせて踏ん張る位置を調整できます。
コンソールはカバー仕様を選べますが、濡れて困る物には別途防水バッグが必要です。
船体23kgと収納を両立した艇を探す場合に選べる一方、体重と釣具を足して最大積載約110kgへ近づく使い方は避けたいところです。
- 細長い船体でパドル移動を重視
- 大容量センターコンソール
- 2025年夏に収納を改良
プロフィッシュ45は、細長い船体と大容量の収納を持つ手漕ぎ艇です。
釣る場所を変えながらパドルで移動し、ルアーや小物をセンターコンソールへ収納すれば、足元を空けたまま漕げます。
2025年夏の改良では収納を見直し、コンソールカバーは窓付き・窓なしから選択可能。
全長4.3mのため、収納する場所の奥行きだけでなく、庭やガレージから車まで運ぶ経路も必要になります。
船体28kgを一人で持ち上げられるとは限らないので、長い艇を支えるキャリアと積み下ろし方法を用意できる人の選択です。
- Trylon ABSで船体重量を抑える
- 低い着座位置のツーリング型
- 前後荷室と3カ所のハッチ
スキマー128は、390cmのツーリング型船体を21.3kgに抑えた手漕ぎ艇。
ABS樹脂へアクリルを重ねたTrylonを使い、車載時に持ち上げる船体の重さを減らしています。
低い位置に座って漕ぎ、釣る場所の間を移動する時間も楽しみたい人に合う設計です。
前後のバンジーコードとハッチを使って荷物を収められますが、ロッドホルダーは別売なので、釣り用の固定具を含めた費用が必要になります。
幅71.1cmの艇で道具へ手を伸ばす姿勢が自分に合うか、試乗で確かめてから選びたい一艇です。
足漕ぎ艇は釣り中の位置調整と装備込みの重さで選ぶ
流しながらジグを落とす釣りや、投げる場所を変えながらルアーを回収する釣りでは、ロッドを持ったまま艇を動かせる足漕ぎが役立ちます。
その一方、ドライブやシートを載せる分だけ運搬する物が増え、魚探やクーラーを追加すると総重量も増していきます。
釣り中の操船を助けるフィンドライブに加え、保管寸法と艤装スペースの違いから3艇を紹介します。
船体重量はシート・ドライブを除く値、装備込み重量は掲載元の総重量・完成重量です。追加の釣具やクーラーは含みません。
- フィンドライブでロッドを持ちながら推進
- 後部ラゲッジへ荷物を固定
- 跳ね上げ式ラダーで出着艇に備える
PK37は、フィンドライブとラダーを備える368cmの足漕ぎ艇です。
ロッドを持ったまま前進でき、ルアーを回収しながら次の位置へ動く釣りでパドルへの持ち替えを減らせます。
後部の荷室はバンジーコード付きで、センターハッチには小物用のバケットも付属。
出着艇ではラダーブレードを上げ、使用後はドライブを真水で洗い、可動部の手入れを続ける必要があります。
船体だけで30kgあるので、カートで水際へ運ぶ方法とは別に、車へ積み上げる補助も用意して選びましょう。
詳しいスペックを見る
- 推進
- フィンドライブ
- 全長
- 368cm
- 全幅
- 80cm
- 本体重量
- 30kg(シート・ドライブ除く)
- 総重量
- 35kg
- 最大積載量
- 180kg
- 素材
- ポリエチレン
- ロッドホルダー
- 着脱式1・埋込み4
出典: サウスウインド製品ページ
- 3.2mの船体で保管寸法を抑える
- MirageDrive GTのフィン式推進
- 座席耐荷重と積載量を別に設定
Passport10.5Rは、全長3.2mにMirageDrive GTを搭載した足漕ぎ艇。
長い一体型艇を置く場所が限られる人にも検討できる寸法で、少ない道具で流し釣りや岸沿いの釣りをする際に、準備する装備を抑えられます。
ただし、短くても船体は29.48kgあり、片手で扱うような軽量艇ではありません。
GTには後進機能がないため、根の上で止まり続ける操作より、前進とラダーで釣る位置を調整する使い方が中心です。
最大搭載重量147.42kgと座席耐荷重124.74kgは別なので、座席と総積載のどちらも上限へ近づかない使い方が前提です。
詳しいスペックを見る
- 推進
- MirageDrive GT
- 全長
- 320cm
- 全幅
- 86.36cm
- 船体重量
- 29.48kg
- 完成重量
- 34.02kg
- 最大搭載重量
- 147.42kg
- 座席耐荷重
- 124.74kg
- 船体素材
- ポリエチレン(回転成形)
出典: HOBIE JAPAN公式
- 魚探振動子の設置スペース
- 2本のアクセサリートラック
- MirageDrive GTと標準パドル
Passport12.0Rは、魚探やホルダーを追加する場所を備えた3.6mの足漕ぎフィッシング艇です。
振動子の設置スペースと2本のアクセサリートラックがあるので、釣る位置や水深を探りながら流すための装備を組めます。
ただし、魚探の配線経路と電源の収納は別途必要で、旧Passportの取付例をそのまま当てはめないことが大切です。
MirageDrive GTの前進を使って位置を調整し、浅瀬や細かな操船には標準のパドルを併用。
完成重量37.65kgに釣具が加わるため、水際までのカート運搬と車への積載補助を用意できる人に勧めたい一艇です。
詳しいスペックを見る
- 推進
- MirageDrive GT
- 全長
- 360cm
- 全幅
- 86.36cm
- 船体重量
- 33.11kg
- 完成重量
- 37.65kg
- 最大搭載重量
- 181.44kg
- 座席耐荷重
- 124.74kg
- ロッドホルダー
- 2
- パドル
- 2分割アルミ製が標準
出典: HOBIE JAPAN公式
シットオンカヤックは保管場所と総積載量まで考えて買う

釣りに必要な装備を決めたら、艇を自宅から出し、水際へ運び、帰って洗って保管するまでの動作も考えましょう。
ドライブを外して運搬しても、船体を車へ積む負担や、家で必要な保管寸法は変わりません。
艇を買う前に、保管寸法・積み下ろし方法・体重を含む積載重量まで決めておくと、買ったあとに扱えない事態を避けられます。
車載する船体の重さと屋根までの高さを合わせる
一人で車載する場合は、自分が持てる重さだけでなく、車の屋根まで艇を上げる方法が必要です。
低い車へ後ろから滑らせる場合と、背の高い車へ横から持ち上げる場合では、同じ艇でも身体へかかる負担が違います。
キャリアや積載補助器具は車と艇の形状に合うものを使い、車両・キャリアの積載条件や固定方法に従います。
保管場所では、艇を置く長さに加え、取り出すための扉や曲がり角の幅も必要です。4m近い艇を直線で収納できても、車まで運ぶ途中で曲がれなければ持ち出せません。
一体型艇を保管・搬出できない場合は、短い艇へ無理に変更せず、分割式という方法も検討しましょう。
分割式の組み立てと持ち運びの実物体験は、こちらの記事で紹介しています。
体重にクーラーと釣具を足して積載量を考える
積載量は、釣具だけでなく自分の体重を含めて考える数値です。
たとえば体重80kgに、クーラー・氷・飲料・釣具で20kgを加えると100kg。最大積載約110kgの艇では上限まで約10kgしかなく、持ち帰る魚や追加装備も無視できません。
最大積載量ぎりぎりまで積む使い方は避け、体重と荷物を増やしてもメーカーの積載条件や座席耐荷重へ近づかない艇を選びます。
同じ総重量でも、荷物を高く積んだり片側へ寄せたりすると艇の傾き方が変わるため、重い物は指定の荷室へ固定し、乗り込む前に配置を決めることが大切です。
艇代だけでなく装備と整備の費用も必要
初めて買う艇は、本体価格だけで予算を使い切らないようにしましょう。
PFD、パドル、カート、車載用キャリアと固定ベルト、防水した連絡手段なども必要です。釣り方によっては魚探・ホルダー・クーラーを加え、足漕ぎ艇なら駆動部の補修費もかかります。
部品の取寄せや修理を相談できる販売店を選ぶと、ワイヤーやラダーなどが傷んだときにも対応を頼めます。
仕様が似ていても、補修部品と対応窓口が分からない艇を価格だけで選ばないことが、長く使ううえで重要です。
海へ出る前に再乗艇とパドルでの操船を身につける
艇と釣具がそろっても、すぐに一人で海へ出るのは避けましょう。
風や潮で流された艇を動かす技術と、落水してから艇へ戻る技術は、釣りの操作とは別に練習が必要です。
講習や販売店の試乗で艇の扱いを身につけ、出艇場所の利用ルールと当日の気象・海象に従って行動します。
足漕ぎでも浅瀬と故障に備えてパドルを携行
足漕ぎドライブは艇底へ出るため、出着艇時の浅瀬では底へ接触させない操作が必要です。
ドライブやラダーを上げた状態で動くとき、駆動部が故障したときにはパドルを使います。キックアップ機能のあるフィンでも、浅瀬をそのまま漕ぎ続けてよいという意味ではありません。
パドルは積んでおくだけでなく、着座したまま取り出せる位置へ固定し、パドルで艇を動かす練習も行いましょう。
荷物を積んだ状態で試乗と再乗艇を練習
空の艇と、クーラーや魚探を載せた艇では、手を掛ける場所や身体を戻す空間が変わります。
管理された環境で指導を受けながら、実際の釣りに近い荷物配置で復原と再乗艇を練習すると、邪魔になる装備や届かない道具が分かります。
PFDも座って漕ぐ動作や再乗艇を妨げないものを選び、着用したまま練習することが大切です。
カヤックでの着座と動作に合うPFDの選び方はこちらです。
他船から見つけてもらう装備として、フラッグの高さや固定方法も必要になります。
シットオンカヤックは釣り方と陸での扱いやすさを両立させる
シットオンカヤックは、パドルで移動する釣りなら手漕ぎ、ロッドを持ちながら移動や位置調整をする釣りなら足漕ぎが選択肢です。
船体の長さや幅だけでなく、収納、ドライブ、釣具の取付位置が自分の釣りに合うかまで考えましょう。
同時に、車へ積む重さ、保管場所からの搬出、体重と装備を含めた積載量にも無理のない艇が必要です。
釣り中の使い方と毎回の運搬を両立できる艇を選び、操船と再乗艇を身につけてからカヤックフィッシングを始めましょう。







